KIKO KOSTADINOVが東京・原宿にコンセプトストアをオープン


photography Daisuke Shima
 
KIKO KOSTADINOV(キコ・コスタディノフ)が、3月23日に東京・原宿にブランド初となるパーマネントストアをオープン。2016年のファーストコレクション発表以来、ブランドを定義してきた先進的発想を拡張し続けるコスタディノフが、そのクリエーションの延長線上で初の実店舗を作り上げる。
 
空間を再考するというその歴史に基づき、KIKO KOSTADINOV初のリテールコンセプトは、リテールデザインに対する新しいアプローチをもたらす。東京という都市自体に触発され、そのミニマルな美学と視覚芸術の影響を組み合わせることにより、この店舗はブランドを特徴づける研究ベースのワールドビルディングアプローチを体現。
 
このストアは2つの異なるコンポーネントで構成されている。第一のコンポーネントとなる“ギャラリー”部分は、日本を拠点に活動する関祐介の「YUSUKE SEKI STUDIO」によるデザイン。関のデザインアプローチは、場所や空間の歴史などの文脈的要素を巧みに取り入れながら、シンプルさとミニマリズムを強調している。そうした彼のデザインアプローチは、既存の建築と対話し、それを革新的な方法で引き出し、拡張させ、環境全体の感覚を再文脈化する。関はこの空間に対して、慎重に思考を重ねた後、創造性と変容を育む場として機能する白紙のキャンバスを作り出した。リテールスペースを、どこかポエティックな舞台のような位置付けへと昇華させている。
 

Ryan Trecartin, Render Mart, 2024, 3D modeling view in collaboration with Rhett LaRue.
Courtesy of the artists, Sprüth Magers, and Morán Morán
 
第二のコンポーネントでは、定期的にアーティストが招待され、没入型のインスタレーションを作成し、常に進化し続けるイニシアチブの形を取る。これらのインスタレーションは従来の型を破り、KIKO KOSTADINOVのクリエーションを新しい視点で見ることができるだけでなく、アートとファッションの関係性を解釈する新たなる方法をも生み出す。
 
最初に参加を招待されたアーティストはライアン・トレカーティン。1981年アメリカ生まれのトレカーティンの幅広い表現手法には、映像、インスタレーション、彫刻、サウンドデザイン、写真ベースの作品が含まれ、アイデンティティの流動性、コミュニティの定義の展開、および主題形成の複雑さに焦点を当てています。最近の主要な展示には、『Another Surrealism』(デン・フリー現代美術センター/デンマーク・コペンハーゲン/2022年)、『World out of Joint』(クンストミュージアム・ヴィンタートゥール/スイス・ヴィンタートゥール/2022年)、『Lizzie Fitch / Ryan Trecartin: Whether Line』(フォンダツィオーネ・プラダ/イタリア・ミラノ/2019年)、『Lizzie Fitch / Ryan Trecartin』(アストゥルプ・フェアンリー美術館/ノルウェー・オスロ/2018年)が含まれる。トレカーティンの作品は、30以上の主要なアメリカおよび国際的機関のパーマネントコレクションに収蔵されている。
本インスタレーションでは、トレカーティンは2部にわたって視覚的な物語を提示。第一段階は、制作途中の状態を想起させる“保留中”の場所として存在している。長年のコラボレーターであるレット・ラルーとともに作成したフォトリアリスティックなレンダリングプラン、素材のプレースホルダー、使用済みの足場、その他の建設資材などを組み合わせて、“下書き設定”ともいえるレンダーキュー中の店舗を作り出した。制作の裏側でのリサーチと建築的美学は、第二段階へのヒントを与えている。
 
トレカーティンが日本の職人たちとともに2024年夏に続くインスタレーションの制作に取り組む間、観客はインスタレーションの第一段階である“下書き設定”と関わる機会を持つ。このプロセスは、トレカーティンのコミュニティベースの芸術的アプローチに沿ったものであり、コラボレーターがアーティストのプロジェクトの実現において重要な役割を果たしている。空間の最終的な反復はこのプロセスを通じて進化し、その開発とともに明らかになり、映像、オブジェクト、インスタレーション、彫刻を含む、典型的ではないリテールのコンテクストに空間を再構成し、奇妙なまでに馴染みのある一連の家庭的環境を生み出すのだ。
 
このユニークで斬新な空間は、KIKO KOSTADINOVのウェア、バッグ、アクセサリー、フットウェアだけでなく、コラボレーションプロジェクトや限定商品も展開する。
 
キコ・コスタディノフ 東京
 
東京都渋谷区神宮前2-32-3
11:00~19:00
[email protected]
https://www.instagram.com/kikokostadinovtokyo/
https://kikokostadinov.com/
https://www.instagram.com/kikokostadinov/
https://www.instagram.com/laura_deanna_fanning/

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