藤井聡太八冠が語る「伸びる子」の条件

藤井聡太八冠が語る「伸びる子」の条件

史上初の八冠の偉業を達成した藤井聡太竜王・名人。天才と呼ばれ、歴戦の棋士たちと比較してもその強さは圧倒的だ。なぜ藤井聡太氏は強くなることができたのか。

◾️「負けず嫌いな子どもは伸びる」

『藤井聡太の名言 勝利を必ずつかむ思考法』(桑原晃弥著、ぱる出版刊)では、経済・経営ジャーナリストの桑原晃弥氏が、藤井聡太氏の「プロ棋士になるまでに何を考えていたのか」「プロ棋士としてどんな思いで勝負に臨んでいるのか」「将棋の未来をどう思い描いているのか」など、本人が発した言葉やエピソードを元にまとめ、紹介する。

では、藤井聡太氏はどんな言葉を発しているのか。

「昔からすごく負けず嫌いだったので、負けず嫌いはとくに子どもの頃に、伸びる傾向があるかなと思います」

藤井聡太氏は、子どもの頃から天性の負けず嫌いと言われている。「自分は負けたら勝つまで続けるというのが、けっこう昔から癖だったので」と藤井聡太氏自身が話しているように、トランプや花札などの家庭で楽しむゲームでさえ、負けたら必ずもう1回勝つまでひたすら続けたという。

この性格は将棋でも発揮され、記録に残らない練習将棋や誰も結果を知らない私的な将棋でさえ、負けると悔しがる。大差で負けていても、最後まで勝負にこだわり、「こんな将棋、負けたって別にかまわない」とは決して思わないという。

「将棋日本シリーズこども大会」東海大会決勝戦で、大きな見落としによって敗れた藤井氏は号泣し、奨励会時代も悔しさを前面に出すことがしばしばあった。ただし、藤井氏の特徴は、激しく泣く一方で切り替えも早く、負けを引きずることがない。「負けず嫌いだと、将棋に打ち込む時間も長くなります」と藤井氏自身もメリットを自覚している。

「忘れることが大事なんだということは、プロになってから気づきました」

藤井氏は「勝った将棋に関しては、勝ちといってもまあ過去のことなので、あまり振り返りません」と話しており、敗北に関しても、その内容に関してしっかり振り返ることができたら、負けた事実は忘れていいと考えている。覚えているべきは「まぜ負けたのか」という原因であり、負けたという事実は忘れてもいい。日々、進化し、成長を続けるためには「忘れる」ことも必要だということだ。

藤井聡太氏の名言から、その強さがどのように育まれてきたのかが見えてくるはずだ。そして、その言葉は将棋だけでなく、私たちの生活や仕事でも参考になるものが多くあるはず。藤井聡太氏の言葉から人生の学びを得てはどうだろう。

(T・N/新刊JP編集部)

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