家康が築いた幻の湖城「膳所城」をデジタル技術で復元!クラファンで支援募集中
立命館大学学生とCAD ASSISTが、明治維新で廃城となった膳所(ぜぜ)城を、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)で甦らせる産学連携プロジェクト「膳所城VR Lab.」を実施!資金調達のため、クラウドファンディングサイト・CAMPFIREにて支援を募集中だ。
家康が築いた風光明媚な湖城
膳所城は、「関ケ原の合戦」の翌年1601年に、徳川家康の命により、近江生まれの戦国大名で築城の名手・藤堂高虎が、大津市の琵琶湖畔に築き上げた城。関ケ原の戦いで落城した大津城から大部分が移築され、「瀬田の唐橋(からはし)唐金擬宝珠(からかねぎぼし)、水に映るは膳所の城」とうたわれた風光明媚な城は、日本三大湖城にも数えられている。
江戸幕府が上洛する際の立ち寄り場となった膳所城。京へつながる東海道を抑え、豊臣家に睨みをきかせる要所にもなったといわれてるが、戦場にならなかったことから、歴史的な注目度は低く誰もが知る城とはなっていない。
2020年に膳所城デジタル復元が再始動
2016年に社会人の有志による膳所城デジタル復元が始動したものの、文書や絵図から精査して図面を起こすことに相当な時間を要し頓挫。CAD ASSISTの代表である山本氏が立命館大学の非常勤講師になったことをきっかけに、産学連携での復元計画が進み、2020年に「膳所城VR Lab.」として再始動することとなった。
「膳所城VR Lab.」では、膳所城をVRやARで甦らせようというプロジェクトを進行。
まずは往時の姿を再現したアニメーション膳所城の完成を目指している。
作業はすべてが手探り
プロジェクトのメンバーは、山本氏が授業を担当していた「CAD演習」を受講していた学生9人で構成。
建築分野の基礎知識が無いため、木造建築のいろはから始まり、城という特殊な建築物ゆえに、宮大工の人たちからも専門的な建築知識を教えてもらいながら地道に復元作業を積み重ねている。
作業は本丸絵図や史料の他、膳所城築城の近年に藤堂高虎が関わった大洲城などを参考にしたり、櫓や塀などは彦根城や金沢城も参考にしたりするといったように、すべてが手探り。デジタル復元にあたっては、大津市内の神社に移築された膳所城の城門をレーザー測量して点群データを作成し、そのデータを基にCADで本格的に立体化している。
城門の梁は木そのものの曲線を活かしたものが多いが、自然の木の不規則な曲線をCADで再現するのに苦戦。また、丸瓦には本多氏の家紋である立葵を再現し、細かい部分に拘って復元している。
完成したアニメーションは活用が決定
現在、製作は佳境に入っており、2023年度中に完成するアニメーションは、地域の公共施設での活用が決定。今後は、地域イベントの開催や地域コミュニティの活性化、デジタル観光資源としての活用のほか、VRを活用したゲーム性のあるコンテンツや、アナログコンテンツを生み出し、膳所城だけではなく歴史が多く残された膳所城下町の魅力を多くの人に感じてもらえるコンテンツへの発展を目指していく。
CAMPFIREでのクラウドファンディングは1月末まで。この機会に、膳所城をデジタル復元するプロジェクトに参加してみては。
CAMPFIRE:https://camp-fire.jp/
プロジェクト名:家康が築いた幻の城を滋賀の学生がデジタルで復元!『甦れ!VR膳所城』プロジェクト
(佐藤ゆり)
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