報道陣の数が激減 「ジャニーズ性加害当事者の会」記者会見 「松本人志さん騒動」の陰で忘れ去られようとしているのか

報道陣の数が激減 「ジャニーズ性加害当事者の会」記者会見 「松本人志さん騒動」の陰で忘れ去られようとしているのか
報道する側も「終わったこと」にしようとしているのか。

『ジャニーズ性加害問題当事者の会』が15日、東京・衆議院会館で記者会見を開催した。 石丸志門副代表、岡田幸治氏、1989年に最初に告発した元ジャニーズジュニアの倉田順一氏、一旦は対象外とされた被害者の川井研一郎 氏、杉山和也顧問弁護士の5人が登壇した。

松本人志の性的行為強要疑惑の告発者は、 当事者の会の昨年の告発に勇気つけられて 告発したとの経緯にまで言及し、泣き寝入りせずに声を上げることの大切さを述べる一方で、心無い卑怯な誹謗中傷投稿等について、刑事告訴等で対応する旨を訴えた。

また、被害者の周囲の人々の無神経な言動に よる二次被害のケースも報告された。 ジャニー喜多川による性加害の被害者の多くは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しみ、仕事を欠勤する際に、職場の上司等に報告を余儀なくされる。理解ある上司、経営者は、「何でも相談してね」「君のことは会社で守る」等と優しい言葉をかける。

一方で、社内のみならず、社外にまで、面白おかしく吹聴する悪魔のような上司も中にはいる。会社御用達のスナックのママから「ジャニーズからとった大金で皆で豪遊だ!」等と下品な弄られ方をした被害者は、心の傷に塩を塗られて、愕然とし、怒り心頭の様子だった。 近藤真彦デビュー記念作品映画「青春グラフィティ スニーカーぶる〜す」(東宝)に近藤真彦弟役で出演した川井氏は、当時、児童劇団に所属していた。

ジャニーズ事務所に所属せずに、ジャニー喜多川氏に合宿所に呼び出されて被害に遭ったが、ジャニーズ事務所に所属した形跡がないので、当初はジャニーズ被害者救済委員会から 補償対象外として扱われた。 当事者の会の支援のもと、ようやく年末に面会こぎつけたものの、男女の弁護士が形式的ななアンケートのような質問を投げかけて聴取するだけで、スマイルアップ(旧ジャニーズ事務所)の社員の姿はなかった。

そもそもスマイルアップは、性加害問題の 補償のために東山紀之氏がタレントを辞めて、 代表取締役に就任したにもかかわらず、 補償問題は弁護士に丸投げして、通常業務を継続しているような現状だ。

「東山紀之代表取締役には、補償業務に取り組んでほしい。タレントマネージメント、配信、 通販等を展開して、何も変わらない現状は言語道断だ」と石丸志門副代表は強く声を上げた。実際、ジャニーズ事務所が商号変更し、コンサート活動や紅白出場がなかっただけだ。 年末から、当事者の会の主張には、耳を傾けずに、一方的な通達をしてくるような強気姿勢に転じたスマイルアップに石丸氏は失望した様子だ。

さらに、旧ジャニーズ事務所の業務を実質的に継承するエージェント会社として設立された 株式会社STARTO ENTERTAINMENTの代表取締役福田淳氏についても「ジャニー喜多川の 遺産でビジネスをするわけですから、ジャニー喜多川性加害問題被害者に対して、納得できる 挨拶、説明をするべきです」と石丸氏は、強く訴えた。

筆者が登記事項証明書を調査したところ、株式会社STARTO ENTERTAINMENTは、当初、 エージェント準備株式会社の商号で港区赤坂に令和5年10月17日に設立された。

11月23日に福田淳氏が代表取締役に就任、12月8日に井ノ原快彦氏等が取締役に就任し、商号を株式会社STARTO ENTERTAINMENTに変更。設立時には、資本金100万円、11月5日に1000万円、12月22日に2000万円と資本金を変更。12月22日に港区六本木に移転している。非業務執行取締役等の会社に対する責任の制限に関する規定が登記され、名前だけで 業務をしない取締役が損害賠償責任額が制限される旨が記載されている。

当事者の会の顧問杉山和也弁護士は、ジャニーズ性加害問題の被害者に対するスマイルアップ(旧ジャニーズ事務所)からの慰謝料に関して、「慰謝料だけになってしまっているのは、問題です。後遺症治療費、逸失利益等、被害者のその後の人生に与えた損害に関して算定するのが難しい。慰謝料が不服の場合の不服救済制度がないのも一方的です」等と ジャニーズ被害者救済委員会の算定の問題点について指摘した。

タレント活動を継続して、スターになればセレブになれたかもしれない。その逸失利益を算出するのは難しい。 また、タレント活動のために捨てた進学のための学習や就職のための技能訓練の時間は、普通に就職する生活を困難にしてしまった償いは 極めて難しい。国政でジャニーズ性加害問題当事者の会に 協力しているのは、立憲民主党、勉強会開催の共産党のみ。日本政府からは、塩対応のジャニーズ性加害問題当事者の会に対してアメリカ大使館から応援メッセージがSNSを介して届いた という。 当事者の会は、日本弁護士連合会、国連、総務省等とのやりとりを進行中であることを 石丸副代表は明かした。

「昨年7月に提出した日弁連の人権救済に関して、今月から来月に申請者のヒアリングがあり、進捗に関してはその都度お知らせできる 範囲でお伝えします。 国連人権理事会については、6月に一連の報告書が公表される予定。当事者の会の平本代表がこれまでの経緯や実態などを報告書にまとめて国連人権理事会に提出と、世界各国の人権担当官や首脳に手紙を送る準備も進めている。 また、誹謗中傷問題に関しては、 『NPO法人 Think Kids(シンクキッズ)こどもの虐待・性犯罪をなくす会』代表の後藤啓二弁護士と平本淳也氏の連名で総務省の誹謗中傷パブリックコメントへの意見提出を行う。 この件についてZoomにて会見を行うという。

昨年の当事者の会の記者会見に比べて、 筆者が見たところ、テレビカメラの台数、参加報道陣の数は激減し年が明けて、禊が済んだかのような流れになって、報道も風化が始まっているようだ。新聞系の雑誌の表紙にスマイルアップ所属のタレントが今月末から復活するとの情報もあり「紅白歌合戦に旧ジャニーズタレントが出なかったから分かったでしょう?」と話す業界関係者もいた。旧ジャニーズタレントは売上直結、背に腹は変えられない。

一方で、旧ジャニーズタレントのファンの中学生の娘を持つ保護者は、「『ジャショ(ジャニーズショップ)行ってくる』って娘達には、 ジャニーズという言葉が染み付いています。 ジャニーズ性加害問題に関しても、どんなに 報道見せて説明しても、『売れなかった人が 騒いで売名しているってクラスも皆も言っているよ。』と性加害問題はなかったかのように 盲信しているのが怖いです。」と話している。 事件が風化しないように、 被害を二度と繰り返さないために 考えれることはたくさんある。 (文・写真@霜月潤一朗)

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TABLOとは アメリカが生んだ、偉大な古典ミステリーの大家レイモンド・チャンドラー作品の主人公フィリップ・マーロウの有名なセリフがあります。 「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」 人が生きていく上で、「優しさ」こそ最も大切なものであることを端的に表現した言葉です。優しさとは「人を思いやる気持ち」であり「想像力を働かせること」です。弱者の立場に立つ想像力。 「人に優しく」 これは報道する側にも言えることだと思います。 現在、ヘイトニュース、ヘイト発言、フェイクニュースがネットの普及に従い、増大しており、報道関係者の間では深刻な問題となっています。そこには「人に優しく」という考えが存在していません。 なぜ、ヘイト(差別)ニュースがはびこるのか。「相手はどういう感情を抱くのか」という想像力の欠如がなせる業です。ヘイトによって、人は人に憎悪し、戦争が起き、傷ましい結果をもたらし、人類は反省し、「差別をしてはならない」ということを学んだはずです。 しかし、またもヘイトニュースがはびこる世の中になっています。人種差別だけではありません、LGBT差別、女性差別、職業差別等々、依然としてなくなっていないのだな、ということは心ある人ならネットの言論にはびこっていることに気づいているはずです。本サイトはこのヘイトに対して徹頭徹尾、対峙するものです。

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