農作物の生育状況を監視、温度・湿度を遠隔で制御。ドイツのアグリテック企業Infarmの“スマート農業技術”

欧州のスタートアップ企業がひしめくなか、Infarmはアグリテック分野で画期的な存在として頭角を現し、新鮮な農産物の栽培と流通のあり方に革命を起こしている。

ドイツ・ベルリンを拠点とするこの企業は、都市型農業へのアプローチで農業業界を再構築し、地元のイニシアチブから世界的なパイオニアへと急速に成長した。

垂直農法ソリューションを提案するInfarm

2013年にOsnat Michaeli氏、Erez Galonska氏、Guy Galonska氏によって設立されたInfarmは、農業を都市コミュニティに近づけることで、農業を再定義するという使命とともに誕生した企業。

ベルリンのスーパーマーケットでの垂直農業（農作物を垂直に積み重ねて栽培する手法）の実験から始まり、その後すぐに包括的なアグリテック・ソリューションへと発展。従来の農業手法に革命をもたらした。

Infarmの成功は、垂直農法ソリューションを通じて伝統的な農業を再定義するというコミットメントにある。

モジュール式で積み重ね可能な農業ユニットを活用することで、Infarmは都市部の余っているスペースを効率的で高収量の農場に変える。このアプローチは、従来の農業が環境に与える影響を最小限に抑えるだけでなく、都市中心部における新鮮な農産物の安定供給を保証する。

Infarmのスマート農業技術

Infarmの成功の核心は、スマート農業技術の統合にある。各農場ユニットにはセンサーとカメラが装備され、各植物の生育状況をモニターして最適化。

このデータ駆動型アプローチにより、温度、湿度、栄養分などの要素を正確に制御し、最小限の資源使用で最適な収穫量を確保することができる。

レストラン・消費者へ環境に優しい選択肢を

Infarmの革新的な垂直農業ユニットは、スーパーマーケット、レストラン、流通センターに戦略的に配置され、“ハイパーローカル”という言葉に新しい意味をもたらしている。

この分散型農業モデルは、遠方の農場から農産物を輸送する際に発生する二酸化炭素排出量を大幅に削減し、消費者に新鮮な野菜やハーブを提供するというものだ。

ベルリンを拠点とする垂直農業の実験から世界的なアグリテック企業へと発展したInfarmの歩みは、ヨーロッパのスタートアップの変革の可能性を例証している。

都市型農業を再定義し続けるInfarmは、ヨーロッパ全土で持続可能な農業の未来を牽引する存在として今後も注目を集めるだろう。

参考・引用元：Infarm 公式サイト

（文・Techable編集部）