豆柴の大群、4周年を迎え「豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL」として新章をスタートさせる──豆柴の大群4周年記念ライブ「ら:すたーと」

12月24日。クリスマスイブの空気に、街が浮き足立っていたこの日。東京・品川ステラボールにて、豆柴の大群の結成4周年記念ライブ「ら：すたーと」が開催された。

この「ら：すたーと」というタイトルは、昨年2022年の「豆柴の大群なりの合宿」で、渡辺淳之介（WACK代表）からもらった1年間の猶予期間のラストのことを指している。オリジナルメンバーは、この4周年ライヴでオリジナルメンバーは「残留」か「脱退」か、という決定が下されるという趣旨のものだった。が、しかし、先日豆柴の大群からあるお知らせが発表された。それは、オリジナルメンバーである、ミユキエンジェルとハナエモンスターが、このライヴの翌日である12月25日のイベントをもって、脱退するということ。このお知らせに、多くの豆粒(豆柴の大群のファンの総称)に衝撃が走った。「豆柴の大群はどうなっていくのか」。正直なところ、不安もあった。しかしその気持ちはライヴ開始早々になくなっていったのだ。

セットリストの1曲目は、“MUST GO”。WACKの伝家の宝刀とも言える「行かなくちゃ」というメッセージのこもったこの楽曲に会場の熱が一気にたかまっていく。その熱を帯びたパフォーマンスは、この日に集大成を見せるんだ、という気合いに満ちていた。メンバーはその後も、“FLASH”、“マラマーラ”と豆柴の楽曲のなかでもハイカロリーなロック・ナンバーを披露。ライヴは序盤から湧き上がっていた。

自己紹介を挟み、“走れ豆柴”からはじまった次のブロックでは、“ろけっとすたーと”、“サマバリ”、“間違いだらけのヒーロー”と明るく楽しい豆柴の側面を見せていく。 豆柴の大群というグループの強みは、世代を問わず楽しめる楽曲にある。続いてのブロックで歌われた、豆柴史上屈指のかわいい楽曲“ぷりぷり”では、超絶キュートな一面を魅せ、集まった豆粒たちを魅了。そのかわいさの表現もかなり仕上がったものがあった。

もちろん、豆柴の楽曲はかわいいものだけではない。かわいさとかっこよさを兼ね備えているのが、豆柴の大群である。それはこの2023年開催されたツアーにおいても、しっかり磨き上げてきたものであり、彼女たちの強みである。この日、それを象徴していたのが、前述の“ぷりぷり”と、TOTALFATのJoseが手がけたゴリゴリのロック・チューン“Sing Along Time!”だ。メンバーの熱気に呼応するように観客席からはタイトルの通りの大きな歌声が会場全体に轟いていた。

またこの日のライヴは、声帯の炎症により、アイカ・ザ・スパイが歌唱を控えてのパフォーマンスだった。急遽歌えなくなったとのことだったが、他のメンバーがアイカの代わりに歌うなど、リカバリーも見事だった。この対応力の高さは、これまでの活動のなかで掴んだ技でもあるだろう。

“大丈夫サンライズ”でエモーショナルな空気に包むと、次に歌われたのは“Must Change -We Keep Changing-”。この楽曲は、この6人のメンバー全員で作詞したものであり、その言葉ひとつひとつに想いが重なっていく。彼女たちが歌う「変わり続けよう」という言葉に、グッと胸をつかまされた。ライヴ本編の最後は、清竜人が手がけた“暖かくてね冷たい夜を越えて”。聖なる夜を優しく包みこみ、メンバーはステージを後にした。

その後、大きな歓声に迎えられたアンコールでは、“豆柴の大群-お送りするのは人生劇場-”を元気いっぱいに披露。その後は、ナオ・オブ・ナオがマイクを握り、集まった豆粒にメッセージを伝える。メンバーは、この日を迎えることに多くのプレッシャーを抱え、様々な不安を抱えていたことだろう。時折、涙で言葉を詰まらせながらも、その姿には、「これからも豆柴についてきてください」という強い意志を感じた。メンバーは最後に、豆柴の大群のはじまりの歌“りスタート”をパフォーマンス。この日、いちばんの熱い魂が豆柴の大群と、豆粒の間でぶつかり合っていた。

大団円で歌唱を終えると、ステージには豆柴の大群のマネージャー、辻山氏とアドバイザーのクロちゃんがステージに登場。まずは、脱退を発表したハナエモンスター、ミユキエンジェルがこれまでの活動への感謝と思いを語る。ハナエのパフォーマンスは豆柴のレベルをグンと上げるものだったし、ミユキの声は豆柴の大群というグループを唯一無二のものにしている存在だった。彼女たちの決断は、悩みに悩み抜いたものであり、決して安易に出したものではないと思う。クロちゃんが言うように、彼女たちには「絶対に幸せになってほしい」と思った。

そして、辻山氏からは、オリジナルメンバーのナオ・オブ・ナオとアイカ・ザ・スパイの残留が告げられる。会場内には安堵の声と拍手の音が響いた。しかし、驚かされたのはここから。なんと、豆柴の大群と都内某所の合併され、「豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL」として活動していくことが発表されたのである。会場は混乱で騒然となった。ちなみに豆柴の大群と都内某所の楽曲は、「豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL」が歌い継いでいくとのこと。まだまだ飲み込めていない様子の客席に、そこからさらに、新グループのファンネームが「テイマー」であること、1月6日より新体制のお披露目ツアー「MONSTERIDOL TOUR」も発表された。

ステージには、さらに都内某所のメンバーであるミクも登場し、豆柴のメンバーひとりひとりが、今の心境を語る。もちろん、メンバーもこの決定には驚いている様子で、混乱もあるようだった。しかし、彼女たちはこれまでも様々な困難にぶつかってきたが、その度に乗り越えてきたのである。本当に何が起こっても、彼女たちなら大丈夫。この日のライヴを見ていたら自然とそう思えてきたのは僕だけではないだろう。

こうして、豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOLとなったメンバー5人は、新たな円陣を披露ナオ・オブ・ナオ、アイカ・ザ・スパイ、レオナエンパイア、モモチ・ンゲール、そして、ミクの5人で、「ナオ！ アイカ！ レオナ！ モモチ！ ミク！ 絶対になってやるぞ、スタースターモンスター！」と高らかに叫び、豆柴の大群の結成4周年記念ライブ「ら：すたーと」は幕を閉じた。

取材&文 : 西田 健
Photo by sotobayashi kenta

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豆柴の大群4周年記念ライブ「ら:すたーと」セットリスト

01. MUST GO
02. FLASH
03. マラマーラ
04. 走れ豆柴
05. ろけっとすたーと
06. サマバリ
07. 間違いだらけのヒーロー
08. ぷりぷり
09. らぶ地球
10. トラスト
11. ガーデニング
12. Sing Along Time!
13. そばにいてよ Baby angel
14. kill me holy slowly
15. 大丈夫サンライズ
16. Must Change -We Keep Changing-
17. 暖かくてね冷たい夜を越えて
＜アンコール＞
18. 豆柴の大群-お送りするのは人生劇場-
19. りスタート

ツアー情報

豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL「MONSTERIDOL TOUR」
2024年1月6日（土）東京都 下北沢SHELTER
2024年1月14日（日）愛知県 新栄DAYTRIVE&TRIN
2024年1月28日（日）大阪府 LIVE SQUARE 2nd LINE