生成AIによって「クリエイティブ活動」はどう変わる?
イラストや曲作りもAIを使ってスマートフォン一つで作れるようになり、ChatGPTなどの対話型生成系AIの技術も一般の人々が使えるようになった現代。この技術によって、人間が仕事をする基本条件も大きく変わろうとしている。
■生成AIを創造に生かす「今のところ」の方法
『「超」創造法 生成AIで知的活動はどう変わる?』(野口悠紀雄著、幻冬舎刊)では、AIによって創造活動はどのように変わり、生成AIを得てバージョンアップした最強のアイデア創造法やAI時代に誰が失業し、誰が飛躍的に伸びるのかを紹介する。
著者の野口悠紀雄氏が実験を繰り返した結果、現状では生成系AIは、正しい情報を提供できず、新しいアイデアを創造することもできないという。人間が普段使っている言葉による問いかけに対して、答えを出力するがその内容を信用することはできないので、安易に利用することはできない。映画や小説の続編を考えてほしいと頼んでも、期待したようなものは出てこない。文章の作成も、基本となるアイデアは人間が考え出さなければならず、細部に至るまで指示をする必要がある。なので、創作活動はできないということを正しく認識することが、生成系AIの利用において最も重要な点となる。
では、知的活動に対話型AIをどのように使えるのか。まずは知的作業の中核ではなく、周辺作業の効率化にAIを活用するべき。たとえば、資料の翻訳や要約、文章の校正などだ。さらに進んで、作業の中核に用いることも考えられる。適切に巧みに利用すれば、文章を書く作業を効率化することができ、知的活動の本質にかかわる変化が可能になる。
現状では生成系AIがだす答えはかならずしも正しくないので、創作活動はできない。なので、創作活動は、本質的に今のところは人間にしかできない。人間は生成系AIを使って周辺作業の効率を上げ、それによって節約できた時間を使って、創造的な仕事に専念する、というのが今のところのAIとの共存の一つの方法となる。
仕事やプライベートでも、今後さらにAIの技術に接することが多くなるだろう。どのように使えばいいのか。本書からAIの現状を知り、うまく活用してみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)
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