社員がやる気をなくさないために上司が知るべき「人間関係の密度」とは
入社した頃はやる気に溢れていた社員がいつの間にかやる気をなくし、仕事に意欲的に取り組めなくなったり、会社を去ってしまう。社員のモチベーション維持は多くの企業や職場で悩みのタネだろう。上司は「部下のやる気がない」「突然、辞めたいと言われて困っている」と頭を抱え、部下は「上司は何を考えているのかわからない」と悩む。
ただ、両者は本当にお互いのことを理解しているのだろうか?
■社員のモチベーションを決定づける要素
社員のやる気の低下は、社員間の関係性の希薄さとそれを解消するための具体的な方法論がないことによって引き起こされているのかもしれない。だとしたら、どうすれば社員の関係性を改善して職場風土を変えることができるのか。
『社員がやる気をなくす瞬間 間違いだらけの職場づくり』(中村英泰著、田中研之輔監修、アスコム刊)では、10万人以上の人から話を聞き、かつ700を超える職場で1万を超える働く人のキャリアコーチングをしてきた職場風土改善の専門家である中村英泰氏が、独自に提唱する「関係密度」という概念をもとに社員同士の関係性を改善する具体的な方法論を紹介する。
職場風土を改善し、社員同士の関係性を高めていくことに欠かせない要素が関係の密度だ。これは単純に飲み会や1on1を定期的に実施すればいいというわけではない。接触を持つことと同時に大切なのは、接触の際にどのようにして信頼や職場の心理的安全性を醸成させるかという接触の「中身」である関係性の密度が大切になる。
関係密度を高めるに必要なのが、接触の量と質だ。接触の量がゼロで関係性を築くことは難しい。接触の量が増えるほど好印象を持つようになる心理現象を心理学では「ザイオン効果」という。
ただし、質の低い接触がいくら重なっても関係密度は低くなってしまう。質の高い接触をするためには、5つのポイントがある。
1.社内にいる人を、他人でもなく、社員でもなく、同士と認める
2.社内にいる人と、データではなく目的を共有する
3.社内にいる人と、メールではなく対話する
4.社内にいる人に、私も一員だと認めてもらう
5.社内にいる人と、雑談よりビジョンを語らう
これらを少し意識するだけで、関係密度は高くなる。
人生の多くの時間を過ごす職場を上司、部下、お互いが気持ちよく、成長できる場にするためにも、より良い職場風土にしていくことが大切だ。本書から関係密度を上げる術を学んでみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)
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