毎日の「迷い」と「自律神経の乱れ」 その意外な関係は?
朝食はパンかご飯かといった日常のことから、就職、結婚など、人生は選択の連続だ。この選択の岐路に立ったときに生じる「迷い」が、実は自律神経を乱す大きな要因になっている。
自律神経には、活動するときに働く交感神経と休息するときに働く副交感神経があり、その2つがバランスを取りながら、心と体の安定を保っている。しかし、迷うと「決めなければいけない」という行為がストレスになって、交感神経が優位になり、そのバランスが崩れてしまう。迷った末に決めても「本当にこれでよかったのか」と不安になり、さらにストレスがかかり、自律神経を乱すという悪循環に陥ることもある。では、どうすれば自律神経を整えて、安定した心と体の状態を保つことができるのか。
■「ああすればよかった」と後悔しない意思決定の秘密
『「シンプル」な選択が自律神経を整える理由』(小林弘幸著、青春出版社刊)では、順天堂大学医学部教授、日本スポーツ協会公認スポーツドクターの小林弘幸氏が、少しでも迷いを減らし、より良い選択をして、毎日をいい流れに変えていくヒントを紹介する。
どちらかを選ばなければいけないとき、できれば失敗をしたくないもの。けれど、選択に失敗することもある。たとえ選択に失敗したと思っても、そこで終わるのではなく、「なぜ失敗したのか」を検証することが重要だ。そして、その失敗と検証を積み重ねていくことで、選択する際の軸ができてくる。選ぶときの根拠となる「自分の軸」を持っていれば、迷うことは減り、自律神経を乱すことなく、より良い選択ができるようになる。
この自分の軸をつくる際に大切なのは、世間の価値観や他人の評価ではなく、「自分がどうしたのか」を考えること。たとえば、結婚相手を決める場合も、性格なのか、ルックスなのか、経済力なのか、自分が相手に一番求めているものは何かを考えて選べばよい。
また、自分の軸は、一度持ったからといってそれを一生持ち続けなければいけないというわけではない。環境や状況の変化によって変えてもいいし、昨日の軸と今日の軸が違っていてもいい。2、3回試してダメだったら、別の方法を考えてそれを新たな軸にすればいい。
モノや情報が溢れかえり、日常の中の選択肢は以前よりも増えていると感じる人は多いだろう。どうすれば迷いを減らせるのか。ストレスを溜め込まずに日常を送ることができるのか。本書を参考に、より良い選択をし、安定した心と体を手に入れてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)
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