HHKBにマウス機能を統合した新モデル「HHKB Studio」が発売 トラックポイントのように使えるポインティングデバイスとジェスチャー操作できる側面パッドを搭載
PFUは10月25日、高性能コンパクトキーボード「Happy Hacking Keyboard」(以下HHKB)の新モデル「HHKB Studio」を発表、同日からPFUダイレクトで販売を開始しました。
キーボードにマウス機能を統合
キーボードにマウス操作が可能な「ポインティングスティック」とマウスボタンを搭載し、キーボードとマウスの機能を統合しているのが大きな特徴。キーボード左右の側面と手前側面は、カスタマイズ可能なジェスチャーパッドとして機能します。
キーボードのキー配列は、「A」キーの左に「Control」を配したSun Type3キー配列をベースに設計した、HHKB伝統のキー配列を踏襲。さらに、すべてのキートップ面を中央方向に向ける「シリンドリカルステップスカルプチャ」設計を採用し、ホームポジションから手を動かさずに、ほとんどのキーを押下できます。英語配列と日本語配列の2モデルをラインアップ。いずれもキーの刻印があり黒一色の「墨」カラーとなっています。
HHKBキーレイアウトとマウス機能の統合により、ホームポジションに置いた手を動かさずに、あらゆる入力操作を実現。「最小の動きで、無限大の創造を」のコンセプトを掲げています。
トラックポイント感覚で使えるポインティングスティック
ポインティングスティックは、キーボードの「G」「H」「B」キーの間に設置。レノボ「ThinkPad」シリーズのキーボードに搭載する「トラックポイント」と同様の感覚で、ホームポジションに手を置いたままマウス操作が可能になります。ポインティングスティックのタップ操作はON/OFFの設定が可能。
スペースキーの下には、マウスの左・中央・右ボタンを搭載。中央ボタンのクリックとスクロール操作の組み合わせで拡大・縮小の操作に対応します。
矢印キーやスクロール操作に対応するジェスチャーパッド
ジェスチャーパッドは、左右側面では指を前後に、手前側面では指を左右にスライドする簡単な操作でアナログ入力が可能。
デフォルトの設定では左側面と左手前が矢印キー、右側面がスクロール、右手前が「Alt」+「Tab」のウィンドウ切り替えの操作に対応しています。
デフォルト状態で、ブラウザなら右側面でスクロール、「Control」+右側面で拡大・縮小ができる他、Excelのカーソル移動は左側面と左手前の矢印キー入力、ウィンドウ切り替えは右手前を使って操作できます。ジェスチャーパッドの入力はON/OFFが設定できる他、後述するキーマップ変更ツールで様々なキーアサインが可能。
キーやジェスチャーパッドはカスタマイズが可能
特定のキーに任意のキー操作をアサインできるキーマップ変更ツールを提供します。Windowsのスクリーンショットのショートカット「Windows」+「Shift」+「S」キーなど、複数キーを同時押しする操作を特定のキーにアサインできる他、カスタマイズしたプロファイルを最大4通り保存して、「Fn」+「C」+「1」~「4」のキー操作で呼び出すことが可能。
キーにはメカニカルスイッチを採用
HHKBの従来製品「Professional」シリーズではキーに静電容量無接点方式のスイッチを採用していたのに対して、HHKB Studioはメカニカルスイッチを採用しているのも大きなトピック。キーマップ変更ツールによるソフトウェア上のカスタマイズだけでなく、キースイッチを交換するハードウェア上のカスタマイズに対応できるようになりました。
押下圧45gのリニアな打ち心地で、静音性の高いスイッチを採用しています。
キースイッチの交換はユーザーの自己責任となりますが、通常プロファイルのMXスタイル3ピンおよび5ピンのメカニカルスイッチ(Cherry、Gateron、Kalh社製)と互換性があるとのこと。将来的には、キートップの3Dデータを公開し、3Dプリンタでオリジナルの刻印のキーを作製するなどのカスタマイズを可能にしていく予定。
引き継ぐ利便性と進化した機能
Professionalシリーズと同様、Bluetoothで最大4台のデバイスにマルチペアリングできる他、USB Type-Cポートから有線接続にも対応します。
進化したポイントは、デバイスの接続状態などを確認できるステータスランプが4連のLEDインジケーターになった他、電源スイッチはON/OFF状態が確認しやすいスライド式スイッチに変更されています。
ターゲットはソフトウェアエンジニアとコンテンツクリエーター
ターゲットユーザーは、コーディングに利用するプログラマーやソフトウェアエンジニア、記事を執筆するライターといった従来のHHKBユーザーに加えて、動画・画像・音楽を制作するコンテンツクリエーターも対象にしているとのこと。最近はフロントエンジニアだけでなくバックエンドエンジニアもGUIベースのツールを使うようになり、ソフトウェアエンジニアとコンテンツクリエーターの垣根がなくなっていると分析しています。キーボードとマウスを統合したHHKB Studioは、どちらにも受け入れられるツールになりそうです。
また、VRヘッドセットやMRヘッドセットを装着して、VR空間でプログラミングやタイピングを行う用途にも向くとして、VR空間のコントローラーとしての活用を期待しているとのこと。ホームポジションからほとんど手を動かさずに作業が完結するので、VR/MRヘッドセットやARグラスを装着した作業との相性は良好と考えられます。
価格は4万4000円(税込)
英語配列、日本語配列共に、価格は4万4000円(税込)。オンラインのPFUダイレクト本店、Amazon店、楽天市場店、Yahoo!店で10月25日から販売を開始しています。
全国のタッチ&トライスポットで実機が触れる他、2024年1月25日までb8ta Tokyo -Yurakuchoでの体験が可能。「ゲオあれこれレンタル」では、レンタル後に実機を購入できるサービスも提供します。詳細は製品サイトを確認してください。
Happy Hacking Keyboard | Studio | PFU
https://happyhackingkb.com/jp/products/studio/
宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
ウェブサイト: http://mogera.jp/
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