「人生は遺伝で決まる」は嘘だった!? 科学的見地から解き明かす「本当の才能の見つけ方」

「人生は遺伝で決まる」は嘘だった!? 科学的見地から解き明かす「本当の才能の見つけ方」

 皆さんの中に、「生まれ育ちで決まるから人生は無理ゲー」「才能は遺伝によるものだから努力しても無駄」と思っている人は少なくないのではないでしょうか。けれど、「才能」についての見方をちょっと変えてみると、これまでとはまったく別の世界が見えてくるかもしれません。サイエンスライターの鈴木 祐さんは、「才能は誰にでもある。ただ、その見つけ方を知らないだけ」と、新著『天才性が見つかる 才能の地図』に記します。同書は、自身の中に眠る才能の見つけ方について鈴木さんが解き明かした一冊です。

 そもそも「才能」とは何でしょうか。鈴木さんがいう「才能」とは、「あなたが今いるグループで、かたよっている能力」のこと。ですので、けっして自分の得意なことや好きなことが「才能」とイコールであるとは限りません。

「最も大事なのが、私たちの『才能』は時と場所によって定義が変わる点だ。絶対に優れた能力やスキルなんてものはなくて、どれが良いのか悪いのかは、周囲の状況によって変化する」(同書より)

 ズバ抜けていなくてもいい、派手でなくてもいい、周りと比べて少しでもかたよっているものがあれば、それは立派な「才能」と呼べるのです。まさに人生は、自身が選んだフィールドでこの「能力のゆらぎ」を使いこなしていく異能バトルの世界だと言えます。

 とはいえ、自分に備わった才能が何かわかれば苦労はしませんよね。同書は「問題編1~3」と「解決編1~3」の二部構成に分けて、自身の才能の見つけ方について詳しく説明していきます。

 前半の「問題編」で取り上げられるのは「才能にまつわるナゾ」。「人生は遺伝で決まってしまう?」「裕福な家庭に生まれたほうがやはり有利?」「IQの高さは社会的成功に不可欠?」など、世間でもよく見かける疑問について解説しています。これらが膨大な量の文献に基づいて科学的に書かれているのは、16歳のころから年に5000本以上の科学論文を読み続けている鈴木さんの面目躍如といったところ。これまで抱いていたイメージや固定観念を覆す事実に、驚く人もいるかもしれません。

 後半の「解決編」では「才能を見つける&活かすワーク」を伝授。自分でシートに書き込むなどしながら、自分の本当の才能を見つけることができます。

 重複しますが、同書で言う「才能」とは自分の持つ「かたよった能力」のこと。これが何かわかれば、進路や仕事、キャリア、自己分析などにおおいに役立つことでしょう。また同書は、知識豊富な120歳の猫「猫師匠」と20代のビジネスパーソンである「弟子」というふたりの会話形式で進むのでとっつきやすく、人気イラストレーターのパントビスコさんによる挿絵効果もあって、読みやすくなっています。「自分には才能がない」と感じている人は、同書で自身の隠れた強みや能力を見出してみてはいかがでしょうか。

[文・鷺ノ宮やよい]

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