オープンハウスグループらが生成AI活用の実験開始。物件提案サービス、書類作成アシストなど実証
企業のDXを支援するアジアクエスト株式会社(以下、アジアクエスト)と、不動産会社グループの株式会社オープンハウスグループ(以下、オープンハウスグループ)はAzure OpenAI(*1)を用いた生成AI活用に向けた共同実証実験を開始したことを7月に発表しました。
Azure OpenAI(*1)…OpenAIの開発したChatGPTモデルシリーズ、GPT-4、Codex、Embeddings モデルシリーズなどをREST APIとして、米国マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」上で利用できるサービス。
Azure OpenAIを用いて業務課題の解決策を検討
オープンハウスグループは、今回の実証実験においてAzure OpenAIを活用し、複数の生成AIを活用したファインチューニング(*2)を実施。これにより、業務課題への改善策を検証し、顧客へのサービス向上案を検討します。一方、アジアクエストは技術アドバイザーとして、オープンハウスグループがAzure OpenAIを用いて業務課題の解決策を検討、実際の活用法を探る過程でのサポートを行います。定期的なディスカッションを通じて、生成AIの本格的な活用に向け、2社共同で実証実験を進めるとのことです。
ファインチューニング(*2)…学習済みのモデルに新たなデータを追加し、再学習する手法
音声・テキスト入力で推奨物件を自動生成
今回の実証実験では、さまざまなプロジェクトへの生成AI活用を検討するといいます。
物件の希望条件を音声またはテキスト入力すると、推奨物件を自動生成する「物件提案サービス」や、購入検討段階の設計図や物件パース、購入契約段階の重要事項説明書・契約書などの作成アシストなどがプロジェクトの例として挙げられます。
また、入居後の顧客からのアプリ、Webブラウザページ、電話などを通じた問い合わせを承り、自動回答を行う「仮想オンラインコンシェルジュサービス」や、クライアント希望のアバター自動生成なども実証するとのことです。
オープンハウスグループが考える生成AIの可能性
オープンハウスグループは、土地の仕入れから建築、販売まで一貫した体制を整え、「足で稼ぐ」営業や土地活用の企画力・設計力が強みです。
数百のシステムやアプリケーションを自社開発し、データ活用をはじめとしたDX推進やAIの活用を積極的に推進、「紙中心の商習慣」が重視されてきた不動産業界において率先してデジタル化を進めています。
人間の想像を超えたものを創り出す生成AIの秘められた可能性に鑑みると、業務への活用領域は今回の実証実験の範囲に限られないと考えられる一方で、情報の信憑性、権利侵害などの課題が指摘されているそう。
今後、オープンハウスグループは法令を遵守し企業倫理に則って、生成AIの可能性を追求し、住まいに関して革新的、先進的なサービスを提供できるよう努める方針です。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000135.000019319.html
(文・Haruka Isobe)
ウェブサイト: https://techable.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。