スペクティと浜松市 “AIリアルタイム浸水推定技術”を活用し、水害の被災状況を把握する実証実施

防災テックベンチャーの株式会社Spectee(以下、スペクティ)は、静岡県浜松市と共同で、スペクティのAI技術を活用した水害の被害状況把握を迅速化する実証実験を行いました。

実証実験で得られた成果をもとに、スペクティでは同社が提供する「リアルタイム浸水推定図」のサービス精度を高め、自治体の災害復興対応に貢献していく方針です。

災害発生時の職員の業務効率化へ

これまで浸水状況の把握は市役所職員による現地での目視確認によって行われてきました。しかし、大規模水害時は、職員の人手不足や安全確保のため、網羅的な状況把握が難しいケースがあること。

また、現地調査は過去に浸水があった場所を中心に行うため、予期していない浸水箇所においては完全に把握することが困難な状況もあるといいます。

このような現状を受け、スペクティでは、「リアルタイム浸水推定図」を活用することで、迅速な被害状況の把握に役立てられ、災害発生時の職員の業務の効率化につながると考えています。

*リアルタイム浸水推定図:スペクティが提供するサービスで、SNSに投稿された画像や、河川・道路カメラ情報から浸水した場所や深さを自動的に割り出し、降水量、地形データなどと組み合わせて統合的に解析することで、氾濫発生から10分以内に浸水範囲と各地の浸水深を地図上に表示するもの

実証実験概要

今回の実証実験では、浜松市が大きな被害を受けた2022年9月23日「台風15号」を対象に、スペクティが災害時に作成した「リアルタイム浸水推定図」と、浜松市が災害後の現地調査をもとに作成した浸水実績図とを比較。

また実際の現地の地形や建物などの特徴がどのように結果に影響したかを実地調査をもとに検証しました。

検証結果

※浜松市の浸水実績図と「リアルタイム浸水推定図」の結果が概ね一致しているところもあった

検証した結果、両者の結果が概ね一致しているエリアも見られた一方で、飛び地被害などの把握できていなかった、または一部の浸水箇所について、スペクティの浸水推定図では浸水した可能性があるところが分かりました。

同行した浜松市の職員からは、「推定精度があがれば、被災者支援の漏れの防止や、初動対応の迅速化に活用できる」との声があがりました。

スペクティは、今後も実証実験やデータ検証などを重ねながら、「リアルタイム浸水推定図」の精度を高め、より正確かつ迅速な浸水推定図の提供を目指すとのことです。

参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000153.000016808.html

株式会社Spectee 公式サイト:https://spectee.co.jp/

(文・我妻歩実)

  1. HOME
  2. デジタル・IT
  3. スペクティと浜松市 “AIリアルタイム浸水推定技術”を活用し、水害の被災状況を把握する実証実施
Techable

Techable

ウェブサイト: https://techable.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。