耳で楽しむマーベルの物語『Marvel’s・ウェイストランダーズ』
え? 古田新太さんがスターロード?
6月28日から配信が始まった『Marvel’s・ウェイストランダーズ』のシーズン1、スターロード。そうタイトルからもわかるようにマーベル物です。ただしこれは映画でもドラマでも電子書籍でもなくオーディオ/音声ドラマ。マーベルとAudible(Amazonが展開する、プロが朗読した本をアプリで聴くサービス)が手を組んで提供する、耳で楽しむマーベルの物語なのです。
アメリカでは2021年から配信が始まり、その日本語版がついにリリースされます。このスターロード役を古田新太さんが演じているわけです。連続ドラマなのですが、配信に先立ち、今回そのさわりを聴かせていただきました。
まずのっけからビックリするのは、アイアンマンやキャプテン・アメリカらヒーローたちが死んだ世界の話なのです。そう、物語はヴィランによって支配されて30年ぐらいたっているデストピアの地球。ここになぜかスターロードとロケットが帰ってきます。彼らはコーラーという女性型のロボットを連れています。なぜ地球に来たのかはこれから明らかになっていくわけですが、どうやらドクター・ドゥーム(マーベルの中でも超人気のスーパーヴィラン)の拠点にむかっているらしい。さらにこのドゥームのテリトリーを守るのは最強のハンター、クレイヴン!(秋に彼を主人公にした、アーロン・テイラー=ジョンソン出演の『クレイヴン・ザ・ハンター』という映画も公開。なんとタイムリー)
果たしてスターロードたちの運命はいかに?
このコーラーというキャラがナビゲーターおよび記録用ロボという設定なので、コーラーがスターロードたちに状況を報告する形で、聴取者にも場面を説明するという構成になっています。ヒーローたちが死んだダークな世界なわけですが、そこはスターロードとロケット。こういう状況下でも2人のやりとりは明るくテンポが良く聴いていて楽しい。
古田さんがシニアになったスターロードを渋くかっこよく演じています。またロケット役の多田野曜平さんは、最近のスター・ウォーズでヨーダ役を演じている方です。
実はこのシリーズ『Marvel’s・ウェイストランダーズ:スターロード』の後は、『Marvel’s・ウェイストランダーズ:ホークアイ』『同:ブラック・ウィドウ』『同:ウルヴァリン』『同:ドゥーム」と続く予定で、要するにこの世界観を別のキャラクターの視点で語っていきます。いずれもシニアになったヒーローたちが世界をヴィランたちから奪還しようと戦うわけです。(なおシーズン2にあたる『ホークアイ』篇も今年の9月に日本でも配信予定です)
アメリカではどのキャラも豪華スターが声優を務めている(例えばホークアイの声は『アバター』シリーズのスティーヴン・ラング)ので、今後の日本語吹替版のキャストも楽しみです。
さて”ウェイストランダーズ”というタイトルですが、ウェイストランド=Wasteland とは
もともと”荒れ地”の意味であり、このドラマではヴィランによって荒廃した地球を指しています。従ってこの”荒れ地”で会う者たちだから”ウェイストランダーズ”なわけですね。またマーベルのシークレット・ウォーズ(今度これをベースにしたアベンジャーズ映画が作られます)というコミックのエピソードの中でウェイストランドとよばれる世界も出てくるので、マーベル好きにとってはピンとくるネーミングかもしれません。
ちなみに今回の音声ドラマ・シリーズに原作があるのか、ですが、恐らくマーベルが2008年に発表した『オールドマン・ローガン(老人ローガン)』にインスパイヤされた企画だと思います。ローガンとはウルヴァリンのこと。このコミックはEarth-21923というもう一つの地球(昨今のトレンドで言うとマルチバースの1つ)が描かれ、やはりヴィランたちによって支配された地球が描かれます。このコミックは2017年の映画『ローガン』にも影響を与えました。
アメコミはコミックでありアニメや映画にもなるのでビジュアル・エンタテインメントであるわけですが、ラジオドラマやお話を収録したレコード、オーディオブック等にも昔から力をいれてきました。従ってこうした音声コンテンツとも相性がいいのです。
まさにマーベル・オーディオ・ユニバース。
一味違ったマーベル世界を耳でぜひ楽しんでください。
(文/杉山すぴ豊)
『Marvel’s・ウェイストランダーズ』
https://www.audible.co.jp/ep/marvel-wastelanders
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