オンライン講義にメタバースを導入、講師の状況を可視化してコミュニケーションの手助けに

新型コロナウイルスの流行以降、オンラインによる講義や授業が広く普及しました。オンライン授業は立地に左右されないなどのメリットも多い一方、対面授業と比べて教師と生徒間のコミュニケーションが取りづらいなどの課題も浮上しています。

同課題を解決するためにさまざまな方法が検討されていますが、昨今そのひとつとして注目されているのがメタバースです。

アクシビジョン株式会社は、同社が運営する高校向け戦略特化型校内予備校「AXIV for school」や国公立特化オンライン塾「旧帝塾」において、メタバースを活用したサービスを利用料無料で追加したことを発表しました。講師への質問や相談がしづらいといった、オンライン予備校のコミュニケーションに関する課題を改善することを目的としています。

授業外でも気軽にメタバース上で相談

今回追加されたメタバースには、「Study Assist」「Axiv entrance」の2つのサービスがあります。

「Study Assist」では、学校での学習中や自習中に出た不明点を、東大生をはじめとする難関大生に対してメタバース上で質問できます。状況に応じて聞き直すこともできる双方向形式が採用されています。

「Axiv entrance」は、担任のプロ講師に対して、授業外でも気軽にメタバース上で相談できるコミュニケーションルーム。学習習慣、勉強法の相談、模試や過去問の状況に加えて、勉強以外のことでも講師に相談できます。また講師側は、このようなやり取りを通して、生徒の状況をより把握できるようになります。

オンライン環境をオフラインのような環境に近づける

同社のオンライン予備校では、以前よりチャットやWEB面談を行っていたといいます。しかし授業外の日々の些細なコミュニケーションが難しく、講師からも「(オフラインと比べて)コミュニケーションが取れずに状況把握が難しい」との声が挙がっていたとのこと。

同社はそのような状況を鑑みて、2022年12月、コミュニケーション量を増やすためにメタバースを生徒用にテスト導入。これにより、講師の状況が生徒にリアルタイムに可視化されたことで、コミュニケーションが活発になるという成果が得られたことで、本格的な導入を決定しました。

これまで「WEB面談するほどでもない」「チャットだと説明しにくい」という理由で講師への相談を後回しにしていた生徒が、「先生の状況がみえる」「話しかけやすい」と行動に移せるようになりました。さらに「WEBだから直接よりも緊張しない」「気軽に質問できる」という声もあり、もともとコミュニケーションが苦手な生徒にとってもメリットがあるといいます。

“簡易的な”メタバースシステム

「Study Assist」と「Axiv entrance」には、“簡易的な”メタバースが採用されています。

当初は生徒がVRヘッドセットを使用して3Dアバターでアクセスするメタバースの構築も検討されたものの、回線速度、PC・タブレットの性能不足や、VRヘッドセットの煩わしさに課題があったほか、受験生にとっては一時的な楽しさは優先度が低いといった事情もあり、同社では手軽さと目的を容易に達成できることを重視したといいます。

メタバースを使ったオンライン教育で生徒の成績がどのように変わっていくのか。今後の展開に注目されます。

参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000057050.html

公式サイト:https://axivision.co.jp

(文・S.Inosita)

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ウェブサイト: https://techable.jp/

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