阪大発スタートアップ、一個の生命体のようにモノを感知する「近接覚センサー」発売へ
もし人間が新たな感覚器を得て、“独自に思考する指先”を持ったとしたら……。近接覚センサーを備えたロボットハンドは、まさにそんな存在だといいます。
今回、大阪大学発スタートアップの株式会社Thinker(以下、Thinker)は、2023年7月31日に発売する「近接覚センサーTK-01」の注文受付を同年5月23日より開始します。販売価格は242,000円です。
産業用ロボットでは難しかった物体をピッキングできる
“近接覚”は、視覚や触覚に頼らずにモノをとらえる、人間にはない認知方法です。Thinkerの「近接覚センサー TK-01」は、赤外線と高速・高精度AIを組み合わせた独自のセンシング技法により死角部分を含めたモノの位置と形を非接触で把握します。
これにより、従来の産業用ロボットでは難しいとされていた鏡面・透明物質の取り扱いや、現場環境に応じた臨機応変なピックアップ、ばら積みされた物体のピッキングが可能になります。
これまで活用されなかった用途や現場・領域でのロボットハンド導入が期待できるでしょう。
光量が少ない場所でも物体をとらえられる
YouTubeで公開されている「近接覚センサーTK-01」の紹介動画では、光量が少ない場所でも透明な小瓶をキャッチしている様子が確認できます。
状況に応じて指先位置を調整可能
対象物の距離・姿勢を詳細かつ高い精度で計測する「近接覚センサー TK-01」を備えたロボットハンドは、状況に応じて指先位置を微調整できるため、ティーチング(ロボットに作業を教え込む工程)の時間や労力を削減することが可能です。
現場作業員の運用作業負担を軽減するほか、セッティングの切り替え時間短縮によって多品種・形状のばらつきに対応し、コストの低減に貢献します。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000106143.html
株式会社Thinkerホームページ:https://www.thinker-robotics.co.jp/
(文・Haruka Isobe)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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