「晏子之御」とはどんな意味の四字熟語?その由来や類義語は?
他人の権威を笠に着て威張ることを「晏子之御(あんしのぎょ)」と言います。
また、これらは自らの低い地位に満足して得意がるようなことを意味することもあります。
しかし、なぜそのことを「晏子之御」と表現するのでしょうか?
今回はそれら「晏子之御」という四字熟語について解説します。
ここではその意味はもちろん成り立ちや類義語も説明します。
「晏子之御」とは
まずは「晏子之御」がどのような言葉なのかを見ていきましょう。
「晏子之御」の意味
「晏子之御」とは他人の権威を笠に着て威張ることの例えです。
また、自らの低い地位に満足して得意がる小人物の例えでもあります。
これらは「晏子之御になってはいけない」などと使用されます。
事実、他人の力にあやかるのではなく自分自身が成長すべきであるという教えとしても使用されるわけです。
このように「晏子之御」は幅広い意味を持つ四字熟語と言えます。
「晏子之御」の由来
では「晏子之御」はどこから来た四字熟語なのでしょうか?
ここからは「晏子之御」の成り立ちについて見ていきましょう。
「晏子」とは晏嬰という人物のこと
まずは「晏子之御」の「晏子」について知る必要があります。
「晏子」とは中国春秋時代の斉の宰相だった晏嬰のことです。
「宰相」とは現代風に言うと首相もしくは総理大臣のことです。
つまり「晏子之御」はそれら古代中国で活躍した人物に関連する四字熟語となります。
出典は晏嬰の御者とその妻の逸話から
「晏子之御」は古代中国の書物「史記-晏嬰」から来ています。
その中にある晏嬰の御者とその妻の逸話から来ているとか。
それは春秋時代のことです。
晏嬰に仕える御者は主人を馬車に乗せる仕事をしていました。
御者本人もそれらの仕事を与えられていることに満足していました。
しかし、そんな御者を見て晏嬰の妻は大いに恥じたとか。
それだけでなく離縁を求めるほどだったとされています。
その後、御者は「このままではいけない」と精進するようになったそうです。
それによって次第に晏嬰も認める存在にまで成長したとか。
それだけにとどまらず、大夫にまで出世したと言われています。
ちなみに「大夫」とは高い役職の仕事のことです。
この逸話から生まれたのが「晏子之御」です。
「晏子之御」の類義語
最後に「晏子之御」の類義語を見ていきましょう。
「晏子之御」の類義語には「狐仮虎威」「笠に着る」があります。
狐仮虎威
「狐仮虎威」とは権力のある者の威を借りて自分勝手に振る舞うことの例えです。
これらは有力者の威を笠に着て好き勝手に振る舞う人物そのものも指します。
なお、この言葉は「戦国策-楚策」から来ているとされています。
その昔、狐が虎に食べられそうになったことがありました。
その際、狐は「天帝は私を百獣の長とした」「だから私を食べてはいけない」と言って難を逃れようとしたとか。
さらに「疑うなら私の後について歩いてみなさい」と言いました。
実際に虎が狐の後を歩いて行くと他の獣たちは狐の後ろの虎に驚いて逃げていきます。
その結果、虎は狐の話を信じてしまったのだとか。
そこから「狐仮虎威」という言葉が生まれたとされています。
それらの点が「晏子之御」に似ているのではないでしょうか。
笠に着る
「笠に着る」とは権勢のある者に頼って威張ることの例えです。
これは保障されている地位を利用して威張ることも表します。
また、自身の施した恩徳をいいことにして好き勝手することも言います。
要はバックの力を利用して圧力を加えることを意味する言葉です。
それらの点が「晏子之御」と重なるのではないでしょうか。
まとめ
「晏子之御」とは誰かの権威を頼りに威張ることを言います。
自分に力がないにもかかわらず、誰かの威を借りて威張ることを言った四字熟語となっています。
これらは古代中国に伝わる話から来た言葉だそうです。
実際に現代にも他人の力で威張る人もいるので、そこは自分自身が成長して本来の力を発揮できるよう心に留めておきたいです。
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