偉人たちが創造性を保つためにしていた「休息術」とは?
常にストレスに耐えながら、長い時間忙しく働いているにも関わらず、日本は世界の中でも生産性が低いとされている。
大切なことは、量や忙しさより質。そして、そこで重要になるのが休息の取り方だ。休むことを仕事と真逆のことと捉えがちだが、そうではない。自らの能力や創造性を高めるために必要なのが休息術だ。
『TIME OFF 働き方に“生産性”と“創造性”を取り戻す戦略的休息術』(ジョン・フィッチ、マックス・フレンゼル著、ローリングホフ育未訳、クロスメディア・パブリッシング刊)では、発明家、革命家、ノーベル賞学者、思想家、億万長者、アーティストなど、世界の賢人35人のエピソードをあげながら、燃え尽き症候群や過労を遠ざけ、生産性と創造性を目覚めさせるための「戦略的な休息術」を紹介している。
■1日2時間以上の散歩で集中を保つ
たとえば、ロシアの作曲家であるチャイコフスキーは、1日2時間以上、森の中を散歩しないと悪いことが起きると信じていたという。彼は散歩をすることで、作曲に没頭した心と身体を落ち着けていたのだろうか。
また、邪魔が入ることでフローの状態が乱されると考えていたようだ。「邪魔」とは玄関の呼び鈴や召使の足音、時間を知らせる時計の音などのこと。この邪魔が入ると、集中できなくなってしまうとチャイコフスキーは考えていた。しかし、2時間の散歩の間は邪魔が入らない。彼にとって大事な時間だったことが想像できる。
■ベートーヴェンが力を保つためのやっていたこと
また、ドイツの作曲家であるベートーヴェンも同じように、散歩でクリエイティビティとエネルギーを蓄えようとしていた。
ベートーヴェンの伝記の著者であるロマン・ロランは、ベートーヴェンには力を保つための方法がいくつかあったことを記している。「入念に片づけをする」「毎日昼食のあとに散歩をする」などだ。この散歩は夜までかかることもあったという。そして、ぐっすりと十分な睡眠をとる。ロランは「彼の生活はきちんとしたとてもシンプルなものだった」と述べている。
こうした気分転換や休息の必要性は、現代に生きる私たちにも通じることだろう。新しい視点は、机に座っているだけではなかなか浮かんでこないもの。休憩したり、散歩に行ったりすることで、体の健康や創造性を保ち、高めることができる。そうすることで、思考は深まるのだ。
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賢人たちの考え方から、今の仕事観も変わるかもしれない。休息の大事さを本書から知り、仕事にも活かしてみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)
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