どの職場にもいる「めんどうな人」5タイプとその性質

どの職場にもいる「めんどうな人」5タイプとその性質

高圧的な上司がいる。

嫌味を言ってくるお客さんがいる。

理不尽な仕事ばかりやらされる。

責任を押し付けられる。

働くなかで生まれるストレス。

その原因として一番手に上がってくるのが「人間関係」だろう。そうしたストレスの中で我慢をしながら働くと、パフォーマンスは下がり、心も疲弊していく。

■どの職場にもいる「めんどうな人」5タイプ

産業医・精神科医の井上智介さんは「人間は、自分ではコントロールすることができないものにストレスを感じます」(『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』より)と述べた上で、その代表例として「他人」を挙げる。

そして、その他人の中でも特に人間関係のトラブルが起きがちな「めんどうくさい人」を5つのパターンにまとめて紹介している。それが以下の5つだ。

(1)悪口、陰口ばかり言う人

(2)ことあるごとにマウンティングしてくる人

(3)ハラスメントをしてくる人

(4)むちゃぶりしてくる人

(5)責任を押し付けてくる人

確かにどのパターンも、近くにいると厄介な存在だ。こういうタイプの人が近くにいる場合の最も効果的な対処法は、「距離を取ること」。ただ、例えば自分の上司であったり、同じ部署の先輩がこういうタイプだった場合、距離を置くのはかなり難しい。

では、どうすべきか。「相手を変えることはできないのだから、自分が変わればいい」という考え方がある。確かにこれは重要なことなのだが、自分を変える前にやっておくべきことがあると井上さんは指摘する。

それは、相手がどういう人たちなのかをしっかり知っておくということだ。

井上さんの著書である『「あの人がいるだけで会社がしんどい……」がラクになる 職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター刊)には、その冒頭にこの5つの「めんどうくさい」パターンの思考・行動が解説されているので、紹介しよう。

(1)悪口、陰口ばかり言う人

「平等であることを人一倍意識している」という特徴を持ち、優れている人、際立っている人、あるいはその逆の「できない人」にも極端な態度を取りがち。何においても、自分と同じレベルでなければ気が済まないだけでなく、ゆがんだ正義感で自分自身の承認欲求を満たしているという。

(2)ことあるごとにマウンティングしてくる人

自己顕示欲を抑えられないのが、このタイプだ。根底には、自分自身への過大評価、能力の過信がある。その一方で、相手から称賛されないと自分の価値を見出すことができないという特徴も。マウンティングの源は不安と劣等感。傷つけられることを恐れており、周囲に自分のすごさを認めさせようとしてくる。

(3)ハラスメントをしてくる人

「ハラスメント」とは「相手の嫌がる行為」のこと。井上さんによれば、このタイプの人はマウンティングする人と近い性質を持ち合わせているという。自己顕示欲や自己愛が強いという特徴に加え、相手がどう感じるかという共感性と想像力に欠けていることが多いのだ。

(4)むちゃぶりしてくる人

このタイプは共感性や想像力が乏しく、相手が何を嫌がっていて、何を求めているか分からない。その意味ではハラスメントに通じるところがある。井上さんも「ハラスメントの一歩手前」と指摘している。ただ、異なる点としては高圧的な印象がなく、恐怖心を煽られないという特徴がある。しかし、断れないという点では、ハラスメントと同類だろう。

(5)責任を押し付けてくる人

これは2つのパターンに分かれるという。一つは自分が怒られたり、傷つくことを極端に恐れているパターン。上司がこのパターンだと部下に責任転嫁するといったケースが見られる。もう一つは、プライドがとても高いパターンだ。ちょっとの成功体験から「自分が間違えるはずがない」と思い込んでおり、他責の考えがベースになってしまっている。

 ◇

井上さんはこの5つのパターンを総括して、「職場のめんどくさい人たちは、とにかく自分本位」だと述べる。

では、私たちが彼らと付き合っていく上で気を付けるべきことは何か。それは、こういう人たちに関わるときには、彼らのターゲットにならないように、自分の言動を変えることが求められる。

彼らは自分にとって都合が良く、多少のことをしても声を上げないような人を選んで「めんどうくさい」コミュニケーションを取ってくる。都合が良いとみなされる人の典型的なパターンが「いい人」である。もし、普段から「いい人」と言われているなら、そういう自分を変えてみるといいかもしれない。

本書はこうした「めんどくさい人」たちの細かな特徴と、具体的な対処法を教えてくれる一冊だ。相手の特徴をしっかり把握し、自分を守るために自分を変えること。それが、職場でのストレスをなくすための第一歩なのだろう。

(新刊JP編集部)

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