『シャザム!~神々の怒り~』“神の娘”ルーシー・リュー&レイチェル・ゼグラーに聞く「天狗になってしまうと、魔法は消えてしまう」
『THE BATMAN−ザ・バットマン−』(22)、『ジョーカー』(19)など数々の大ヒット作を生み出してきたDC 最新作で、実は最強なのに…中身はコドモのヒーローと、神々との闘いを描く最強バトル・アドベンチャー『シャザム!~神々の怒り~』は、3月17日(金)に日米同時公開となります。
本作では、シャザムが“神の娘”を怒らせてしまい、彼女たちが巨大ドラゴンを引き連れて地球に襲来。圧倒的なパワーでシャザムたちを翻弄します。今回は、神の娘「カリプソ」を演じたルーシー・リューと、「アンテア」を演じたレイチェル・ゼグラーにインタビューを敢行!映画とはうってかわってキュートで優しいお2人に貴重なお話を伺いました。
▲ルーシー・リュー
▲レイチェル・ゼグラー
――ヘレン・ミレンさん演じるエスペラとお2人は親子、あるいは姉妹のような不思議な関係を演じられていました。女神を演じていかがでしたか?
ルーシー・リュー:ヘレン・ミレンとの共演は本当にスリリングだった。彼女はカメラが回っていてもいなくても、それこそ女神のような存在で、稀に見る寛大な心の持ち主。私たち2人の面倒もよく見てくれたし、撮影時間外もいろいろな話を聞かせてくれた。
レイチェル・ゼグラー:ヘレンはとても謙虚だし、気さく。それにいろんな冗談を言って笑わせてくれる!こちらも緊張が解けた。多分いろんな人が彼女に会うと気構えちゃうのでしょう、(あえて気さくにしているのかもしれない。)私がヘレンと初めて会ったのは衣装部屋でだった。私はびっくりしてしまったのだけど、「どうも、はじめまして」とにこやかに挨拶してくれた。彼女からは気品や、それこそ女神らしさについて、いろいろ学んだ気がする。彼女の姿を見ているだけで学べることが多かったの。
ルーシー・リュー:女神を演じる上でも、品格と重みでもって演じることについて教わった。女神は、大群衆を目の前にする時も(まるでモーゼが目の前の海を割ったかのように)道が開けることを当然のことと思っているような表情をたずさえると良いとおっしゃっていて、ヘレン自身もそのように演じていた。しかも面白おかしく演じる。
――アンとカリプソは真逆の性格ですが、撮影現場はいかがでしたか?それぞれ役柄と対照的な部分や逆に似ている部分はありますか?
レイチェル・ゼグラー:私はアンにけっこう似ているところがあると思う。ませているところがあるから、わりと素で演じることができた。年齢が6000歳ということにあまり違和感を感じずに演じられた。(笑)ただ、アンとカリプソとの関係は、私とルーシーとの関係とは全く違う。姉妹愛はあるけれど、ライバル意識はない。カリプソがアンに向かって「つまらない女!」と意地悪を言うシーンがあるのだけど、テイクを終えると「今のはいじわるだったね、ごめんね!」とルーシーに謝れる始末だった!
ルーシー・リュー:三姉妹の力学については、(製作陣は)意識して伏線を張っていると思う。というのも途中から3人の関係性が変わるから。最初はカリプソの味方をしていたヘスペラが、後半ではアンテアの味方をするようになる。3人の関係性がそうやって変化すると、リアルさが出てくる。撮影現場の3人はとても相性が良く、自然だった。そういう意味ではとてもラッキーだったと思う。プレスツアーでも、3人1組でやらせてもらえるようにお願いをしたほどだった。
わたしはカリプソと似たところがあまりないと思っている。自分の行動が周りにどういう影響を与えるかに関しては無自覚だし、ミッションを追求する上での視野が狭い。私はカリプソよりはだいぶ物事を客観視できていて、もっと柔らかい人間だと思う。
――1作目を見た時の感想と、今回の脚本を読んだ時の印象は?
レイチェル・ゼグラー:1作目は大好きだった。とても心の温まる映画で、『グーニーズ』や『E.T.』のような古いアンブリン映画を思い起こさせるところがある。美しい家族の物語である一方で、異世界を描くSF要素も万歳。でも根底にあるのは家族愛の物語。今回の脚本を読んだ時は、3姉妹の要素が加わったのはとても良いチョイスだと思ったし、二つの家族が対照的に描かれているところが(神々の領域と人間界を対比させる上で効果的で)面白いと思った。
ルーシー・リュー:1作目は軽やかだったし、笑えたし、面白いと思った。スーパーヒーローをやる子供たちの世界を描いているわけで、その世界観は純粋無垢。だから大人だけではもたらすことのできない特別な味わいがある。そういう遊び心満載な感じが良かった。
2作目は、多くの続編がやるように、スケールアップしていて、より幅広い客層に向けた作品に仕上げている。ところが今回はスーパーヒーロー同士の対決ではなく、ギリシア神話の女神たちとの対決という、一段と遠い異世界を描いている。そうやって、この先も自由にストーリー展開を模索できるように作っているところがスマートだと思うし、この作品を特別なものにしている。ヒーローものといえば、悪党や富豪、世界を滅ぼそうと科学実験を企む悪人などとの対決がお決まりだけど、このようにして女神を登場させることはあまりない。
――自分の中身が子供だと思うところはありますか?
ルーシー・リュー&レイチェル・ゼグラー:しょっちゅう思っている!
レイチェル・ゼグラー:だからこの仕事が好きなのかもしれない。今回も楽しかったし、『Snow White』の撮影の時もそうだったのだけど、衣装を着るのが楽しくて仕方がなかったし、『The Hunger Games: The Ballad of Songbirds and Snakes』の時もシリーズの大ファンだから楽しかった。そうやって、題材や憧れの人たちとの共演も含め、ファン心をくすぐる仕事ができるのはとても嬉しいこと。次から次へと、自分の内なる子供が喜ぶような仕事をさせてもらえている。
ルーシー・リュー:レイチェルのいう通りで、大好きなことを仕事にでき、共演者らと一緒にさまざまな世界を探索できるのはとても楽しいことで、自分探しにもつながる。現実逃避の楽しさもあるけれど、さまざまな魔法に触れ、自分の中にある魔法を見出すこともできる。日々起きることを決して当たり前だと思うことがないからなのかもしれない。謙虚な気持ちでいれば、(そういう味わいを楽しむことができる)。天狗になってしまうと、魔法は消えてしまう。
レイチェル・ゼグラー:ファン心を忘れてしまったらおしまい。
ルーシー・リュー:そう、地に足がつかなくなってしまうようではまずい。この業界で仕事ができるのはとても幸運なこと。
レイチェル・ゼグラー:ルーシーも子供の頃からコミック本を読んでいたしね。
ルーシー・リュー:本当に、(このような体験ができるのは)魔法のよう。
――お互いに魅力的だと思えるところは?
レイチェル・ゼグラー:ルーシーは相手をケアする心がある人。周りの人たちを心から慮るし、初対面の時から、私が安心して取り組めるように配慮してくれた。私はまだまだヒヨコだからね。私が「ここにいてもいい、安全、守られている」と感じられるように気をつかってくれたから本当に感謝している。本当に優しい人!
ルーシー・リュー:私は優しい人!(笑)そういえば、毎晩息子とお祈りする時に「あなたは、安全で、愛されていて、守られている」という言葉を唱えるの。息子にそう感じてほしいから毎晩言う。
レイチェル・ゼグラー:ほらね!なんて優しいの!
ルーシー・リュー:レイチェルには、相手を引き込むような、美しいエネルギーを放っていて、まるで歩く虹のような人。虹を見ると「信じられない!」と思うでしょう?レイチェルを見ているとそんな感じがする。とても寛大だし、温かいし、人のいうことにしっかりと耳を傾ける。レイチェルといると、自分は特別な存在、と思える。
レイチェル・ゼグラー:そういえば撮影帰りに虹が出ていて、それを写真にとって、グループチャットに載せたことがあったね。覚えてる?
ルーシー・リュー:覚えてる!奇遇ね。
レイチェル・ゼグラー:とてもいい質問!ありがとう!
――日本の観客に向けたメッセージと見どころをお願いします!
レイチェル・ゼグラー:この映画は魔法、ドラゴン等、素晴らしい視覚効果、笑い満載で、キャスト同士の愛が伝わる映画だと思う。日本の皆さんにぜひ見てほしい!
ルーシー・リュー:私は日本が大好き!日本の文化、言葉、日本の皆さんが大好きだし、日本ほどファン愛が溢れる国はないと思う。そして日本を訪れる度に皆さんの歓迎ぶりに感動する。レイチェルの説明に付け加えて言うなら、これは遊び心と喜びが溢れている映画。最近はいろんな映画が作られているから、さまざまなCGやユニバースやマルチバースが出現し、追いきれないところまで来ているけれど、この作品は神話のクリーチャーやキャラクターが登場するから一味違うと思う。そして思いっきりエンターテイメントをやっている。だから、ただただ2時間を楽しんでもらえたら嬉しい。日本の皆さんはリピートで映画を見ることが多く、あれこれ調べたり、話題で盛り上がったりするらしいね。それは他の国でも見られる傾向だけど、日本はアニメにしても何にしても最先端を行っている。世界中のさまざまなクリエイティビティにつながるような種を蒔く国なのだと思う。そんな日本のみなさんに、この作品を見てもらえるのは光栄なこと。
『シャザム!~神々の怒り~』は3月17 日(金)より公開。
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