メガネ型ARデバイス「TCL NXTWEAR S」レビュー 「Steam Deck」との相性も抜群な“お手軽パーソナルディスプレイ”

中国の家電メーカー、TCLエレクトロニクスグループのFalcon Innovations Technology(Shenzhen)が1月31日から国内で販売を開始したARグラス「TCL NXTWEAR S」のレビューをお届けします。

USB-C端子のDP ALT(Display Port Alternate mode)出力に対応するスマートフォンやPCと付属のUSB-Cケーブルで接続して使用する、サングラスタイプのARデバイス。電源を内蔵しないので、フロントレンズを除く本体の重量が82gと軽量。付属のケースにケーブルと一緒に入れて手軽に持ち運べます。

内側にハーフミラーを搭載し、フレームから下向きに投射する映像をメガネから見る現実世界に重ねて表示できる仕組み。光学系は非常にコンパクトで、通常のサングラスとほとんど変わらない装着感で使えます。視野角は45°で、仮想空間の4メートル先に130インチの画面を表示できる仕様。解像度は2Dで1920×1080、3Dで3840×1080。

右側のテンプル(つる)に、付属のUSB-Cケーブルをマグネットで接合するポゴピンを搭載します。何かの拍子でケーブルが引っ張られても安全に外れるので、ARグラス本体が落ちたり破損する心配がないのが嬉しいところ。

テンプルは剛性感のある太めな構造。テンプルの上下にスピーカーの開口部があり、開放的でサラウンド感のあるサウンドが楽しめます。スピーカーは搭載しますが、マイクは非搭載。

左テンプルのダイヤルで音量調整、右テンプルのスイッチで投影する画面の明るさ調整が可能。

ややギラついた見た目のフロントレンズは、マグネットで簡単に脱着できます。装着すると遮光性が高く、より没入感のある体験が可能に。

フロントレンズを外すと、透過度が高くなり視界が良好になります。見え方には好みがあると思うので、購入を検討している人は実機をかけて体験してみることをオススメします。

内側には、マグネットで視力補正用のレンズフレームを装着可能。

「Netflix」や「Amazon Prime Video」の動画を大画面で楽しむのもよいですが、まず試してみたかったのがクラウドゲーミング。「Xbox Game Pass」アプリをインストールしたAndroidスマートフォン「REDMAGIC 7」のUSB-CポートがDP ALTに対応しているので、つないで遊んでみました。コンシューマーゲームが手軽に遊べるものの、スマホの画面では文字が細かくて読みづらいことも多いクラウドゲーミングですが、ARグラスを使えば目の前の大画面で快適にプレイできます。

そして、携帯ゲーム機「Steam Deck」もUSB-Cケーブル1本で接続できました! Steam Deck本体をコントローラーにして、目の前の大画面でSteamライブラリにあるゲームのプレイが可能。外出先で、オフラインでも手軽に遊べるのが魅力です。

HDMI出力できるゲーム機なら、市販のHDMI to USB-Cアダプター「GOOVIS HC2.0」を使えば接続可能。Nintendo Switchのドックにつないでプレイできました。

DP ALT非対応のUSB-Cポートを搭載するAndrioidデバイスや、Lightningポート搭載のiOSデバイスと接続するアダプター「MiraScreen Portable Adapter」も同時にお借りしました。こちらも1月31日に発売。専用アプリ「Mirroring」をインストールしたデバイスの画面を、アダプタ経由でARグラスへミラーリングすることができます。Mirroringアプリは、アダプターのマニュアルに記載されたQRコードを読み取ってインストールを進めましょう。

付属のUSB-CケーブルでAndroidスマートフォンとアダプターを接続し、ARグラスのUSB-Cケーブルをアダプターのグラス用ポートに接続すると画面がミラーリングできました。iOSデバイスでは、付属のUSB-C to Lightningケーブルでデバイスとアダプターを接続し、ARグラスのUSB-Cケーブルをグラス用ポートに接続してミラーリングできることを確認しています。アダプターは充電式なので、使用する際には事前に充電が必要です。

ここまでは画面のミラーリング機能を紹介していますが、より視界の広い仮想空間に画面を固定して見られる3DoFモードが利用できるアプリ「TCL AR」が開発中。同アプリでは、360°動画を視聴したり3Dゲームをインストールして遊ぶことができます。

TCL NXTWEAR Sの想定価格は5万9800円(税込)。MiraScreen Portable Adapterの想定価格は1万5400円(税込)です。

TCL NXTWEAR S Smart Glasses
https://nxtwears.tcl.com/

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shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

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