旅行でお土産を買うなら、地元の人に親しまれている「スーパーマーケット」がおすすめ。価格は安いし、コンビニよりも品数は多い。長年、国内外のスーパーでお土産を調達してきた筆者が、今回は【広島・福山編】を紹介する。
現在こそ「広島県」という括りだが、広島市と福山市はかつて別の国だった。国というより「藩」と言ったほうが分かりやすいかもしれない。
広島市は安芸藩、福山市は福山藩。山陽新幹線ではそれぞれ駅があり、「のぞみ」なども停車する。藩が違うと、食文化も微妙に異なる。
福山の和菓子と言えば「虎屋本舗」が有名。創業400年の老舗である。特に知られているのが、江戸時代から続くどら焼きの「虎焼」だ。土産店にも売られているが、スーパーにも並んでおり、運が良ければ安く手に入る。
スーパーでは、ばら売りで、のしなどもない。自宅用か気軽なバラマキ土産に良いだろう。福山藩献上「とんど饅頭」も有名だ。
福山市から北に行くと、面積がとても広い庄原市がある。島根県、鳥取県、岡山県との県境に接している。
その庄原市にある名物が「田總羊羹」(たぶさようかん)だ。田舎の懐かしい素朴な味わい。創業明治18年で、昔ながらの製法で作られ続けている。
広島県のご当地ラーメンといえば「尾道ラーメン」がよく知られている。鶏ガラしょうゆベースで、背油が浮いており、昔ながらの素朴な味わいはファンが多い。
尾道は、広島より福山から近い。スーパーでは乾麺だけでなく生めんも売られている。生めんは要冷蔵なので、乾麺の方が持ち帰りやすい。
広島と言えば、麺が入ったお好み焼き「広島焼」がご当地名物。そのため、オタフクソースをはじめ、スーパーにはソースをはじめとしたお好み焼き商品が、数多く並ぶ。
おすすめは、広島名物「お好み村」と共同開発したミツワブランドの「ミツワソース」である。通常のソースに加え、「広島風激辛お好みソース」「お好みソースガーリック風味」などの変わり種も。福山から東にちょっと行くとすぐ岡山県に入り、この手のソースは入手が難しくなるので要注意。
広島の名物として新たに注目を集めているのが「レモン鍋」である。特に、塩味とレモンの爽やかな味わいがマッチし、しかも低カロリーなので、女性に人気という。
話題のレモン鍋が手軽に味わえる「レモン鍋つゆの素」が、スーパーで販売されている。自宅で話題の味を、豚肉や野菜とともに楽しんでみてはいかがだろうか?
福山は瀬戸内海に面している。そのため、柑橘も名産品。「瀬戸内の柑橘ポン酢」は、レモン、すだち、ゆず、だいだいと4つの柑橘を絶妙に合わせたポン酢。ほどよい酸味、さわやかな香りが特徴だ。刺身、サラダ、揚げ物などで、これも手軽に楽しめる。
福山に近い尾道で、ラーメンに続いておすすめなのが、実はお茶である。明治11年創業の老舗、今川玉香園茶舗では「尾道紅茶」を販売。尾道は港町であり、街の坂道には古い洋館も残っている。
特に、尾道紅茶は、黒猫の缶パッケージがかわいい。スーパーでも1缶800円程度とやや値は張るものの、お土産に喜ばれそうだ。茶葉はアールグレイ、ディンブラ、キャンデイなど。
広島の味噌と言えば「新庄みそ」である。スーパーにも、味噌がズラリと並び、その多くは新庄みそ製だ。
おすすめは、「かきだし入りみそ汁」(3食入)だ。広島県産かきから抽出した「かきエキス」を使い、みそ汁として手軽に楽しめる。インスタントのみそ汁で、ちょっとリッチな気分になれる。
福山で2016年創業「走るパン屋さんぱんじゃ」の人気商品が、「仙人の生くりーむぱん」である。パン生地はやや小ぶりでなめらかでやわらかく、中にはクリープがたっぷり。広島だと「八天堂」がクリームパンで有名だが、こちらは福山・鞆の浦産。スーパーで見かけたら、ぜひ買ってご賞味を。
【広島県にある主なご当地スーパー】
(Written by トラコ)