「こんなにも狂っていながら、キュートでアート」 特殊効果の神フィル・ティペット監督作『マッドゴッド』新写真[ホラー通信]

『スター・ウォーズ』『ロボコップ』『スターシップ・トゥルーパーズ』シリーズなど数々の特殊効果を手掛け、“神”とも称される巨匠フィル・ティペットが、30年越しのプロジェクトを結実させた狂気と執念のストップモーションアニメ『マッドゴッド』が12月2日より公開。その独特の世界観を映した場面写真と、本作を鑑賞した日本のクリエイター・アーティストからのコメントが到着した。

荒廃した地底へと降り立った孤高のアサシンが、無惨な化け物たちが蠢く暗黒世界を目撃するダークファンタジー。解禁された写真では、毒々しい色合いの空間でトランプに興じるノミたち大きく見開かれた血走った眼鉄鋼のマスクをつけて殴り合う凶暴な獣電気椅子に並んで座らされる巨人たちなど、本作の魅惑の悪夢的世界を切り取っている。

スティーブン・スピルバーグに「人生にはフィル・ティペットが必要だ」、ギレルモ・デル・トロに「巨匠であり、師であり、神だ」と称賛されるティペット。彼の今回の作品を、日本のクリエイターとアーティストがいち早く鑑賞し、コメントを寄せた。漫画家の奥浩哉さんは本作のストップモーションについて、「未だ比肩する者がいないくらい凄味がある」と表現。ゲームクリエイターの小島秀夫さんは、本作の世界観を「こんなにも狂っていながら、キュートでアート」と評し、ライムスター宇多丸さんは昨年公開され話題を呼んだストップモーションアニメ『JUNK HEAD』とも「激しく共鳴する」とした。また、押井守さんは本作を鑑賞する人たちに向けて「それなりの覚悟をしてから鑑賞すべし」とメッセージを送っている。

『マッドゴッド』
12/2(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
https://longride.jp/mad-god/
監督:フィル・ティペット
出演:アレックス・コックス
2021年/アメリカ/84分/1.78:1/カラー/5.1ch/原題:MAD GOD/日本語字幕:高橋彩/PG12
提供:キングレコード、ロングライド
配給:ロングライド

コメント

奥浩哉(漫画家)
ハリーハウゼンにつぐストップモーションの大家フィル・ティペット。スターウォーズを作った天才達の一人だけど、大天才も時代の流れ(3DCG)には敗れ去って行った。しかし、ストップモーションにおいては未だ比肩する者がいないくらい凄味がある。 この映画はフィル・ティペットの本気を感じる。

押井守(映画監督)
フィル・ティペットの執念が生み出した悪夢の世界
彼の頭蓋に宿った究極の妄想
それなりの覚悟をしてから鑑賞すべし

小島秀夫(ゲームクリエイター)
この世界観、デザイン、動き、絵作り、全てが堪らない!こんなにも狂っていながら、キュートでアート。“職人”から解放された“クリエイター”ティペットの生き様全てをコマ撮りする。これぞ、老獪と熟成によるカタルシス。僕もこんなMADでGODなクリエイターになりたい。

ライムスター宇多丸(ラッパー・ラジオパーソナリティ)
30年を経てついに結晶した巨匠の個人的ビジョンは、堀貴秀のやはり驚異的「個人作品」である『JUNK HEAD』とも激しく共鳴する、奇想に満ちた暗黒地下世界ライドだった……まさに時空を超えたマジック!

場面写真<8点>

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©2021 Tippett Studio

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レイナス

おもにホラー通信(horror2.jp)で洋画ホラーの記事ばかり書いています。好きな食べ物はラーメンと角煮、好きな怪人はガマボイラーです。

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