現代版・竹取物語にアンドロイドが登場? GUCCIのショートフィルムで歌声披露
2022年3月にドバイ国際博覧会(ドバイ万博)でおこなわれたオペラに出演し、国内外から注目を集めたアンドロイド「オルタ3」。そんなオルタ3の進化版である「オルタ4」が今年4月に誕生しました。
活動の第1弾として、音楽家・渋谷慶一郎氏(以下、渋谷氏)が音楽を担当したグッチのショートフィルム『Kaguya by Gucci』に、オルタ4がヴォーカルとして参加。歌声を披露するとともに、能の狂言回しのような役割を果たしました。
表情筋の進化でより表情が豊かに
「オルタ4」は、2022年4月に大阪芸術大学アートサイエンス学科の研究室「Android and Music Science Laboratory (AMSL) 」から誕生したアンドロイド。2025年大阪万博のプロデューサーを務めるロボット工学者の石黒浩客員教授が製作監修を、渋谷氏が音楽監修をおこなっています。
オルタ4は、2022年のドバイ万博に登場したオルタ3の進化版であり、表情筋の可動域が増え、舌が追加されたことにより、豊かな表情を生み出すことが可能となりました。
また、全身の強度が増し、関節数が43から53に増えたことで、よりダイナミックな表現で音楽作品を表現することができます。
狂言回し的な役割を果たすオルタ4
古典物語を現代的に再構築した本作のコンセプトに呼応するように、アナログ・デジタルシンセサイザーやストリングス、AI作詞家「Cypher」を駆使した渋谷氏の音楽が展開されています。
本作でオルタ4はヴォーカルとして参加し、物語を伝える狂言回し的な役割を果たしました。渋谷氏は「今までオーケストラやピアノとともに歌うことが多かったアンドロイドが、電子音響のなかで歌うことにより新しい音楽のフォームが見つかりそうだ」と語っています。ドバイ万博でアンドロイド・オペラを披露
オルタ4の前モデルである「オルタ3」は、オルタ4と同様、機械が露出したむき出しの体、性別や年齢を感じさせない顔が特徴のアンドロイド。
両目のカメラ、口からの発声機能といった、人間により近いセンサーシステムや表現能力に加え、歌唱のために口周りの表現力を備えており、これまでさまざまな音楽活動に取り組んできました。
ドバイ万博のステージで、渋谷氏によるピアノ・電子音楽、僧侶の歌声や現地オーケストラの荘厳な演奏のなか、AIによって作られたテクストを即興的に歌いました。
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『KAGUYA BY GUCCI』
(文・Haruka Isobe)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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