小さなお店が勝ち抜くための経営術を、往年のヒットソングとともに物語仕立てで大公開!
一軒のお店を軌道に乗せ、繁盛させるのはただでさえ難しいもの。それがコロナ禍となり、さらに厳しい状況に陥ったお店も少なくないでしょう。
そんな中、約30年にわたり、飲食店や美容院といった小さなお店を次々に成功させてきた人物が、『お客を捨てる勇気』の著者・中谷嘉孝さん。中谷さんは「『お客』を『売上』としてとらえているから、どうでもいい客に振り回される。ましてや、本当に必要なお客が離れていくのだ」(同書より)と言い、「不必要なお客を捨てる勇気を持った時、あなたのお店は確実に、お客を追いかける立場からお客に追いかけられる立場に変わる」(同書より)と説きます。同書は、これまで中谷さん自身が実践し体得してきた安定経営を続けるための法則を記した一冊です。
……こう聞いて、小難しそうだと思った方もいるかもしれません。しかし同書はストーリー形式になっているので、登場人物たちの会話を楽しみながらスイスイと読み進められます。さらに、さまざまな経営術が往年のヒットソングになぞらえて紹介されるため、自然と「パーソナルブランディング」や「ブルーオーシャン」といった専門用語にも親しめます。
物語の主人公は、一人オーナーのヘアサロンを経営する倉本ソウタ。売上が思うように伸びないなか、行きつけの喫茶店で物書き風の年配男性「秋山」と知り合います。自身の悩みを打ち明けたソウタに秋山はアドバイスをくれたほか、店内で流れていた『まちぶせ』というヒット曲を例にとり、「恋愛心理も顧客心理もおそらく根本は似たようなもの」「お店側がお客を追いかけるのをやめた瞬間に、今度はお客から追いかけられる立場に変わる」と話します。
その後も喫茶店で会うたび秋山は、『木綿のハンカチーフ』や『赤いスイートピー』、『関白宣言』といった名曲の歌詞になぞらえ、「顧客ニーズを無視すればビジネスは自然とうまくいく」「自分自身のことを正しく知るためにも、自店の旗(ウリや強み、想いなど)をつくる」「スモールビジネスはブルーオーシャンに身を置くことが最も重要」といった経営の真理を伝えるのです。秋山とはいったい何者なのか、ソウタの美容院はどうなるのか……?
この物語の登場人物や細かな設定は創作です。けれど、「本書で紹介した事例や物語の展開は、すべて事実をもとにしている」(同書より)と言う中谷さん。「著者自らが血を流し実践してきた真のコンテンツのみを積み上げて構築した渾身の一冊」と自負する同書は、同じスモールビジネスの経営者にとって、たくさんの気づきに満ちていることでしょう。
[文・鷺ノ宮やよい]
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