「東京駅」まで電車で30分以内、家賃相場が安い駅ランキング 2022年版
東京駅は、日本を代表するターミナル駅。仕事や遊びにかかわらず、すべての移動の起点となる東京駅へのアクセスは、部屋探しの際に気になる人は多いだろう。東京駅へ電車で30分以内に到着するシングル向け物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)を対象にした最新の家賃相場ランキングから、ねらい目の駅を探してみたい。
東京駅まで30分以内の家賃相場が安い駅TOP16駅
順位/駅名/家賃相場/(沿線名/駅の所在地/東京駅までの所要時間(乗り換え時間・駅から駅への徒歩移動時間を含む)/乗り換え回数)
1位 蕨6.00万円(JR京浜東北線/埼玉県蕨市/29分/1回)
2位 一之江 6.18万円(都営新宿線/東京都江戸川区/27分/1回)
3位 南船橋 6.20万円(JR京葉線など/千葉県船橋市/30分/0回)
4位 津田沼 6.35万円(JR総武線/千葉県習志野市/30分/0回)
5位 竹ノ塚 6.45万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/30分/2回)
6位 堀切菖蒲園6.50万円(京成本線/東京都葛飾区/28分/1回)
6位 小菅 6.50万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/25分/1回)
6位 新子安 6.50万円(JR京浜東北線/横浜市神奈川区/30分/1回)
6位 瑞江 6.50万円(都営新宿線/東京都江戸川区/30分/1回)
6位 船堀 6.50万円(都営新宿線/東京都江戸川区/25分/1回)
11位 小岩 6.55万円(JR総武線/東京都江戸川区/19分/1回)
12位 下総中山 6.60万円(JR総武線/千葉県船橋市/26分/1回)
13位 五反野 6.70万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/27分/1回)
13位 国道 6.70万円(JR鶴見線/横浜市鶴見区/30分/2回)
13位 舞浜 6.70万円(JR京葉線/千葉県浦安市/16分/0回)
16位 小竹向原 6.80万円(東京メトロ副都心線/東京都練馬区/27分/1回)
16位 新浦安 6.80万円(JR京葉線/千葉県浦安市/20分/0回)
16位 松戸 6.80万円(JR常磐線・新京成線/千葉県松戸市/27分/0回)
16位 梅島 6.80万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/29分/1回)
16位 青井 6.80万円(つくばエクスプレス/東京都足立区/25分/1回)
首位は“時代の先端”をいく、埼玉の蕨駅
トップ3には、埼玉県、都内、千葉県がバランスよく分散した。1位は、埼玉県蕨市にある蕨駅だ。
蕨駅前(写真/PIXTA)
蕨市は面積が5.11平方kmと、全国で一番小さな市として知られている。端から端までは約4kmのコンパクトさで、蕨駅は市の玄関口であるとともに唯一の駅でもある。東京駅までの所要時間短縮のためには乗り換えが効果的ではあるが、路線のJR京浜東北線は首都の大動脈のひとつであり、乗り換えなしでの利用も可能だ。
近年は、都市機能の活性化をかかげた「コンパクトシティー」構想が推奨されていて、蕨市は小さな市域の中に40以上の医療機関や保育園児童館、商業施設などがぎゅっと凝縮している。駅周辺を核に、駅前広場や商業施設、公共複合施設の整備などの再開発も進めている。そうした機能の要となる市役所は耐震化などのため建て替え中で、現在は駅から少し離れた場所にあるが、今後はいざというときの災害拠点にもなる機能をもたせるという。
また蕨市といえば、外国人の住民が増えており、なかでも在住クルド人が多いことでも知られる。彼らによるお祭りや、地元住民も一緒に参加できる料理教室が開催されるなど、地に足の着いた国際交流も盛んだ。海外の珍しい食材を扱う商店を見かけることも少なくなく、ダイバーシティを体現している街ともいえる。
そういた“時代の先端”をいく一方で、市内にはいくつもの人情味あふれる商店街も残る。蕨市は江戸時代、中山道の「蕨宿」として栄え、また江戸から昭和にかけては織物の生産地としても名をはせていた。市内には今でも、かつての風情を感じさせる歴史ある建物が点在。商店街の中を散策していて、そんな歴史の息吹を思わせる店舗にふらっと出合うこともある。
商業施設が充実の南船橋駅は、大規模施設の開業控える
3位は千葉県船橋市の南船橋駅。京葉線の快速列車の停車駅で、スウェーデン発の人気家具店IKEAの日本1号店「IKEA Tokyo-Bay」や大型商業施設の「ららぽーとTOKYO-BAY」のほか、深夜まで営業しているスーパーなどもあり、必要なものはなんでも近場でそろいそうな便利さが魅力だ。
ららぽーと(写真/PIXTA)
2020年末には通年型のアイススケートリンク「三井不動産アイスパーク船橋」がオープン。国際スケート連盟基準を満たしたリンクで、競技大会なども開かれている。また2024年には、船橋市を拠点にする男子プロバスケットボールBリーグの「千葉ジェッツふなばし」のホームアリーナ「LaLa arena TOKYO-BAY(仮称)」が完成予定。1万人規模が収容でき、スポーツだけでなくコンサートや企業イベントなどにも対応する予定とのこと。スポーツファンだけでなく、足を運ぶ機会が増えそうだ。
同率6位の新子安駅、船堀駅、瑞江駅、ライフスタイル別でどこを選ぶ?
同率6位には5駅がランクインしている。そのうちの一つの新子安駅は神奈川県の駅でランキング最上位、JR京浜東北線で、蕨駅同様に、東京駅まで乗り換えなしでも利用できる。
新子安駅(写真/PIXTA)
横浜駅、川崎駅へはともに2駅で、10分以内で行くことができる。また京急本線沿線の京急新子安駅がすぐそばにあるため、羽田空港などへのアクセスもいいほか、少し行けばJR横浜線の大口駅があり、新幹線が停車する新横浜駅へも直通で利用できる。遠隔地への出張が多いビジネスパーソンには心強い穴場スポットかもしれない。
駅北側の丘陵地にかけて、閑静な雰囲気の住宅街が広がっている。駅前にはスーパーやファミリーレストラン、郵便局などが入った商業施設「オルトヨコハマ」や、深夜1時半まで営業しているスーパーがあり、日常の買い物に不自由することはなさそうだ。少し足を延ばせば、映画やドラマの撮影地などにもなっている、横浜の名物のひとつの六角橋商店街もある。
六角橋商店街(写真/PIXTA)
駅の南側、港湾部は京浜工業地帯の工場や倉庫が集まっており、やや無骨な印象もあったが、近年は再開発で高層マンションも建てられている。周辺住民も利用できる広場や、防災対策にも活用できる空き地が整備されたマンションなどもある。
駅から近いキリンビールの横浜工場や日産自動車の横浜工場は、大人にも人気の高い工場見学も受け付けている。なかでもキリンビールは敷地内に芝生広場やレストランなども併設し、限定グッズも販売しており、散策だけでも楽しめる。工業地帯の偏ったイメージだけでは見逃すにはもったいないかもしれない。
同じく6位の船堀駅と瑞江駅は、都営新宿線の沿線駅。間に2位の一之江駅をはさんだ隣駅になる。都営新宿線は日中、新宿―本八幡間で急行運転しているが、船堀駅は急行が停車。そのため新宿駅までは約20分で行くことができる。
船堀駅は駅すぐに24時間営業のスーパーがあり、低価格が売り物の大型スーパーなども目に付く。チェーン系の飲食店も多いので、自炊したくない日などにはありがたいところだ。ファミリー層も多いため駅前はにぎやかだが、少し行けば一戸建て住宅の目立つ住宅街が広がる。
駅そばには、所在地である江戸川区が水資源に恵まれていることにちなみ「区民の乗合船」をコンセプトに建てられた「タワーホール船堀(江戸川区総合区民ホール)」がある。著名アーティストのコンサートも開催されるほか、こだわりのアート作品からハリウッド大作映画まで上映される映画館「船堀シネパル」などが入っており、知的好奇心を満たしてくれそう。一般公開されている展望台からは、江戸川区花火大会も望むことができる(2022年は中止された)。
江戸川区花火大会(写真/PIXTA)
瑞江駅は各駅停車のみの駅ながら、駅付近の施設は船堀駅よりも充実している。すぐ近くにはディスカウントストアの「ドン・キホーテ」や業務スーパー、深夜まで営業しているスーパーなどと豊富で、家計の賢いやりくりのためには選択肢の上位にあがりそうだ。書店も駅すぐそばにあり、夜10時まで営業している。
駅周辺は再開発されているため、雰囲気自体はすっきりしておりチェーン系飲食店が目立つ。少し行くと、おしゃれな飲食店も点在。江戸川区は50年以上にわたって緑化運動をすすめており、親水公園や親水緑道の整備をしている。瑞江駅周辺も親水緑道を見かけることが多く、公園もあちこちにあり、近場で自然を感じることができる。
また、江戸川区役所へは区内のあちこちの駅からバスが主な経路になるが、瑞江駅は分所の東部事務所の最寄駅。公的手続きの手間を少し省けるのはありがたい。ファミリー層の人気も高いエリアだ。
16位も同率で5駅がランクインしている。このうちの松戸駅はJR常磐線の沿線だが、同線は東京メトロ千代田線と乗り入れているため、東京駅だけでなく大手町や赤坂などのビジネス街や、表参道や原宿などの繁華街へも乗り換えなしで行くことができる。また新京成線も利用できる。
松戸駅周辺(写真/PIXTA)
駅に直結した商業施設や大きなスーパーなどが多く、非常に栄えているが、駅周辺は再開発が進行中で、2027年までには新しい駅ビルもできる予定。生活する上ではとても便利なことは間違いないだろう。また、松戸はラーメン激戦区としても知られており、頑固店や知る人ぞ知る名店まで充実している。“おひとりさま”の生活も楽しめそうだ。
大都会・東京の真ん中へのアクセスと考えると、都心を連想しがちだが、東京駅は乗り込む路線が多いだけに、部屋探しの選択肢も多種多様。ライフスタイルにあわせた部屋も、きっと見つかることだろう。
●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東京駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2022/2~2022/4
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2022年5月30日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載
~まだ見ぬ暮らしをみつけよう~。 SUUMOジャーナルは、住まい・暮らしに関する記事&ニュースサイトです。家を買う・借りる・リフォームに関する最新トレンドや、生活を快適にするコツ、調査・ランキング情報、住まい実例、これからの暮らしのヒントなどをお届けします。
ウェブサイト: http://suumo.jp/journal/
TwitterID: suumo_journal
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。