各世代の価値観をつかめば消費の未来が見えてくる!? 「ノスタルジー喚起」が効力を発揮するのは…

各世代の価値観をつかめば消費の未来が見えてくる!? 「ノスタルジー喚起」が効力を発揮するのは…

 おおむね10代から20代前半は人生のうちでもっとも多感な時期。このころに形成された趣味趣向や金銭感覚、恋愛観、結婚観は、一生を通して容易に変わることはありません。ということは、ある世代が若い頃に受けた価値観を把握すれば、彼らの未来もある程度は予想できると言えるのではないでしょうか。

 この考えに基づいてマーケティングアナリスト・原田曜平さんが著した書籍が『メガヒットのカギをにぎる! シン世代マーケティング』です。同書では、各世代が取り巻かれている現状や消費傾向などを考察した「世代論」を軸に、各世代がこの先どのような行動を取るか、何に消費するかについての予測が立てられています。

 団塊世代、バブル世代、ゆとり世代……さまざまな世代がいるなかで、現在のメインとなるのは団塊ジュニア世代とポスト団塊ジュニア世代です。令和の時代は、この世代が前期高齢者になるまでの期間であり、その過程において彼らが消費の中心になってくるのは確実なのだとか。では、彼らはどのような世代であり、今後どのような消費が見込まれるのでしょうか。

 団塊ジュニア世代・ポスト団塊ジュニア世代は、雇用や賃金といった生活レベルや家族の有無があまりにも多様であるため、消費の様態をひとくくりにはできません。原田さんはこの世代を以下の6つのグループに分類し、それぞれの層に合わせた需要を紹介しています。

1、足し算貴族
2、ハッピー&アンハッピーサブ
3、Wワーキングプア
4、気ままパーソナル
5、自立型ソロ中年
6、シングルプア

 あえて全体をまとめるならば、この世代は「海外第一世代」「インターネット第一世代」「就職氷河期世代」という特徴があり、「ノスタルジー喚起」が効力を発揮する「合理主義者」という共通項があるそうです。

「これを念頭に置いた上で、各業界の商品・サービス企画に落とし込めば、団塊ジュニア世代マーケティングを大きく間違えることはありません」(同書より)

 このほか、新人類世代~バブル世代、団塊世代~シラケ世代、ゆとり世代~Z世代など各世代の特徴を考察し、その消費の未来について予測。最終的には、複数世代をセットにしたマーケティングの重要性にも言及しています。

 同書はビジネスパーソン、特に商品開発やマーケティング業務、企画業務に関わる人に向けて書かれたものですが、消費者なら誰が読んでも興味深く感じられるはず。今の時代、そしてこれからの時代の消費の動向を知る上でのヒントがたくさん詰まった一冊です。

[文・鷺ノ宮やよい]

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