ラーメンはもはや教養!? ラーメンのジャンルや用語などを網羅した「ラーメン完全基礎講座」
もはや国民食ともいえる「ラーメン」。いまや数え切れないほど多くの店があり、ジャンルや系列も多岐にわたります。もちろん、どこでどんなラーメンを食べるかは個人の自由。けれど、その歴史や系譜、進化などについての知識が備わっていれば、1杯のラーメンをより深く楽しめるのではないでしょうか。
書籍『教養としてのラーメン ジャンル、お店の系譜、進化、ビジネス――50の麺論』は、ラーメン専門のイラストレーター・デザイナーとして活躍する青木 健さんが著した一冊。同書について著者は、「あまり時代や流行に左右されない、ラーメンを楽しむ基本やヒント、手がかりとなるような本」だと記しています。
たとえば、冒頭に載っているのは「ラーメンの基本ジャンル20」、そして「日本ラーメン進化樹形図」。
みなさんの中に、「ラーメンのジャンルなんて醤油、塩、味噌、豚骨ぐらいじゃないの?」なんて思う方がいたらとんでもない! 同書ではほかにも、つけ麺、鶏白湯、煮干、G系など20ものジャンルが紹介されています。
ラーメンの進化についてはどうでしょうか。中国から伝わった「南京そば」をルーツに、札幌や久留米などの地域によって、町中華や屋台などのスタイルによって、はたまたスープの材料によって、さまざまに派生していったことが樹形図からわかります。
このジャンルと樹形図を読むだけでも、さまざまな知識が得られるはず。ふだん私たちがなにげなく、もしくはこだわり抜いて食べているお店のラーメンが、どのような特長を持ち、どのような進化を経て目の前に出されているのかが、おぼろげながらも見えてくることでしょう。
同書にはこのほか、「考察」「店」「つくり方」など多角的な切り口で綴ったコラム的な解説が50本収録されています。「ラーメンは体育会系、カレーは文化部系」「麺を『丼のどこから抜くか』で味が変わる」「いかに評価が高くても、地元民に愛される店をつくれないと短期間で潰れる」など、どれも興味深いものばかり。ラーメン店のロゴを手掛けるだけでなく、ときに味やお店作りに関するアドバイスもおこなってきた著者ならではの着眼点が光ります。
さらに、ラーメン533年の歴史を一覧にした「ラー年表」や、全国ご当地ラーメンの総まとめ、マニアックなラーメン用語集なども掲載。まさにラーメン全体を俯瞰して体系化した一冊になっています。
「これは評論本でもお店ガイドでもありません。ラーメンの愛し方の本です」(同書より)という一文からもわかるように、著者のラーメンへの深い愛情が伝わる同書。みなさんのラーメンライフをより豊かにする一冊になるのではないでしょうか。
[文・鷺ノ宮やよい]
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