『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』溝端淳平インタビュー「何かを背負いながら1歩前に進み出るような人になりたい」
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マーベル・スタジオの劇場公開最新作『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』が2月14日(金)より日米同時公開となります。
本作の主人公は“初代”キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースから最も信頼され、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)のラストでスティーブから盾を託されたサム・ウィルソン。
そのサムの日本版声優を演じる溝端淳平さんに、キャプテンを託されるにあたっての心境などを聞いてみました。
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キャップであることのプレッシャー
──今回ついにファルコンからキャプテン・アメリカになるということですが、吹き替えのオファーが届いた際のお気持ちについてお聞かせください。
溝端淳平さん: 素直に嬉しかったですがプレッシャーもありました。
MCUの大ファンでもあるので、今までとは重責が違います。今回は“キャプテン・アメリカ”であり、しかも主役です。「キャプテン・アメリカ」という、かなり重いバトンを渡されたと感じています。自分自身は普段から声のお仕事をメインにやっているわけではないので、そこのプレッシャーや不安はありました。
でも、今回またサム・ウィルソン役をやらせていただけることが、とても嬉しかったです。だから、不安と喜びの両方ですね!
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──それは2014年の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』をやった時とはまた違うプレッシャーですか?
溝端: 全然違います。翻訳の吹き替えで声を当てるということがいかに難しいか、11年間で身に染みてわかるようになりました。だからこそ、今はあの時以上にプレッシャーを感じています。
──溝端さんが考える「キャプテン・アメリカらしさ」を教えてください。
溝端: スティーブ・ロジャースのキャプテン・アメリカと今回のキャプテン・アメリカは、人物像がまた違うと思うんですけど、元々スティーブ・ロジャースも普通の人間でした。サム・ウィルソンも同様に超人的な能力は無く、最初はごく普通の青年でした。
ただ、スティーブ・ロジャースは決して曲げない正義感というか、絶対に潰れない精神力みたいなところがあったと思うんですけど、そこは初代キャプテン・アメリカの魅力だと思います。
一方、サム・ウィルソンはとても優しいし、すごく視野が広い分、選択を悩むところがあります。そこがサムの人間的な魅力でもあり、新キャプテン・アメリカの新たなリーダー像だとも思います。
一言で言うのはとても難しいのですが、かつてスティーブ・ロジャースが作り上げたキャプテン・アメリカ像に対して、サムが向き合いながら再構築していくというのが今回の作品だとも思います。
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──そんなサムのキャプテン・アメリカを演じるにあたって、気をつけられたポイントはどこでしょう。
溝端: 一番はキャプテン・アメリカとしての言葉の重みかもしれません。今までのサムって、結構軽口を叩いたりとか、場を和ませる場面が多かったんですけど、今回のキャプテンとしてのサムは、言葉の重みが違いましたね。
その分、サムからファルコンを引き継いだホアキンは、いままでのサムの雰囲気を継承してくれているような印象の明るいキャラクターなんです。サムはそれに救われているんだろうなと感じました。
サムに重なる“ジュノンボーイ以降”
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──今回のサムの成長や変化において、溝端さんご自身の中で重なる部分なんかはありましたか?
溝端: サムは、先代のキャプテン・アメリカをはじめ、今まで出会ってきたアベンジャーズの超人的な人たちを見ている分、自分にすごく劣等感があるんです。
「俺でいいのか」、「こんなに大きなものを俺は継いでいいのか」とずっと悩み続ける。
そこが今回の物語としての魅力でもあるんですけど、そこがなんだか自分とも重ね合わせられるんです。自分の周りも才能がある人たちばかりで、いろんな個性を持ってるんです。
僕らの世界も生き残るのが大変なので、そこはサムと同じ気持ちかもしれないです。常にちょっと劣等感を感じている部分がありますね。
ジュノンボーイでデビューしてからも、お芝居の大変さや難しさがわからないまま、ありがたいことに大きい仕事をたくさんいただいて、目まぐるしい日々でした。20代前半は本当の自分の実力と、どんどんお仕事をいただける自分との、穴埋めが全然できていなかったように思います。
今でも自分で「なんで俺(の演技は)こうなんだろう」とか常々思います。でも、そこをなんとか奮い立たせて「やるしかない」という気持ちでやっている自分と、映画に映っているサムはとてもリンクします。
──ヒーローを演じるゆえの共通点かもしれませんね。溝端さんが考えるヒーローのマインドを教えてください。
溝端: 「この人のためだったら」と思える人がヒーローやリーダーだと思います。
第一線でずっと活躍されてる方って、主張もするし、意外なこともやるんだけど、人間的に魅力があるから周りはそれが別に嫌じゃないんです。
輝いている人って、そういう印象です。……「ヒーロー」とはちょっと違うかもしれませんが、例えば現場でハードな日が続いて疲れていても、その人がいるおかげで、「明るくしてくれるな」とか「なんか頑張ろうと思えるな」みたいな人が、僕が思うヒーロー像です。
僕自身は、引っ張っていかなきゃいけないときに言うべきことがいえるような、1歩前に進み出るような人になりたいなと思います。
実際に会ったアンソニー・マッキーさんの素顔
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──サム・ウィルソン役であるアンソニー・マッキーさんとお会いしたこともあるそうなんですけども、そこで何かやり取りはありましたか。
溝端: 昨年シンガポールでお会いしました。すごく気さくな方で「僕の声を演ってるの?!ありがとう! 写真撮ろうよ」って写真を撮ってくださいました。「今度奢ってもらわないとね(笑)!」なんて他愛もない冗談や雑談をたくさんしてくださって、そこがサムに通ずるなと感じました。本当に聡明で優しい人で、人を和ませる力がある方なんだと思いました。
翌日、インタビューのお仕事で再びアンソニーさんにお会いして作品に関する話をしたのですが、その時はまるで別人のようでびっくりしたんです。前日とは全く違う口調で、すごく熱量を持って言葉を選びながらお話しされていました。
──全然スイッチが違った。
溝端: 全然違いました。その両方感じられたことは僕にとっていい経験でした。やっぱり彼にとってもキャプテン・アメリカを継ぐということは、相当な覚悟と相当な思いがあるんだということをインタビューを通じて感じることができました。
──溝端さんからご覧になった本作の魅力を教えてください。
溝端: いろんな魅力がありますけど、個人的には2人の男、サムとロス大統領の対峙は共感できる部分がありました。
ロス大統領も自分の仕事に純粋な人なので、貫いてきたがゆえの自分のこれまでの後悔があったりして。
今までのロスはあまり好きじゃないなと思っていたんですが、なんだか憎めないな、と心を持っていかれている部分がありました。
もちろん、サムはサムでキャプテン・アメリカとしての葛藤があったりします。今回イザイアとホアキンという仲間もいるんですが、その二人とのやり取り、悩み、人間模様も大きな見どころだと思います。
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能力をひとつ与えられるとしたら?
──もし「世の中を良くするために何か1つ能力をあげる」と言われたら、溝端さんはどんな能力を望みますか?
溝端: 世の中を良くするために? 難しいですね~(笑)。「忘れる能力」じゃないですかね。
──忘れる能力?
溝端: 世の中にはいろんな遺恨があって悲しい事件もたくさん起きているけど、それってやっぱり根深い何かがきっとあると思うんです。そういう遺恨や苦しい気持ちを忘れさせる能力があればいいな、と思います。
──めちゃめちゃ深みのある能力ですね。それだけでお話ができそうですね。
溝端: それがその人のアイデンティだったりしたら難しいし、忘れさせていいのかどうかって葛藤もあるかもしれません。
──思ってもみないすごい能力が聞けてビックリです。溝端さん演じるヒーローで、是非そのお話も観てみたいです(笑)。今日はありがとうございました!
溝端: ありがとうございました!
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『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』
2月14日(金)全国劇場公開
監督:ジュリアス・オナー
製作:ケヴィン・ファイギ
出演:アンソニー・マッキー/ダニー・ラミレス/リヴ・タイラー/ジャンカルロ・エスポジート/平岳大/ハリソン・フォード他
日本版声優:溝端淳平/村井國夫/藩めぐみ/森川智之
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C) 2025 MARVEL.
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