自然災害の後は、悪質な住宅修理業者に注意!3~5月に急増する理由とは
雪解けシーズンの到来で、雪災による住宅修理サービスによるトラブルが増えるという。損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)が、消費者の認識を調査するために「雪災への対策・悪質な住宅修理業者に関する意識調査」を実施したので、その結果を詳しく見ていこう。
【今週の住活トピック】
「雪災への対策・悪質な住宅修理業者に関する意識調査」を実施/損害保険ジャパン
雪解け後に多い、自然災害被害を狙った悪質な住宅修理業者の訪問営業
損保ジャパンによると、雪災などの自然災害による住宅の損害は、加入している火災保険で補償されることが多い。一方で、この時期には、「保険金の範囲内で修理するので自己負担はない」などと言って不当な復旧修理を行ったり、「保険が使える」と言って保険金の請求代行の契約を勧誘したりといった、トラブルが多発する。
こうした悪質な事業者は、高額な手数料や解約手数料などの請求を狙ったものだが、3~5月の雪解け後に訪問が活発化するという。
「雪災への対策・悪質な住宅修理業者に関する意識調査」では、全国の1万6062人を対象に調査している。地域の降雪量についての内訳は、「冬は日常的に積雪がある」が11.9%、「頻繁に降雪があるが日常的な積雪はない」が5.9%、「年に1回から数回降雪があり積もる場合もある」が37.1%、「雪はめったに降らない」が45.1%だ。
この人たちに、「自然災害後や雪解け時期に、悪質な住宅修理業者が過大な保険金請求を目的として被害の有無に関わらず、訪問してくることや連絡がくることを知っているか」と聞いたところ、「知っている」は33.0%、「知らない」は67.0%となり、3人に2人はこうした悪質な住宅修理業者について認知していないことが分かった。
「自然災害後や雪解け時期に、悪質な住宅修理業者が過大な保険金請求を目的として被害の有無に関わらず、訪問してくることや連絡がくることを知っているか」(出典:損害保険ジャパン「雪災への対策・悪質な住宅修理業者に関する意識調査」)
ちなみに、「知っている」と回答した人が悪質業者の存在を知ったのは、「テレビのニュース」(64.7%)や「新聞や雑誌の記事」(45.4%)、「WEBニュース」(34.8%)など、マスメディアからの情報だった。
14.3%が悪質な住宅修理業者の勧誘を受けた経験あり
次に、悪質な業者が訪問や連絡をしてくることがあることについて、「知っている」と回答した5307人に、「悪質な住宅修理業者が起こすトラブルや、被害について知っているもの」を複数回答で聞いたところ、「ずさんな工事をされる」と「本来必要のない手数料を請求される」がそれぞれ6割以上と広く認知されていた。また、「その他」の回答事例として、「プロパンガスボンベが雪でこわれている。避難してほしいといわれ、その間に窃盗する」といったものもあった。
「悪質な住宅修理業者が起こすトラブルや、被害について知っているもの」(複数回答)(出典:損害保険ジャパン「雪災への対策・悪質な住宅修理業者に関する意識調査」)
さらに、「知っている」と回答した5307人に、「悪質な住宅修理業者の勧誘を受けたことがあるか」と聞くと、「ある」と回答したのは14.3%で、実際に勧誘を受けた経験のある人が1割以上いることも分かった。
勧誘を受けたことがある756人に「勧誘を受けたのはいつごろか」を聞くと、「春(3~5月頃)」が最も多く、今の時期が最も注意を要する結果となったが、台風などの自然災害が多い「秋(9~11月頃)」など、それ以外の時期にも勧誘の経験があることから、常に注意を怠ってはいけないことも分かった。
「その修理業者にはいつごろ勧誘されたか」(出典:損害保険ジャパン「雪災への対策・悪質な住宅修理業者に関する意識調査」)
勧誘を受けるなどして困ったときの相談先は?
実際にこうした勧誘を受けて困ったときには、どうしたらよいのだろうか?
まずは、きっぱり断ることだ。相手方の社名や氏名を確認して、「御社の話は断ります」「リフォームの必要はありません」などと明確な意思表示をすることだ。
それでも困ったことになったら、調査を実施した損保ジャパンでも保険加入者に対して「住宅修理トラブル相談窓口」を設置しているので、加入している損害保険会社に相談するという方法もある。
ほかにも、全国各地にある消費生活センターや国民生活センターが相談に応じてくれる。また、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」でも相談に応じてくれるので、こうした相談窓口の存在をあらかじめ知っておくと心強いだろう。
悪質業者は家に入り込んで、契約を断りづらくするテクニックを持っているものだ。問われるがままに住宅の保険や補修履歴、家族構成などを話してしまい、そこに付け入るスキを与えてしまうということもある。
特に高齢者は、長時間話を聞いてしまって断りづらくなったり、あいまいに断っている間に家に入り込まれたりといった事態を招きかねない。きっぱり断ること、家族や相談窓口などに相談してから決めるなどと言って次のステップに進ませないことが大切だ。
●関連サイト
「雪災への対策・悪質な住宅修理業者に関する意識調査」と「住宅修理トラブル相談窓口」の設置について/損害保険ジャパン
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