【冬の田沢湖・角館】瑠璃色の湖に温泉。雪景色に癒やされる旅
瑠璃色の湖、きりたんぽ、温泉、雪景色! 郷土食を堪能する秋田旅。
美味しいものを求めて旅する料理家・写真家のminokamoです。日本一深い湖で冬でも凍らないという「田沢湖」と街並みが美しい「角館」へ。
秋田の雪景色と美味しいものを満喫する列車旅に行ってきます!
東京駅
東京からあっという間に雪景色へ
JR東京駅から秋田新幹線「こまち」に乗車。「こまち」の名を聞くといつもお米を思い出す。
盛岡の手前くらいから雪景色に!
車窓の雪景色に気分が盛り上がるなか、東京駅から約2時間50分、JR田沢湖駅に着きました。
新幹線のホームに大きな龍! 田沢湖にまつわる「たつこ姫伝説」に登場する龍にご挨拶。
田沢湖
田沢湖の謎を探るバス旅
田沢湖駅から、湖を一周して見所ポイントで停車してくれる路線バス「田沢湖一周線」に乗って、田沢湖の伝説を探検します。
しばらくすると右手に湖! 天気は悪かったけれど、木の向こうに見える田沢湖は一瞬だけ本当に瑠璃色でした。
バス内では田沢湖の説明アナウンスが流れます。水深423.4mで日本一の深さ、周囲約20kmのほぼ円形の湖。冬でも凍らず、美しい水面を見ることができるそうです。
たつこ像
瑠璃色湖に、黄金に輝くあなたの名は?
田沢湖駅から約30分、停留所「潟尻」に到着。ここで約20分間、バスが停車します。
田沢湖には「たつこ姫伝説」といういい伝えがあります。「昔、美しい辰子という女性が、永遠の美を求めて百日百夜の願をかけた。お告げに従って、泉の水を飲んだ辰子だったが、最後は龍となり湖の龍神になった」という、ちょっとさみしい話。
停留所「潟尻」から2分ほど歩くと、湖の中に黄金の「たつこ像」。美しい冬の湖に立つ辰子は、輝きながらも寒そう!
田沢湖を見守るようにある「漢槎宮(かんさぐう)」は、流れついた大きな浮木を祀ることから「浮木(うきき)神社」とも呼ばれています。
実は「たつこ姫伝説」には続きがあります。人間から龍になった八郎太郎が辰子と愛し合うようになり、田沢湖で一緒に暮らすようになったことで、田沢湖はより深くなり、凍らなくなったとか……。そんな伝説からか、漢槎宮は縁結びのパワースポットとしても知られているそうです。
散策を終えて、再度バスに乗車。徐々に雪が降り始めました。
御座石神社
雪景色の中、樹齢450年のご神木とご対面
停留所「潟尻」を出発して約10分後に停留所「御座の石」に到着。ここでは約10分間停車します。
「御座石(ござのいし)神社」に向かいました。
「御座石神社」の名称は、慶安3年(1650年)に秋田藩主が田沢湖を遊覧した際、岩に腰かけて休んだことに由来するといわれています。
雪景色の神社は風情あり!
境内には雪の中、寒そうな「たつこ姫像」がありました。この神社は龍湖姫神(たつこひめのかみ)を主祭神と祀ることから、美貌成就のご利益もあるそう。
天然記念物でもある御神木「御座の石の杉」は樹齢450年。その壮観な姿にご挨拶してからバスに戻ります。
再びバスに乗って、停留所「御座の石」から約10分で停留所「田沢湖畔」に到着すると、前が見えないほどすごい吹雪!!!
停留所から本日のお宿「田沢湖レイクリゾート」までは、宿の送迎バス(事前予約制)を利用しました。バスの時間が合わない時は、迎えの乗車場所は相談に乗っていただけるそうで安心です。
田沢湖レイクリゾート
ホテル到着! ほかほか温泉と秋田ごはん
ホテルに到着したのは、15時くらい。朝ゆっくりめの出発で、田沢湖を巡ってこの時間! 東北への旅、遠く感じていたけど実は近いかも。これなら雪景色と温泉を楽しみに気軽に来られそう。
雪で冷えた体を温めるといえば、、、やっぱり温泉!
露天風呂の岩に積もる雪、上を向いても雪。雪の中ほかほか温泉に浸かれるとは、これ以上求めるものはあるかしらと思うほど。
すっかり体があったまり、お楽しみの夕食。バイキングスタイルで、和洋中いろいろあるなか、「秋田らしいもの」をテーマにして盛り付けした料理はこちら。
秋田の定番「いぶりがっこ」の燻した香りに秋田気分が高まります。
「がっくら漬け」、別名「なた漬け」は、大根を鉈(なた)で荒く削るため麹(こうじ)が馴染みやい秋田の郷土料理。麹の甘みがほんのり。
そして粘りがあって驚いたのは「ギバサ味噌」。男鹿の特産品であるギバサは海藻で、納豆以上に粘りがしっかり! 味噌味でご飯もすすみます。
「みずこぶ漬け」は、地物の山菜「みず」を醤油漬けにしたもの。ねっとりしゃっきりとした食感は、みず独特。東北では定番の山菜です。
生産量日本一を誇る秋田県の「じゅんさい」。つるりとした喉越しはじゅんさいならでは。
そのほか、「秋田牛と善五郎豆腐の地酒かす煮」は天然水で仕込んだ豆腐と、酒粕と味噌でコクを出した体温まる一品。「田沢湖紅鱒の刺身」は、仙北市で育てた紅色が美しい鱒、程よい脂。「イワナの甘露煮」はイワナを焼いた後、骨まで食べられるようふっくら炊き上げた郷土料理、身がふんわり。
さらに、「あみ茸菊花おろし和え」「八幡平マッシュルームハンバーグ」「ハタハタのサオール(マリネ)」など。秋田らしい夜ごはんを満喫しました。
1日目に満足しつつ、明日も楽しみ!
田沢湖レイクリゾート
朝ごはんも秋田を満喫!
朝温泉を楽しんだ後は、朝ごはん会場へ。
定番の洋食もありつつ、秋田色あるバイキングスタイル。
「きりたんぽ鍋」は鶏だしとごぼうなど根菜の相性がピッタリな旨みあふれるスープ、仕上げに根っこ入りのセリをのせる本格的なもの。体が温まります。
美味しくてつい、おかわり!
秋田を代表する麺「稲庭うどん」に、定番の「ハタハタ」の塩焼き。昨夜に続き、地元の豆腐屋「善五郎豆腐店」の豆腐も。
雪景色を眺めながら、秋田ご飯で良い1日の始まりです。
田沢湖駅
田沢湖から角館の風情ある武家屋敷へ
送迎バスで田沢湖駅へ。
駅で出会った方から、昔は馬そりでお米を駅まで運んでいたこと、いぶりがっこは、もともと囲炉裏の上で燻していたが今は専用の小屋で作っていることなど教えていただきました。
田沢湖線の大曲行きに乗り、JR角館駅に向かいます。
乗車時間は約25分。新幹線もありますが、在来線で雪景色をゆっくり楽しむのが良い。本数が少ないので、時刻表に合わせてスケジュールを決めるのも楽しいです。
角館周辺
角館到着! 武家屋敷、郷土菓子を楽しむ
角館駅に到着! まずは、観光案内所でマップを貰いましょう。この日は小雨でしたが、こちらで傘も貸していただけます。
駅から歩いて、古い町並みの武家屋敷通りへ向かいます。
角館駅から徒歩20分ほどで「河原田家」へ。
こちらは、2021年に一般公開された明治24年建築の屋敷。親切なスタッフ・鈴木さんが、藩政時代そのままの部屋を楽しく説明してくださいます。
正面玄関は主人より目上の方が出入りするときに使用し、脇の玄関は家族や親しい友人が出入りするときの玄関として使い分けられていたそうです。
雨で縁側が閉められていたため見られませんでしたが、縁側からは四季折々の美しいお庭を楽しむことができるそうです。
さらに再び古い町並みを楽しみながら、5分ほど歩いたところで、「武家屋敷の茶屋」に到着。
温かい「稲庭うどんの豪華えび付き」! 「味噌きりたんぽ」も注文。
稲庭うどんは細くても程よくコシがあり、なめこ入りです。秋田では納豆汁や、菊と和えるなど、旬の時期には何かとなめこを使うようです。
きりたんぽは、マタギたちが携行した保存食が始まりといわれています。
こちらの味噌きりたんぽの味噌は、秋田定番の麹が多い味噌に甘みを足してつくり、茶屋オリジナルのタレとなっているそう。私の故郷・岐阜の五平餅を思いだす美味しさでした。
武家屋敷通りを楽しんだ後は駅に向かいます。
角館駅周辺
角館のかわいい郷土菓子
角館駅に向かう途中で、和菓子屋「渡部なると餅店」の菓子棚に並ぶ美しい菓子が目に留まり入店。
梅型で黄色が鮮やかな「なると餅」、茶色の「えびす餅」。角館の名物で町の各所で見かけました。
1枚の笹の葉に2個ずつのる姿もかわいい。なると餅の黄色は、昔は粟を使っていた名残。もち米を荒く砕いて使っているため、「米」感があります。一方、えびす餅は、もち米を細かく粉にして使っているため、もっちりとした食感。それぞれ餡子入りで美味しい!
角館に来たからこそ食べられる、地元の方達から愛されるお菓子でした。
角館駅から、秋田新幹線「こまち」で東京に帰ります。1泊だったと思えないほど、秋田のご飯に、田沢湖に、雪景色に、温泉に。優しい人たちとも出会い、冬でもほっかほかの列車旅になりました!
東京駅
掲載情報は2022年2月9日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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