『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』ホラー愛あふれる監督が語る!「バイオハザードにはロメロやゾンビ、愛するものすべてが詰まっていた」

全世界のシリーズ累計売上本数が1億1700万本を超えるカプコンの大人気ゲームから生まれた、大ヒットサバイバル・アクション映画『バイオハザード』シリーズ。その「バイオハザード」の原点を描く新たな映画『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』が現在大ヒット上映中です。

1998年9月30日、ラクーンシティ。この日、この街で何が起こったのか? <アンブレラ社>が秘密裏に行っていた人体実験。「絶望」がこの街で産声をあげる…。本作を手がけたヨハネス・ロバーツ監督のインタビューが到着しました!

――本作は、原作であるゲームの恐怖感をとても表現した映画となっていますね。作品作りのバランスはどの様にとりましたか?

映画とビデオゲームの違いは、キャラクターが生きていること、呼吸していること、個性と感情を持っているということです。観客にはキャラクターに恋をして欲しい。 僕はオタクなのでイースターエッグは楽しかったですけど、イースターエッグを見つけるだけの映画ではなく、バイオハザードゲームの世界に息を吹き込みたかったのです。課題の1つは、バイオハザードのカルト映画のようにしないことでした。人々はゲームの側面を望んでいるけど、何か新しいものも望んでいる。そのバランスはトリッキーでした。バランスの取れたものを製作できたことを願っています。

――ゲームをプレイした人、ファンの人を意識されましたか?

いつ、どこで、どのようにゲームをプレイしたかによって、ゲームとのつながりは人それぞれだと思うので、ファンを喜ばせようとするのはいつも緊張します。学生とそれ以上の年齢の方はイメージが違います。誰もが自分のイメージを持っているので、みんなを喜ばせるのは難しい。 僕はこのゲームに非常に情熱を持っているので、バイオハザードオタクです。 みんなを喜ばせる最善の方法は、僕がバイオハザードオタクとして、このフランチャイズを25年間愛している人間として観たいものを映像化することだと思いました。 私のバイオハザードへの情熱が映画を通してみんなに届くことを願っています。

――バイオハザードへのリスペクトをとても感じたのですが、監督とバイオハザードとの出会い、印象的な思い出があれば教えてください。

ホラージャンルが低迷しているときに、バイオハザードに遭遇しました。それは1990年代で、スティーヴン・キングやジョン・カーペンターのような僕のヒーローは自分たちの立ち位置も見つけられず、もはや人気もありませんでした。ホラー映画は、カメラに向かってまばたいたり、叫ぶようなものになっていました。僕はホラーにはとても情熱を持っているが、ホラージャンルにとっては非常に奇妙な時期でした。

その後、バイオハザードゲームが登場し、それにはロメロやゾンビなど、愛しているすべてのものが含まれていました。ゲームを通して、ホラーについて同じように感じている人々がいることを知ることができて嬉しかった。ゲームは僕にとって映画のようなものだったので、座って他の人がプレイするのを見ていた。当時学生だったので、人々はそれを遊んで怖がっていたけど、彼らは色んな映画の参考文献を理解していませんでした。僕はゲームを見て、特定のものがどこから来ているのか、そしてその背後にある情熱を理解していました。バイオハザードは常に僕の一部でした。映画製作者になった頃なので、このフランチャイズと一緒に成長しました。そういうわけで、この映画を作ることができるのはとても嬉しいです。

――ホラーというものは、昔よりも更に幅広いジャンルに育っている様に感じます。それについてどう思いますか?そして、現在のホラージャンルに対してのこの映画の位置付けを教えてください。

僕はホラーオタクなのですが、今はホラー映画にとって非常に興味深い時期だと思います。ストーリーテラーとしての僕の2つの試金石は、スティーヴン・キングとジョン・カーペンターです。朝起きたら、ジョン・カーペンターになりたい、スティーヴン・キングになりたいと思って一日を始めます。

この2人の映画監督に基づいて、過去20年間のキャリアにアプローチしてきました。キャリアを始めたとき、彼らはあまり人気がなかったけど、今ではスティーヴン・キングが大きなルネッサンスを迎えている。ジョン・カーペンターも同じ。彼は「ハロウィン」のような映画や「炎の少女チャーリー」のような作品の依頼を、今受けています。これらの年配の監督が再び人気を博すのはクレイジーな時代な象徴だと感じています。

「ヘレディタリー/継承」を観たときはとても気がかりで、皮膚に潜り込んでいくような感じでした。ストーリーテラー兼ディレクターとして、観客をそういう気持ちにしたいです。そのため、この映画ではリサ・トレヴァーのキャラクターを非常に大きくしました。そして、70年代の単一のカメラでそれを撮影した。ズームレンズやドローンは使用しないで、すべてを非常にレトロにしました。エクソシスト風の映画製作とクラシックに戻りたかったのです。また、キャラクターが少し場違いで時代に合わないジョン・カーペンター風のユーモアを目指しました。基本的には「要塞警察」みたいな映画を作りたかった。非常にレトロな映画製作だから、観客がそれにどのように反応するかを見るのは非常に興味深いです。

ラクーンシティは間違いなくスティーヴン・キング風な町です。音楽でさえ、ゴブリンやエンニオ・モリコーネを彷彿とさせる特定のスタイルです。現代のティーンエイジャーがそれにどのように反応するかはわからないけど、聴衆が古典に戻っているので、若者も好きになると願っています。

『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』公開中
原題:Resident Evil: Welcome To Raccoon City
US公開日:2021年11月24日
脚本・監督:ヨハネス・ロバーツ
出演:カヤ・スコデラリオ(クレア・レッドフィールド役)/ハナ・ジョン=カーメン(ジル・バレンタイン役)/ロビー・アメル(クリス・レッドフィールド役)/トム・ホッパー(アルバート・ウェスカー役)/アヴァン・ジョーギア(レオン・S・ケネディ役)/ドナル・ローグ(ブライアン・アイアンズ役)/ニール・マクドノー(ウィリアム・バーキン役)

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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