ホットカーペットの上で寝ると体力が低下!!体を温めているつもりが実は冷えの原因?
日較差が5度以上ある時は衣服を見直す事が大切
11月に入り立冬を過ぎると、12月の冬至迄、日中の気温が下がり続けます。一日の気温差が大きいと、体温を維持するため、肝臓の働きが活発になります。最高気温と最低気温の差を指す日較差(にちかくさ)が5℃を超えると、内臓の負担が大きくなり体調を崩しやすくなります。10℃を超えると、自力で体温調節する事は困難だと言われています。肝臓の疲労が顕著になると、肉体面では、腰痛、肩こり、眼精疲労、めまい、蕁麻疹や神経痛等が出てきます。食欲が低下し始めると低体温になりやすいので、冷え性だと思うようになります。精神面では、イライラする、怒りっぽい、集中力がない、気持ちが長続きしない等の症状を感じます。日較差に対応するためには、衣服を多く着て、何時でも脱げるようにする事が良いと思います。また、冷え性だと思う方は、スカートを見直す事が大事です。パンツ姿が一番理想的ですが、素脚を出さない事がポイントです。日較差が10度を超える時は、温かい食事にし、職場や居所の環境を見直し、寒さを感じない工夫が大切です。
寒いときは室温管理が大切
夏の室内快適温度は室外の3℃差と言われますが、冬の快適温度を示す基準は見当たりません。私は、長年の臨床経験上、冬の室温は、活動時は19~21℃、食事時は22~25℃、安静時は26~28℃が適当だと考えています。室温が18℃以下になったら、日光が入らない部屋では暖房した方が良いという考えです。安静時の室温に関しては、特に、病気をしていて、体温調節が難しい方に、勧めています。日較差が10度以上あり、温かいものを食べ厚着をしても寒さを感じる時は、室温調節が有効です。
床暖房やホットカーペットに直接寝ていると腎臓機能の低下を招く
北海道のような寒冷地は、室内の温度を高くしていますので、薄着で過ごしている人が多いと思います。気温が氷点下にならない地域の人は、暖房に無頓着な人が少なくありません。室温が15℃くらいになっても暖房をしないという人が沢山います。中には10℃を切っても暖房をしないという人もいます。そのような方は、暖房器具にも無頓着です。鼻水や咳が出始めたら、身体が寒さを感じている事を知るべきです。床暖房やホットカーペットで主に過ごす方、電気式掛毛布を膝に掛けるだけで過ごす方や炬燵(こたつ)のみで過ごしている方が多く見られます。机で作業している時、足元にホットカーペットを敷き、直接素足のままで脚を置いている人もいるようです。床暖房、ホットカーペット、電気式敷毛布や電気式掛毛布などは、暖を取るとき直接肌に触れますので、即座に寒さをしのぐ方法としては有効です。エアコンやストーブなどで室温が上昇するまでの間は問題ありませんが、室温が上昇し体が温まった後も上記のような器具が体に触れていると、皮膚が開き、体熱が外へ出始めます。外気温は体温より低いので、暖房器具から離れると冷気が体内に入り込み、結果的に体温は低下します。炬燵、湯たんぽやカイロのような類いも同じ現象が起きます。
体を温めようと思った行為が、逆に体を冷やす要因になっている事に気付いていない人は少なくありません。常時暖かいものを身に付けていると、脳はその部分を冷やそうとして、血液を送らなくなるからです。布団や毛布を掛けず、床暖房やホットカーペットでうたた寝をすると、体調不良になります。一番ダメージを受けるのは腎臓だと認識しています。腎臓の機能が低下すると、日常的に風邪様の状態になり、頻繁に咳が出るようになります。床暖房を付けたまま直接寝具を敷いて寝ていると、その状態を助長します。日常的に同じ生活を繰り返すと、次第に体力を消耗し始め、長期間に及ぶと腎臓の機能が悪化し始めます。腎臓の機能低下が顕著になると、肉体面では、腰の重さ、後頚部のこり、体のだるさ、耳鳴り、めまいを感じるようになります。ひどくなると、腰が抜けるようになって立っているのが辛くなり、横になる事を好むようになる、精神面では、やる気がない、根気がない、気力がわかない、被害妄想が出始める、対人関係が嫌になる等の症状を覚えます。腎臓病へと病状が進む事も考えられます。
体温調節が困難な時は鍼灸治療や運動(ヨガ)が有効
毎日寒さを感じる、手足が冷たい、体温が36度を超えない、体温が34度台であるという方に、鍼灸治療は有効です。暖房器具の用い方や室温に注意し、鍼灸治療を定期的に行えば、内臓機能が正常化して体温機能を正常化する事が可能になります。お近くの鍼灸院や鍼灸師が勤務する医療機関にご相談戴きたく思います。また、日常の生活を見直す事により、症状の軽減が期待できます。体温を維持するために必要な生活の基本は運動です。スポーツをする事が困難な方にヨガ(YOGA)は有効です。YOGA 治療を行っている先生に相談して、適切な運動法を身に付けて戴きたく思います。清野が呼称する養正(ようせい)治療は、運動を含めた日常生活の健康指導です。生活指導をして戴ける鍼灸院にご相談ください。
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