コロナ禍で関心が高まる“空気環境”。気になる「よどみ」の解消法は?
コロナ禍で、これまでよりも自宅の“空気環境”への関心が高まっただろう。ダイキン工業が、「第27回現代人の空気感調査」として、インドア(室内)とアウトドア(屋外)の空気に対する意識を調査した。その結果によると、コロナ禍で在宅時間が増加したことで、これまであまり意識してこなかった室内空気の息苦しさなどに気付くなどの変化が見られたという。
【今週の住活トピック】
「インドア(室内)とアウトドア(屋外)の空気感調査」を発表/ダイキン工業
「冬場の自宅の乾燥・換気に関する意識調査」を発表/一条工務店
コロナ禍の自宅の空気環境の課題は、空気のよどみ、室内の温度と湿度の維持・調整
ダイキン工業が、テレワークを経験し、コロナ禍前より在宅時間が増えている会社員(20~50代)に、「自宅の空気に息苦しさ(閉塞感・密閉感)やよどみ(こもっている、滞留している感じ)のようなものを感じることがあるか」を聞いたところ、68.0%の人が「感じる」(「よく感じる」20.8%+「たまに感じる」47.2%)と回答した。
「自宅でのテレワーク時に、次の空気の課題についてどのくらい感じるか」を聞くと、「空気のよどみ」「快適な温度の維持・調整」「快適な湿度の維持・調整」が上位に挙がった。
■自宅でのテレワーク時に感じる空気の課題
自宅でのテレワーク時に感じる空気の課題(出典/ダイキン工業「インドア(室内)とアウトドア(屋外)の空気感調査」より転載)
課題として上位に挙がった3項目を男女別に見ると、「空気のよどみ」は男性のほうが多いが、「室温」と「湿度」の維持・調整では女性のほうが多いことも分かった。
また、「室内の空気環境がテレワークのパフォーマンスに影響すると思うか」を聞くと、92.5%が「影響する」(「影響すると思う」48.0%+「どちらかといえば影響すると思う」44.5%)と回答した。
換気を意識するものの、乾燥する冬は換気を怠りがち
さて、自宅の空気環境は夏場と冬場では状況も変わる。次に、一条工務店が発表した「冬場の自宅の乾燥・換気に関する意識調査」を見ていこう。
室内の空気環境は、新しい空気を室内に取り込む「換気」をすることが解決策になるが、「新型コロナウイルスの影響で換気を意識するようになったか」を聞いたところ、67.5%が「換気を意識するようになった」(「すごく意識するようになった」29.5%+「意識するようになった」38.0%)と回答した。
調査では具体的に、自宅の換気について「1日の換気回数」と「1日の換気時間」を夏と冬でそれぞれ聞いている。回数はいずれも「1~2回」が6割超と最多だったが、「0回」は夏(上)が10.5%であるのに対して、冬(下)は20.2%となり、全く換気をしない人が夏の2倍になった。また、換気時間は、夏では「10分以上」が55.7%と最多で「5分未満」は21.4%と少なかったが、冬では「5分未満」が44.8%と最多で、1日の換気時間が5分未満なのは夏の2倍以上になっている。冬になると、換気の回数も時間も一気に減ることが分かる。
■1日の換気回数
■1日の換気時間
1日の換気回数と換気時間(夏と冬の比較)(出典/一条工務店「冬場の自宅の乾燥・換気に関する意識調査」より転載)
「自宅の換気を面倒だと感じるか」を聞くと、76.0%が「面倒と感じる」(「すごく感じる」35.4%+「まあまあ感じる」40.6%)と回答し、換気を意識するものの換気をすることは面倒だと感じる人が多いことが分かった。
空気環境対策として、アウトドアを活用する手も
先ほどのダイキン工業の調査結果に戻ってみよう。空気環境の3大課題は「よどみ」「室温」「湿度」だった。室温を維持するには住宅の気密性・断熱性を高めるのが効果的だが、気密性・断熱性を高くすると室内の空気が外に出にくいので、中にいる人の呼気や煮炊きした湿気などがとどまり、空気がよどみやすい。
その対策として換気が必要となる。最近の住宅は24時間換気システムが義務付けられているので、機械換気で自動的にゆっくり空気を入れ替えることが可能だが、窓を開けて自然換気をしようとすると、冬の冷たい外気が室内に入るのを嫌ったり、室内が乾燥しているので湿気に気付きにくかったりという背景もあって、冬に換気を怠りがちになるのかもしれない。
さて、ダイキン工業の調査では、「自宅の空気に感じる息苦しさ(閉塞感・密閉感)やよどみ(こもっている、滞留している感じ)を解消(または予防)するためにしていること」を聞いている。一番多かったのは、やはり「換気」(73.9%)だったが、「近所を散歩する」(64.6%)や「ベランダに出る」(46.4%)など、アウトドアの空気を活用していることが分かる。
■空気の「息苦しさ」や「よどみ」を解消するためにしていること
空気の「息苦しさ」や「よどみ」を解消するためにしていること(出典/ダイキン工業「インドア(室内)とアウトドア(屋外)の空気感調査」より転載)
また、コロナ禍で「ソロキャンプ」がはやるなど、アウトドア活動が注目されたが、上記の空気の息苦しさやよどみの解消についても、ベテランアウトドアユーザーの回答に興味深い傾向があるという。ベテランアウトドアユーザーは「換気」(78.8%)、「近所を散歩」(76.9%)など、10項目中8項目で回答者の全体平均を上回った。中でも、「近所をウォーキング等」(73.1%)、「近所の公園に行く」(46.2%)は全体より大きく上回り、同社では、「『外』の空気とつながる手段を意識的・無意識的に、いくつも講じることで、心身ともにリフレッシュできているのではないか」と見ている。
筆者自身も今の季節は、外から戻って玄関を開けた途端、室内の空気のよどみに気付くことがある。あわてて窓を開けたり、キッチンの換気扇をつけたりしている。外の空気を吸うことで、室内のよどみに気付く効果もあるので、換気することは重要だが、外の空気でリフレッシュすることの効果も大きいだろう。
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