【おこもり宿】福島・野地温泉でお湯巡り、森林浴でリフレッシュ
旅に温泉は欠かせない! 温泉ライターの泉よしかです。
今回は福島県にある雲上の温泉宿でおこもりステイ。お湯巡りと、宿周辺のブナ林の緑に癒やされてこようと思っています。1泊2日の列車旅でどんな幸せ気分を味わえるのでしょうか。それでは出発しましょう!
東京駅
東京駅発、福島駅までは1時間半ほどで到着
JR東京駅の新幹線ホームに立って構内アナウンスを聞いていると、旅へのワクワク感が抑えきれません。北へ向かう新幹線の旅はいつも旅情を誘い、胸を高鳴らせてくれます。
東北新幹線「やまびこ」に乗り、わずか1時間半ほどでJR福島駅に到着。えっ、そんなに近いの? と思うほど。あっという間ですね。
福島駅
なんて楽ちん! 送迎バスで宿へ直行
福島駅で下車。駅の西口に、これから向かう「野地温泉ホテル」の送迎バス(事前予約制)が待っていました。宿まではバスで約50分の道のりです。
これって凄くないですか? 新幹線+送迎バスで標高1,200メートルの高さにある宿まで一気に連れて行ってもらえるなんて。便利すぎ!
野地温泉ホテル
お風呂巡りができる温泉ホテルでのんびり
福島駅で今にも降り出しそうだった空は、宿に到着する頃には、残念ながら雨模様に。
宿の感染症対策は非常にしっかりしていました。送迎バス乗車時、ホテル入館時の手指消毒と検温、チェックイン時にはマスクケースの提供も。食事の席も配慮されており、おこもりステイを安心して楽しめます。
さて、これから何をするか!?
じゃじゃーん。
答えはもちろん、お湯巡りです! 待ってました!
なんと、野地温泉ホテルにはお風呂が6つもあるんですね。男性大浴場の「剣の湯」と女性大浴場の「扇の湯」があり、「扇の湯」には女性専用の露天風呂「羽衣の湯」が付いています。
男女入れ替え制の「天狗の湯」「千寿の湯」「鬼面の湯」は、3時間ごとに男性と女性の利用時間が切り替わります。入りそびれた! と思っても、1日のうちにチャンスが複数あるので、うっかり者の私には嬉しいです。
というわけで、最初にやってきたのは女性大浴場「扇の湯」&女性専用の露天風呂「羽衣の湯」。まずここで度肝を抜かれます。
湯口から大きな音を立てて、扇形の浴槽に流れ出る天然温泉の湯量。そして、何より驚かされるのは窓の外の景色です。モクモクと湧き上がる迫力の蒸気は、まるでお風呂のすぐ横に噴火口でもあるかのよう!
野地温泉は、液体(湯)ではなく高温の蒸気で湧いているのです。水蒸気やガス状で湧く温泉に水を通すなどの方法で液体にしたものを「造成泉」と呼びますが、野地温泉ホテルではこの温泉の蒸気に天然の山水を通して造成泉にし、浴槽に注いでいます。泉質は単純硫黄泉で、循環はせずそのままざぶざぶと源泉かけ流し。
ミルキーブルーの白濁したお湯の色にも癒やされます。立ち上る硫化水素のにおいとともに温泉情緒は満点。
お部屋で一休みした後は、女性の利用時間に合わせて「天狗の湯」へ。
こちらはなんと内湯と露天風呂が繋がったウォークスルーの浴槽。露天風呂に出るとお湯の神様である湯殿神社が祀られていました。振り返ると壁に大きな天狗の面。
野地温泉ホテル
夕食は福島産の牛肉や馬刺に舌鼓!
夕ご飯は卓上に所狭しとお皿が並びます。いかにんじんやにしんの山椒漬けなど福島の郷土料理に、なら茸、網茸といったきのこを使ったお料理も。
そして「福島県産黒毛和牛鍋」が凄い! 見てください、この美しい霜降り! 地元福島産の黒毛和牛です。沸騰したお鍋におそるおそる投入して、加熱しすぎないように注意しつつちょうどいいタイミングでお皿へ。口に運ぶと甘~い。柔らか~い。シアワセ~。
別注の一品料理、「会津名物馬刺」の美味しさは特筆もの。馬刺は醤油で食べるものと思っていましたが、会津ではニンニクの効いた辛味噌で食べるのが一般的とか。厚みのある馬刺で味噌をくるりと巻いてパクリ! くせのある辛みとあっさりした爽やかな甘味がハーモニーに。
夕食後は「千寿の湯」に行ってみました。
ここは内湯のみで、露天風呂も洗い場もありません。木製の浴槽が3つ並んでいるだけです。
6つのお風呂の中で、最も源泉に近い位置にあるのがこの「千寿の湯」。つまり、この宿で最も熱いお風呂なのです。湯の花も多く滑らかで濃さを感じますよ。
3つの浴槽は丸い穴で繋がっていて、湯口から浴槽ごとに2℃位ずつ湯温が下がります。ですから、湯口から一番離れたぬるめの浴槽(手前)から入って、体を慣らしながら熱い浴槽に移動していくのをおすすめします。
たくさん温泉に入って、寝る前にはもうお肌が怖いくらいにすべすべですよ。明日は晴れてほしい!
野地温泉ホテル
待ち望んだ野地温泉の晴れ空
朝です! 開放感抜群の露天風呂からおはようございます。
「鬼面の湯」は朝風呂のお楽しみに取っておきました。ここは屋根のない露天風呂のみ。朝陽のあたる濁り湯はその美しさも格別。
そして朝からお風呂に入ればお腹も空きますよね。朝食のお楽しみは野地温泉を利用してつくった自家製の温泉卵。豆乳の湯豆腐もアツアツで、美味しくいただきました。
ブナッ子路
ブナ原生林の緑に癒やされる散策
さて、待ちに待った日差しです。帰りの送迎バスの出発時間まで、宿の周辺を歩いてきましょう。
宿の周辺にはブナの原生林があり、散策をしながら森林浴が楽しめます。散策路には、ミズバショウやリュウキンカの花が咲き乱れる(5月中旬頃)「湿原遊歩道」もありますが、今回は「ブナッ子路」という片道約90分の散策路へ(※)。ただし、雨上がりで足元がぬかるんでいたため、行けるところまで歩いてみることにしました。
※編集部注:湿原遊歩道、ブナッ子路の状況や装備などの準備については、宿泊先や観光協会などに確認の上で歩いてください。詳しくはこちら
木立から差し込む陽光に、日常の疲れが溶かされていくようです。昨日が雨だったからなおのこと、緑がまぶしく山が美しい!
この先、急な上り下りの後に福島市内が一望できる眺望スポットが待っているのだそうです。次回のお楽しみだなこれは。
福島稲荷神社
安倍晴明ゆかりのパワースポット
ホテルの送迎バスで福島駅に到着した後は、今回の旅、最後の目的地「福島稲荷神社」へ。福島駅の東口から徒歩約12分です。
見上げているのは、立派なヒノキの大鳥居です。こちらの神社は、あの有名な陰陽師・安倍晴明が創建したと伝わっているのです。これはご利益がありそう! 境内には清々しい空気が満ち溢れています。
手水舎に近づくといきなり竹筒から水が! えっ、柄杓を廃止して自動で手を清められるようになっている!? 感染症対策とはいえなかなかハイテクです。
主祭神は衣食住を司る女神・豊受比売命(とようけひめのみこと)。商売繁昌のご利益があるそうなので、どうか商売が繁昌して、一生食い逸れることがありませんようにとお祈りしてきました。
さて、福島稲荷神社はとても珍しいお守りがあることでも知られています。それはなんと「競馬勝ち守り」。これは福島が馬の産地として名を馳せていたことと関連があります(しまった、昨夜美味しく馬刺を食べてしまいました!)。
福島市には福島競馬場がありますが、もともと福島の競馬の歴史は神社への奉納競馬から始まり、100年もの伝統があります。競馬と深いつながりのある神社だからこそのユニークなお守りなんですね。デザインは全5種類。いずれも豪華な西陣織。競馬を嗜む人が懐に忍ばせておけば神様のご加護が得られそうですよ。
福島駅
名残惜しい帰路、さようなら福島
再び福島駅へ。白濁した雲上の温泉をのんびりたっぷり堪能し、おこもりステイで癒やされた1泊2日。列車の旅でこんなに手軽にリフレッシュできると思いませんでした。これでまた明日から頑張れる!
駅のホームに入ってくる帰りの新幹線を見るとなんだか寂しくなります。でもまた来ればいいですね!
JR東京駅
掲載情報は2021年11月9日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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