コロナ対策、人気は「玄関クローゼット」。一戸建ての設計に世相が見えた!

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コロナ対策、人気は「玄関クローゼット」。一戸建ての設計に世相が見えた!

住宅金融普及協会が、住宅事業者を対象に、近年供給されている一戸建ての設備及び仕様等に関する実態を把握するためのアンケート調査を実施した。その結果は、近年のコロナ禍や災害頻発などの社会情勢を反映したものになった。詳しく見ていこう。

【今週の住活トピック】
「住宅の設備および仕様等に関する事業者アンケート調査」結果を公表/住宅金融普及協会

住宅設計上のコロナ対策では、玄関にクローゼットが人気?

筆者が注目した調査結果の一つが、「住宅設計における新型コロナウイルスの感染予防対策への取り組み」についてだ。住宅事業者がコロナ下の2020年度に供給した、一戸建ての注文住宅または建売住宅について、次の4つの設備等を設置したかどうか聞いている。

(1)玄関に手洗い設備等の設置
(2)玄関にクローゼット等の設置
(3)在宅勤務スペースの設置
(4)宅配ボックスの設置

その結果は以下の通り。各住宅事業者が供給した「すべての住宅に設置した」か「一部の住宅に設置した」か、あるいは「設置実績がない」かを回答したものだ。

住宅金融普及協会「住宅の設備および仕様等に関する事業者アンケート調査」より転載

住宅金融普及協会「住宅の設備および仕様等に関する事業者アンケート調査」より転載

最も設置されたと考えられるのが「玄関にクローゼット等」だろう。玄関に下足入れ(靴箱)を設置するのは当然として、その脇などにコートなどが収納できる高さのクローゼットを設置するプランだ。そこにコートや上着、カバンなどを収納すれば、外出先から持ち込んだウイルスを玄関で留める効果が期待できる。

「宅配ボックス」や「在宅勤務スペース」の設置も多い。宅配ボックスは、外出が減ってネット購入が増えたこと、対面せずに受け取れることなどから、ますますニーズが高まった。在宅勤務がコロナ下で普及したことで、自宅にワークスペースを設けるニーズも生まれた。

「すべての住宅に設置」と「一部の住宅に設置」の比率の違いは、コロナ前からニーズがあったかどうかではないだろうか? 玄関脇のクローゼットや宅配ボックスはコロナ前からニーズがあったものだが、ワークスペースは一部の人にしかニーズがなかったし、「玄関手洗い」はコロナ禍で創出されたニーズだ。コロナ前は洗面所で手を洗えば十分だったので、玄関に給排水管を引いてまで手洗い場を設けるプランはめったになかった。こうした違いが、今回の調査結果にも影響していると思われる。

いずれにせよ、新型コロナウイルス感染拡大により、住宅の設計に変化が生じたことは間違いないだろう。

住宅の耐震性向上のために制振の採用が増加?

次に筆者が注目したのは、「震災対策への取り組み」だ。南海トラフ地震などの巨大地震が発生するリスクが高まっている。そんななかで、住宅の耐震性をより高めたいというニーズが感じられる結果だ。

住宅金融普及協会「住宅の設備および仕様等に関する事業者アンケート調査」より転載

住宅金融普及協会「住宅の設備および仕様等に関する事業者アンケート調査」より転載

住宅の耐震設計には「耐震」「免震」「制振(制震)」がある。地震の揺れで倒壊しない頑丈な構造にしようというのが「耐震」で、一戸建ての一般的な建て方になる。

これに対して、「免震」は基礎の上に揺れを吸収する免震装置(積層ゴムやボールベアリングなど)を設置して、その上に建物を支える鉄骨の架台を置いて建物の土台を載せることで、建物と地面を切り離す工法。地震の揺れが建物に伝わる前に吸収されるので、揺れが大幅に軽減される。ただし、費用もかかるので一戸建てで採用される事例は少ない。

一方、最近増えているのが、壁などの構造材の一部に制振装置(ダンパーなど)を使って、地震の揺れを吸収する「制振」だ。免震が地震の揺れを建物に伝えないようにするのに対して、制振では揺れは建物に伝わるものの建物内で揺れを吸収するので、一般的な耐震工法に比べて揺れを抑えることができる。免震ほど費用が掛からないので、採用しやすいという側面もある。

今回の結果を見ると、大規模地震のリスクが高まるなか、より住宅の耐震性を高めようと「制振」を提案したり、選ばれることが多いと見てよいのかもしれない。

また、今回の調査では、行政が普及を図っている「感震ブレーカー」についても質問している。大規模地震では、電化製品が落下することなどによる発火や停電が復旧した際に起こる通電火災などの「電気による火災」も多い。感震ブレーカーは、震度5強以上の地震を感知して分電盤の主幹ブレーカーを強制遮断するもの。不在時やブレーカーを落とす余裕のないときでも自動的に遮断できるので、電気火災を防止する効果がある。

調査結果では42%の住宅事業者が感震ブレーカーを設置(「すべての住宅に設置」22%、「一部の住宅に設置」20%)していた。

こうして調査結果を見ていくと、住宅設計においてはその時々の情勢によるニーズが反映されていると感じる。その後に情勢が変わっても、日々の生活に便利だったり安全だったりするものは、引き続き採用されていくだろう。社会情勢と住宅のプランは、密接に関係しているのだ。

●関連サイト
「住宅の設備および仕様等に関する事業者アンケート調査」結果を公表/住宅金融普及協会

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