TGS2021オフライン会場「日本電子専門学校」で出会った超クオリティの学生作品「AimRacing2021」とその歴史

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TGS2021オフライン会場「日本電子専門学校」で出会った超クオリティの学生作品「AimRacing2021」とその歴史

 

2021年9月30日(木)より開催されました「東京ゲームショウ2021 オンライン」(以下TGS2021 Online)。
本イベントには、東京・新宿の工業系専門学校「日本電子専門学校」も出展、オフライン会場に用意されたのは学生作品20作品、作品数最大級の体験スペース
今回はその中からハンドルコントローラとシートに3枚の大画面モニターと圧倒的なプレイ環境で展示されていた「AimRacing2021」を体験しました。

日本電子専門学校「AimRacing2021」ブース
日本電子専門学校「AimRacing2021」ブースの本格的な陣容 – funglr Games

学生制作の域を超えた本格的タイムアタック「AimRacing2021」

日本電子専門学校「AimRacing2021」プレイ画面
「AimRacing2021」程よく配置されたカーブ表示のアイコン、回るコースマップなどUIも本格的 – funglr Games

AimRacing2021」はリアルに再現された奥多摩周遊道路ダウンヒル4.5kmのコースを走り抜けるタイムアタックが楽しめるドライビングシミュレータです。
操作感は「グランツーリスモ」シリーズ、特に筆者の個人的な感覚で言えば「グランツーリスモ4」あたりの印象に近いでしょうか。

リアルさを感じる挙動として、後輪があまり滑らず簡単にはドリフトしない足回りに調整されているため、冷静なブレーキによるコーナリングが求められる玄人好みのバランス
そして、あえて奥多摩周遊道路を題材にすることにも表れているでしょう、サーキットを走るレーシングカーとはまた異なる趣味と実感の香りのするゲーム作りには自然と好感が生まれるものでした。

また、コースの案内として画面上部にコーナーのアイコンを表示するガイド機能も搭載。ラリーのペースノートを参考として今や多くのゲームに実装されて久しい機能ですが、その例に漏れず本作にも採用。
イベント展示がメインとなるために奥多摩周遊道路の長いコースを覚えてから挑戦とは中々いかない本作の性質にも適う、気の利いた仕様が光ります。

日本電子専門学校「AimRacing2021」プレイ画面
スタート前のデモシーン。夏の奥多摩を鮮やかに再現したライティングが美しい – funglr Games

 

日本電子専門学校「AimRacing2021」プレイ画面
繊細なフォントも現代的。日焼けした路面の表現とともに高解像度な仕上がりを主張する – funglr Games

更には奥多摩の夏を再現したグラフィックも細部の汚れや傷といった経年劣化の様子までリアルに作り込まれ、総じて本作は学生制作とは思えない程のクオリティ
加えて大画面モニター3画面とフットペダル完備のハンドルコントローラという充実の環境もあり、大いに壁にぶつかりながら夢中でコーナーを攻めました。

それにしても1マシン1コースのコンパクトな設計という点を割り引いても、また重ねて失礼な言い方になってしまうことは承知しつつも、「学生作品でなぜこれほどの完成度に?」と思わずにはいられない仕上がり。

本作のクオリティはどのようにして実現できたのでしょうか?

ゲーム制作研究科 開発14年目の大作!

日本電子専門学校「AimRacing2021」タイトルロゴ
「AimRacing2021」タイトルロゴ。小さく表記された”第14弾”が雄弁に語る歴史とクオリティ – funglr Games

超クオリティの秘密はそれもそのはず、「AimRacing」シリーズは「日本電子専門学校 ゲーム制作研究科」によって2007年から作り継がれてきたシリーズであり、本作「AimRacing2021」はシリーズ第14弾、制作も14年目!
東京ゲームショウに第1回から毎年出展し、25周年の歴史に寄り添ってきた同校。その展示の中でも本シリーズは近年の目玉として君臨し、入学志望者の憧れとしても注目されているようです。
大学の卒業研究でも同一のテーマを先輩から後輩へと受け継ぎ、研究を積み重ねていくタイプの研究室がありますが、本シリーズの開発もこれに近いものがありますね。
本作「AimRacing2021」は実際の開発期間こそ2021年8月~2021年9月の2か月間と驚くべき短期間ですが、先輩の「AimRacing」を超えることを目指して憧れの下に集まったデザイナー9人のチームとしてその魂は受け継がれているようです。

AimRacin4 (2011年12月9日)

AimRacing2021 (2021年10月6日)

開発のテーマ・取組は幅広く、レースゲームとしての挙動やグラフィックなど各要素の開発や新ゲームエンジンへのリビルドから、リアルさを追及するための取材も行います。チームを組んで一つのテーマに取り組む様子は本格的なプロのゲーム開発さながら。
その上で先行シリーズが存在することも開発の強味のようで、「AimRacing2021」では前作と同一コースを採用しつつ背景のディテールアップをテーマとして制作されたとのこと。完成された土台の上で力を入れるテーマが明確であり、ハイクオリティなコース再現、操作感とグラフィックの両立も納得です。

また、自分の好きなシリーズの開発に関わることがモチベーションになる形でのゲーム制作は、それこそゲーム会社でも一握りの夢。そうそう経験できないものですが、「日本電子専門学校」ではそのチャンスが「AimRacing」シリーズ14年の歴史として存在することも魅力でしょう。
加えて、どちらかと言えば新規の企画から開発までを同一のメンバーで行うイメージがある専門学校の作品制作。
その中で既存プロジェクトへの参画に近い経験、シリーズ作品のブラッシュアップの経験が積める本作の制作は実際のゲーム制作現場に通じる実践的な環境として、「日本電子専門学校」の強味と言えそうです。

なお、同校ゲーム制作研究科のFacebookページや同科の栗原央道氏によるYoutubeチャンネルでは多くの写真や動画が公開。
本シリーズ開発の様子をイベント会場の動画や研究発表、2年に1度の東京モーターショウ見学レポートなど様々な角度からうかがい知ることができ、そこには1ゲーム作品の制作としてイメージする以上の歴史と車好きの積み重ねが見えました。

次回のTGSも「日本電子専門学校」と「AimRacing」に期待!

日本電子専門学校「AimRacing2021」プレイ画面
ゴール後も赤い路面と路側帯のヒビが丁寧に表現。そして苦戦の跡が見えるタイム – funglr Games

今回は来場者が限定され、今までにない小規模開催となったTGS2021 Online オフライン会場。しかし東京ゲームショウ25年の歴史に寄り添い続けた「日本電子専門学校」の姿はそれでも健在でした。
今後も「AimRacing」シリーズの最新作をはじめとした魅力的な作品群で来場者を迎えてくれるはず。次回作で進化するのは一体どの要素でしょう……画面効果?レイトレーシング?それとも操作感の更なる向上?筆者の妄想も広がります。
いずれにせよ、今後TGSで一般来場が解禁された暁にはぜひ実際に試遊して本シリーズの熱量を直接体験していただきたいですね!
興味の湧いた方はぜひ詳細を「日本電子専門学校」公式サイトでチェック!

© Japan Electronics College

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