藤岡みなみ|人生で初めてスイカを育ててみた【思い立ったがDIY吉日】vol.60
タレントの藤岡みなみさんが、モノづくりに対してのあれこれをつづるコラム連載!題字ももちろん本人。可愛くも愉快な世界観には、思わず引き込まれちゃいます。今回はスイカ栽培について!
藤岡みなみ
タレント、エッセイスト。タイムトラベル専門書店 utouto店主。縄文時代と四川料理が好き。やってみたがり。
ブログ:藤岡みなみ 熊猫百貨店
公式Twitter
公式Instagram
人生で初めてスイカを育ててみた
スイカの中に詰まっているのは思い出。
2021年、私の夏はスイカと共にあった。
5月上旬、スイカの苗を気まぐれで購入してみた。家であのコロンとした実ができたら盛り上がるだろうな、でもまあ素人だし多分無理でしょ、ぐらいの気持ち。考えてみればあのときはまだスイカのことも自分のことも信じていなかった。
庭の片隅に適当に植えて放置していたら、6月の終わりに結実しているのに気がついた。小玉スイカって知らんけどグレープフルーツぐらいの大きさかな? と思っていた私は、7月の頭にその小さなスイカを収穫してしまった。胸をときめかせながら切ってみると中は真っ白。当たり前だ。後から調べてみると小玉スイカでも実ができてから成長するまでに30〜35日程度はかかるらしい。無知による大失敗。ここでスイッチが入った。
次は絶対リベンジするぞと誓い、きめ細やかなお世話を心がけた。人工授粉を行い、実ってからは毎日写真を撮って記録。日々、目に見えて大きくなっていく。目の前で起こっていることなのにちょっと信じられないインパクトがある。この命を全力でサポートしたくなった。スイカ専用のクッションを置き、鳥よけのガードで守る。できることは全部やった。長雨のあとに日照りが続いたときは、スイカが爆発しないか不安で何度もスイカの夢を見た。後半は、叩いたときの音で収穫時期がわかると聞いて毎日ひたすら叩いた。日課になりすぎて、自分のことをスイカ叩き職人だと思うようになった。
37日目。ひび割れることもなく無事に収穫することができた。重さ約5キロ。この夏を両手で持ったらちょうどこんな重さだろうな、と思った。中も真っ赤に熟していて、しっかり甘くておいしい。大成功だ。少しずつ大事に味わって、最後の一切れを食べ終えたとき、8月が終わりかけていた。
藤岡みなみさんのこれまでの記事はこちら
「Pacoma」はホームセンター系のフリーペーパーに出自を持つ、「暮らしの冒険」がテーマのライフスタイル系Webマガジン。ノウハウ記事からタレントの取材記事まで「暮らしを楽しむためのアイデア」をテーマに日々発信しています。
ウェブサイト: http://pacoma.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。