「将来が見えない…」 未来の自分が想像できないときにすべきこととは?
人生を変えたいけれど、何をしていいのか分からない。やりたいことが見つからない。
今のままではいけないと思っているけれど、何を変えれば現状が好転するのか分からずに、結局何もできていないという人は少なくないはずだ。
人生を動かすにはコツがいる。一つ一つステップを踏んでいくことが、思い通りの人生の一番の近道だ。
今回は『「君しかいない! 」と言われる人になる 何があっても食いっぱぐれないための起業家的習慣』(イースト・プレス刊)の著者である今井孝さんに、人生をコントロールできるようになる「起業家的習慣」についてお話をうかがった。
その後編は「なりたい自分」がイメージできないときの対処法から聞いていく。
(新刊JP編集部)
■「なりたい自分」がない。そんな時は「自分を知ること」から始めよう
――本書の冒頭で「『イメージできる未来』が人生を変える」と書かれていて、5章では自分の理想の未来を想像するステップに入ってきます。この未来へのイメージって、若い人の特権で、ある程度年齢を重ねると輝かしい未来を想像することは結構難しいように感じるんですね。その点についてはどのようにお考えでしょうか。
今井:もちろん、理想の未来をイメージするのに年齢は関係ありません。私のクライアントの多くも、40代、50代から起業・副業を始めています。ですので、自分の年齢に合わせて、たとえば30代後半だったら40歳にこうなって、50歳にこうなっていたらいいという未来を描いたほうがいいと思います。今から自分はどうなりたいかを制約をつけずに自由にイメージしてみてください。
――その「なりたい自分」がない場合はどうすればいいですか? 将来のことをイメージしても、今以上のイメージがあまりできないというか。
今井:それは成功体験が不足しているのだと思います。そうなると大事なのが3章の「自分の価値に気づく」のステップですね。自分の価値に気づいたら「ちょっとできるんじゃないか」と思えてくるので、次に未来をイメージするという流れです。
――なるほど。最初から未来をイメージするのではなく、自分を知ることから始める。
今井:そうです。だから、何もイメージができないという人は、1章から順にステップを踏んでいってください。エネルギーが湧いてきて、自分を肯定できるようになれば、未来も拓けてきます。ただ、日々仕事に忙殺されていると、なかなか難しいかもしれません。
――そのために2章の「自分のための時間を手に入れる」というステップがあるわけですね。
今井:そうですね。時間を手に入れて、ちょっとでもいいから好きなことをやり始めて、自分が満たされたら未来へのエネルギーが湧いてきます。
そして、次に自分を棚卸して、自分って結構すごいことやってるじゃないかと認めて、そこからです。
――今井さんご自身は、起業するときにどんな未来のイメージを持たれていましたか?
今井:当時は「ナレッジを体系化しよう」という漠然としたイメージでしたね。そこでビジネスができればいいなと思って起業しましたが、紆余曲折あって今に至ります。当時思い描いた通りではありませんが、方向性は同じだなと。人を育てる、人の成長を促すことが好きなので、セミナーや書籍の執筆は自分にとって天職だと思っています。
――何でもいいので新しいチャレンジをしたいと思っているけれど、なかなかその一歩が踏み出せないという人に向けて、アドバイスをいただきたいです。
今井:本書のステップをイチからやっていってもらいたいですね。そして、自分の変化に気づいていってほしいです。
――変化に気づくことですか。
今井:先ほど5章は難しいという話が出ましたが、1章から順にやっていくと、5章が簡単だと思う瞬間が来るはずなんですよね。それは3ヶ月先かもしれないし、半年先かもしれませんが、実践していくうちに後半の章のハードルがどんどん下がっていくんです。だからこそ、1章から着実に進んでいってほしいなと。
――この本に書かれているステップの一つ一つに、具体的に試してみることが複数書かれていますよね。これは全部やるべきなのでしょうか。それとも2、3個選んで実践するでもいいのでしょうか。
今井:そのステップができるようになることが大事なので、まずは1個やってみてほしいです。1個行動しただけでガラッと変わると思うんですよね。
また、「小さなことから試してみよう!」に書かれているアクションリストを見ているうちに、「自分はこうしよう」と新たなアクションが思いつくことあると思います。それを実践してみれば良いと思います。
特に漠然とやりたいことがないという人にとっては、「違和感に気づくことから始めよう」「嫌なことをがんばっている自分を褒めてみよう」といった言い方だけでは抽象的で何をしていいのか分からないと思うんです。
だから、例えば、「自分の『嫌いな仕事ランキング(1~5位)』を作ってみる」とか、「出社前に会社に行こうとする自分を褒めてみる」など、かなり具体的に試せることを書いています。これらをやってみることで、「こういうことか!」と腑に落ちると思います。
――本書をどのような人に読んでほしいとお考えでしょうか。
今井:何かをやりたい、人生を変えたいのに、何をしていいのか分からないという人たちにぜひ手に取っていただきたいです。そして今日できることがあるということに気づいてほしいです。
過去の自分を振り返ると、毎日会社と家の往復で、1日1日歳を取っていくのに状況が変わらず、焦っている感じがありました。おそらく、「今日も何もできなかった」という感覚から焦りが募るのだと思います。もしそういう方がいたら、本書を読んで少しでもできることがあると希望を感じてもらえたらすごく嬉しいですね。
ぜひ本書を実践してもらって、変化したことを報告してもらえたら嬉しいです。ステップを一つ一つ実践していったら、こんなに変わりましたとか、やりたいことが見つかりましたとか、そういう感想をいただきたいですね。皆さんがポジティブに、前向きに自分の人生を捉えられたというような、そういう報告が来るのを楽しみにしています。
(了)
【関連記事】
元記事はこちら
教え上手な人だけが知っている人材育成のコツ
人生は何度かやり直せる。だからこそ真剣になれる――小説第2作『これはただの夏』を燃え殻さんに聞く(2)
ウェブサイト: http://www.sinkan.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。