「同床異夢」この言葉はどんな状態を指しているの?その由来や「呉越同舟」との違いは?
「同床異夢」とは、文字通り同じ床で異なる夢を見ることです。
転じて、同じ状況にありながら違う考え方をすることをあらわしています。
人によって思考や目的が違うことをあらわした四字熟語です。
そこでここでは、「同床異夢」がどのような言葉なのか、その意味や由来をご紹介します。
「同床異夢」とは
まずは「同床異夢」の意味について見ていきましょう。
「同床異夢」の意味
「同床異夢」とは、同じ床に寝ながら異なる夢を見ることです。
寝起きをともにしていながらも別々のことを考えていることを指します。
転じて、同じ立場でありながら思考や目的などが異なることをあらわす表現とされます。
ビジネスでは、同じ組織でも違う思惑がある状況をあらわします。
今まさにこのページで「同床異夢」が起きているかも!
今まさにこのページで「同床異夢」の状態が発生しているかもしれません。
このページには「同床異夢」で検索して閲覧している人もいれば、おススメや関連記事で飛んできた人などがいるはずです。
同じ「同床異夢」のページでも読むに至った経緯や読んでいる理由は人によるため、正に「同床異夢」な状態になっているというわけです。
「同床異夢」の由来
では「同床異夢」という言葉はどのようにして生まれたのでしょうか。
ここからは「同床異夢」の成り立ちについて見ていきましょう。
「同床異夢」は中国の故事から
「同床異夢」は、陳亮という人物が書いた「与朱元晦書」から来ています。
陳亮は、南宋時代に思想家として活躍した人物です。
この陳亮の書には、「同レ牀各做レ夢、周公旦不レ能二学得一何必一一説到二孔明一哉」という文があります。
これは、「寝床を同じくしても別の夢を見れば、たとえ周公且であってもお互いの考えや意見は理解できない」という意味があります。
つまり、同じ場所で寝食をともにしてもお互いの思惑は理解できないということをあらわす文となっています。
故事に出てくる「周公旦」とはどんな人物?
「周公旦」は、古代中国・周王朝の政治家かつ周邑の君主です。
太公望の名前で知られる軍師「呂尚」などと並ぶ、周建国の功臣の1人です。
周の創始者である「武王」の弟であり、政治家として大いにその才能を発揮しました。
「同床異夢」は「呉越同舟」とはちょっと違う
「同床異夢」に似たような四字熟語に「呉越同舟」があります。
しかし、この二つの言葉は実は意味合いが異なります。
「呉越同舟」の意味
「呉越同舟」は、仲の悪い者同士が1つの場所に居合わせることをあらわしています。
また、共通の目標で不本意ながらも協力するという意味でも用いられます。
この言葉は、古代中国の春秋時代に軍師として活躍した孫武の兵法書「孫子」に由来します。
当時、「呉」と「越」という国は激しい戦いを繰り広げていました。
しかし、孫氏の中にはそんな仇敵同士でも、同じ船に乗り合わせた際に嵐に遭遇すれば、きっと手を取り合って協力するだろう。といった内容があります。
つまり、どんなに忌み嫌っていても状況によっては助け合うということを指した言葉なのです。
ちなみに、孫武自身は「呉」の軍師でしたので、実感の伴った考えだったのかもしれません。
「同床異夢」と「呉越同舟」の状態の違い
「同床異夢」と「呉越同舟」は一見すると似た四字熟語です。
しかし、それぞれお互いの状態が異なります。
「同床異夢」は、味方や仲間同士に対して用います。
お互いが近しい状態でありながらも考え方が違うことを指します。
「呉越同舟」は、敵同士や不仲の人物に対して用いる言葉です。
こちらは、仇敵だったものが状況的に協力することを指します。
両者は近しい言葉と思いきや、真逆の状態を指す言葉なのです。
まとめ
「同床異夢」は、同じような状況や立場によっても、人によって考え方が違うことを指す言葉です。
中国の故事から来た言葉とされています。
「呉越同舟」は、似たような意味の言葉と思われる事もありますが、むしろ状況的には真逆と言っていいほど異なります。
関連記事はこちら
仲人や媒酌人を意味する「月下氷人」、由来は中国の2つの故事にあった
「疾風怒濤」とはどんな意味の言葉?その由来にはドイツが関係しているとはどういうこと?
「一挙両得」とはいうけれど何を得するの?意味や由来をご紹介
関連記事リンク(外部サイト)
【漫画】飼い主としては辛い・・・なぜか動物に好かれる友人がお家に遊びに来た時のエピソードが切ないけど面白い!
怖すぎる!チキンスープのにおいをかぎつけやって来たのは・・・とんでもなく巨大な動物だった!!
突如吠え始めたイヌ。すると暗闇から姿をあらわしたのは・・・【危機一髪】
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。