『ソウルフル・ワールド』のニューヨークに続く町並みのリアリティ! 『あの夏のルカ』でピクサーが貫いた“故郷への忠実さ”
『トイ・ストーリー』の“おもちゃたちの秘密と友情”、『モンスターズ・インク』の“モンスターたちの秘密と友情”、『リメンバー・ミー』の“家族の秘密と絆”など、数々の驚きと感動的な物語を観 客に贈り届けてきたディズニー&ピクサー。そんな彼らのこの夏必見の最新作は、イタリアの美しい港町ポルトロッソを舞台に“最高の夏”を描く『あの夏のルカ』です。
監督を務めるエンリコ・カサローザは本作の舞台となるイタリアの出身。カサローザ 監督が育った土地にインスピレーションを受けた物語を描くにあたって、ピクサーが重要視したのは“観客をイタリアに連れていくこと”だといい、本作の物語の舞台となるカサローザ監督の故郷を忠実に作り上げたことを明かしています。
ピクサーは前作『ソウルフル・ワールド』で、まるで本物のようなニューヨークの街並みを描き上げ、観る者をニューヨークの雑踏の中へ連れて行ったが、本作でも主人公ルカとともにイタリアを 冒険しているような本物に忠実に作りこまれた美しい景色にご注目。
本作は<海の世界>に住むシーモンスターの少年ルカと親友のアルベルトが、憧れの場所<人間の世界>で繰り広げる冒険と2人に訪れる<ひと夏の奇跡>を描いた物語。物語に登場する港町ポルトロッソはカサローザ監督の出身地である北イタリアのジェノアを参考に作られており、監督自身の美しい思い出として心に残る夏の景色を本作の舞台に選んだそう。
プロデューサーのアンドレア・ウォーレンは「この映画で大事だったのは、イタリアという設定です。私たちの多くはイタリアで育っていないので、チームのみんながイタリアにインスピレーションを受けられるようにしました」と、カサローザ監督の故郷に着想を得た物語を正しく描き上げる ため様々な角度からイタリア文化を本作に取り込んだことを話します。
まず、イタリアを知るために行ったのは、カサローザ監督と共にスタッフがジェノアへリサーチ旅行。ジェノアの風景を眺め、釣りに行き、海に潜り、イタリア料理を食べ、さらにはカサローザ監督の両親も交えてディナーを共にし、イタリアを知るだけでなくカサローザ監督の記憶やノスタルジーを共有したのだそう。
登場人物たちにもイタリアらしさを取り入れるために、イタリアのディズニースタッフとのオンラインミーティングの様子を参考資料に用いて、イタリア人らしい身振り手振りを再現。ピクサーでは物語の舞台となる地域の出身者を集めた“カルチャートラスト”というグループを作り、出身者たちの視点で文化がリアルに描かれているか、どんな表現が実際の文化に忠実なのかが語りあわれるが、本作でもカルチャートラストによってイタリア出身者たちがリアルに感じられるベストな形でポルトロッソを作り上げています。
カサローザ監督は「この作品の細かなディテールに、「これはイタリアのこの地域に特定的だ」と思うものがたくさんあります。ジェノアはワンダフルな町で、とても素敵なエリアです。僕たちはあの町を真実に近く、具体的に描きました。世界中の人々をあの場所に連 れて行ってあげたいからです。このことを僕はとても誇りに感じています。この作品を世界に贈り出すことが出来て、僕はとても嬉しいです」と、故郷からインスピレーションを得て、忠実に作り上げた本作の仕上がりに大きな自信を見せます。
本作のテーマは“自分を変えるほどの友情”だとカサローザ監督は語っているが、シーモンスターという秘密を抱えた主人公ルカが<人間の世界>で巻き起こす<ひと夏の奇跡>とは?イタリアを忠実に作り上げたポルトロッソの町でルカと親友アルベルトが繰り広げる冒険に期待が高まります。
カサローザ監督は第84回アカデミー賞短編アニメーション賞にノミネートされたピクサーの短編アニメーション『月と少年』で監督デビュー。アカデミー賞受賞作品『カールじいさんの空飛ぶ家』のストーリー・アーティストを始め、『リメンバー・ミー』『トイ・ストーリー4』など様々な作品に参加。カサローザ監督は北イタリアで生まれ育ち、夏らしさに溢れるイタリアの海岸を、まるでそのまま切り取ったかのように本作へ取り込んでいます。監督が「子どもの頃に自分とは全く違う世界に住む少年と夏に出会ったんだ。その夏の思い出から、少年が大人へと成長する物語を作りたいと思ったんだ」と明かすように、自身の経験からイ ンスピレーションを受け、大人の心をも揺さぶる物語となっています。
『あの夏のルカ』は6月18日(金)よりディズニープラスで独占配信開始です。
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