ファミコンのバグから生まれた絵画。岡田 舜 展 『under/stand』




東京在住のアーティスト 岡田 舜 展『under/stand』がgallery communeにて開催。当ギャラリーではノイズ作品シリーズで構成された2020年11月の『砂嵐』に続く2度目の展示となる本展。いよいよ彼のメインテーマであるバグ作品シリーズが披露される。


「ファミコンのバグった映像を初めて見た時、私にはそれが完成された絵画のように見えました。それをそのままキャンバスに写せばどうなるのだろう? 好奇心と共に写し終えたそれは、ただ平凡で単調な絵でした。失敗したそれを塗り潰そうと白い絵具の塊を画面に置いた時、画面全体の印象が少しだけ変わりました。その変化は自分の意図していないもので、良いか悪いかもわかりません。しかし私は、直感的に完成の判断を下しました。


なぜその作品が生まれたのか、完成の判断をしたのか? 自問自答を繰り返しながら制作を続ける中で、様々な工夫を加えた作品が生まれました。画面の上下を反転させたり、生乾きの絵具をかき回したり、関係のない画面を二つ繋げて一枚の絵画にしたり。制作途中に地震が起こり、その時点で完成とした作品もありました。全ての作品に共通する事は、キャンバスに写し終えた画面を、バグが起きた瞬間のようにあらかじめ予定されていないものへと変化させていることです。
そのようにして出来上がった作品はまだ、自分の意図した行為の先にある必然性のない現象が反映された”わからないもの”です。その後私は、描き終えたその絵を何度も何度も見返します。絵を壁に掛け、生活の中で長い時間見続けます。そしてその作品がわかった時、完成の判断を下すのです。 今こうして文章を書いている最中も視界には絵があり、意識の片隅で向き合い続けています。」
岡田 舜

バグ映像をファミコンからキャンバスへ投影し、その図像を絵筆でなぞる。その手法を言葉にするのは簡単だが、途方もない制作期間と紆余曲折を経て完成する彼の作品は、陳腐な言葉では表現できない力強さと不思議な高揚感を帯びている。理解できないことへの探究心、そして突き進んだ先での混乱や葛藤など、作品には様々な情報(感情)が内包されている。機械には決してできない、人間による不確実な創造への挑戦をぜひ会場で。







岡田 舜 | Shun Okada
1992年 茨城県生まれ、東京在住。アーティスト。 IG: @oka_un
https://shunshon.tumblr.com


岡田 舜 展 『under/stand』
Shun Okada exhibition “under/stand”
2021年5月28日(金) – 6月16日(水)

gallery commune
営業時間:
平日: 14:00 – 20:00
土日祝 12:00 – 18:00
定休日: 木曜
住所: 東京都渋谷区西原1-18-7
www.ccommunee.com
https://www.instagram.com/ccommunee/

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