【山中湖・輪行旅】サイクリングで湖畔や高台から富士山を望む
こんにちは、篠です。私の趣味はロードバイクです。2014年から乗り始めて、今年で7年になります。長距離の山岳ライドを好む私ですが、ロードバイクを列車に乗せて旅に出る「輪行旅」も楽しんでいます。今回は、山梨県の河口湖駅を基点に、富士山周辺を巡る1泊2日の輪行旅に行って参りました。
富士山周辺を自転車で走ってみたいけれど、東京から自転車でアクセスするためには、登り基調の峠道「通称:道志みち」(40km程/標高差1,000mを登る)を通る必要があるため、ハードルが高いと感じてしまう方もいらっしゃると思います。その点、河口湖駅まで列車で行く輪行旅なら、その辛い道程をまるっとカットできるのです。
また、河口湖周辺にはレンタサイクルスポットもたくさんあります。2日目は、ロードバイク初心者の方だけでなく、レンタルサイクリングでも楽しめるコースをお届けしたいと思います。
新宿駅
輪行は最後尾の座席裏スペースの活用が◎
JR新宿駅から特急「あずさ」に乗車。JR大月駅で富士急行線に乗り換えて河口湖駅まで。所要時間約2時間20分。
輪行する際は自転車を輪行袋に納めれば列車内に持ち込み可能。特急列車に乗車する際は最後尾の座席裏スペースを活用するのがオススメです。「あずさ」はゆったりとした指定席で、コンセントも完備されており、旅のシャッターチャンスに備えてスマホの充電を満タンにできます。
河口湖駅に到着。改札のすぐ外にコインロッカーがあるので、身軽にサイクリングに出かけたい方は余分な荷物を預けるのに便利です。
河口湖駅
湖越しの富士山を望めるサイクリングロード
河口湖駅前の空いたスペースで自転車を組み立て、出発。河口湖駅から16km程(約1時間)自転車を走らせたところに「山中湖サイクリングロード」があります。総距離は13.5km程で、湖畔を約1時間半でほぼ一周できます。車道から完全に分離され、歩行者と自転車のみ通行可能。綺麗に整備されており、安心して走行できます。
山中湖サイクリングロード内でも富士山との距離が近いビューポイント「山中湖親水公園(長池親水公園)」は、富士山をバックに山中湖を一望できます。
ここで山中湖サイクリングロードからは一度外れて、山中湖パノラマ台、三国峠へのサイクリングに向かいましょう。
山中湖パノラマ台
山からの開放感ある眺望も格別!
山中湖は国際的な自転車競技(ロードレース)大会のコースになっています。山岳ポイントの「三国峠」は、大会の男子コースでは小山町側から登る激坂ですが、これから登る山中湖村側からであれば比較的緩やかな登坂。ヒルクライム初心者にもチャレンジしやすい道となっています。
まずは、山中湖親水公園から7km程(約30分)。開けた青空が左手側に見えてくると「山中湖パノラマ台」が近づいてきます。
登ってきた方向を振り向くと、大きなワインディングの先に富士山と山中湖が一面に広がります。山中湖パノラマ台は湖から少し登ったところにあるため、開放感あふれる景色で、先程の公園からの眺望とはまた違う良さがありました。
ガードレールの外側の砂利道を10m程歩いていくと記念撮影にぴったりなビューポイント、山中湖パノラマ台に到着です。
富士山の裾野と山中湖、その先の南アルプス山脈まで一望することができる絶景です。
三国峠
緩やかな登坂を楽しみながら三国峠へ
山中湖パノラマ台からさらに1.3km程(約10分)登ると、いよいよ山岳ポイント「三国峠」。
是非そこまで登ってみましょう。
頂上は標高1,168m、3月だとまだまだ雪が道脇に残っていて、同じ山中湖村でも麓とは季節感が違います。
三国峠は山梨県、神奈川県、静岡県の県境。峠の向こう側(神奈川県方向)は最大勾配18%の急勾配が連続する区間なので、安全のため、初心者にはオススメしません。今回はここで折り返して、山中湖方面に戻ります。
山に登ってお腹も空いてきたところで、ランチにちょうどいい時間になってきました。
FUJIYAMA KITCHEN
サイクルラックのあるカフェでランチ休憩
登った道を引き返して、ランチは山中湖外周にある「FUJIYAMA KITCHEN」に入りました。三国峠頂上からここまで8km程(約30分)です。
大きなガラス張りの窓の前にサイクルラックが設置され、店内から愛車が確認できるため安心して食事ができます。入店時のアルコール消毒はもちろん、座席の間隔が十分取られており、感染症対策がしっかりなされているお店でした。
注文したメニューは富士山周辺の食材を使用した「信玄鶏ランチ(コーヒー付)」(税込1,780円)。信玄鶏の香草焼きはハーブの香りが食欲をそそります。皮がパリッとしていているのに、身が柔らかく仕上がっていて後味すっきり。ヘルシーで美味しい一品でした。
来た道をそのまま戻るのも面白みに欠けるので、河口湖への帰りは梁尻通り経由で世界文化遺産にも登録された「忍野八海」に立ち寄り、行きの県道とは違う道を通りました。
忍野八海の鏡池。神秘的な青さに見入ってしまいます。
忍野八海の裏にあるアムール峠という名の小さい丘を越えると、富士山を一望できる広い農道があります。農耕車優先道路なので交通量はほとんどなく、サイクリングルートとしてもよく使われる道です。
忍野八海から河口湖までは13km程(約40分)。1日目の余韻に浸りながら、河口湖付近のホテルに宿泊しました。
産屋ヶ崎
産屋ヶ崎から朝の富士山を見る
2日目の朝。ホテルから出て、まずは徒歩で「産屋ヶ崎(うぶやがさき)」に向かいました。河口湖大橋の北詰から富士山を眺められる有名なスポットです。
急な石段を登った上に風格のある小さな石祠(せきし)があり、なんだか神秘的な場所に足を踏み入れた気持ちでワクワクしました。
産屋ヶ崎から富士山を眺めた後は、サイクリングで河口湖一周へ。距離は17km程で、ほとんど平坦な道のためスポーツ経験がない方でも無理なく走れます。その約半周は富士山を眺めながらサイクリングできてしまうご褒美コース。輪行旅の方には少し物足りないと思いますが、レンタサイクル(※)の方にはちょうど良い距離感ではないでしょうか。
※編集部注:河口湖駅の周辺にはレンタサイクル店が数多くあります。子ども用から電動アシスト付き自転車、ロードバイクなどお店によって種類も豊富。レンタル料金など、詳しくは各ショップにお問い合わせください(参考サイトはこちら)
いつ見ても美しい富士山ですが、やはり春先の冠雪富士は別格です。早朝の綺麗な富士山を見るためだけに湖畔で1泊する価値が十分あると思います。
冨士御室浅間神社
冨士御室浅間神社へ参拝
産屋ヶ崎から自転車を走らせて6km程(約20分)のところに「冨士御室浅間神社」が鎮座しておりました。武田信玄公の祈願所であり武田家三代にわたり崇敬された富士山に建つ最古の神社ですが、近年では金運アップのパワースポットとして注目を集めているとのこと。
境内の荘厳な雰囲気に思わず姿勢を正しました。
大石公園
大石公園の花街道ビューポイント
「大石公園」は冨士御室浅間神社から8km程(約30分)走ったところにあります。6月下旬〜7月中旬のラベンダーが咲く季節は、とてもカラフルで素敵な場所になるでしょう。
大石公園から湖畔に降りたところも絶好の撮影ポイントです。
富士大石ハナテラス
富士大石ハナテラスでソフトクリーム休憩
隣接する「富士大石ハナテラス」にソフトクリームが美味しいお店があると聞いたので、訪ねてみました。「HanaCafe Kikyou」は白基調のナチュラルな建物で、店内は花屋さんのような素敵な雰囲気です。
注文したメニューは「桔梗信玄ソフト+」(税込510円)。濃厚なバニラソフトクリームに山梨の名産品である信玄餅がトッピングされており、香ばしいきな粉や黒蜜との相性も抜群です。
河口湖畔は、どこで立ち止まっても絵になる素敵な場所だと思います。
ほうとう不動 河口湖北本店
山梨名物のほうとうは外せません!
本日のお昼ご飯は山梨名物のほうとうに決定。訪れたのは「ほうとう不動 河口湖北本店」。
注文したのは看板メニューの「不動ほうとう」(税込1,100円)。コシのある太麺に南瓜や山菜など具がたくさん入っており、素朴ながらコクのある味噌仕立ての汁で煮込まれています。
ボリュームたっぷりで、運動した後の体に染み渡る美味しさでした。
ほうとう不動 河口湖北本店から河口湖駅までは自転車で5km程(約20分)。帰りも河口湖駅から輪行です。
河口湖駅の駅前は広々としていて、自転車の輪行がしやすい場所でした。ログハウス風の駅舎に土産物屋さんと喫茶店も併設され、無料開放の足湯(10:00~15:00)もあります。
せっかくなので足湯で旅の疲れを癒やしてから帰路につきました。
河口湖駅からJR・富士急行直通の特急「富士回遊」に乗車。「富士回遊」は大月駅で特急「かいじ」と連結されるので、乗り換えなしで新宿駅まで行けます。
河口湖を基点に1泊2日の輪行旅は初めての試みでしたが、振り返ってみると、時間にたっぷり余裕を持たせたスケジュール設定だからこそ、普段のサイクリングでは立ち寄れない観光スポットやグルメも楽しめました。
1日目は50km程のサイクリングロードとちょっとしたヒルクライム、2日目は短距離ながら観光メインと、メリハリのある2日間を楽しく過ごせました。体力に余裕のある方なら、2日目に西湖や周辺の小さい峠道も絡めて走ると、より輪行が充実する旅になると思います。
新宿駅
掲載情報は2021年5月20日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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