3度目の緊急事態宣言を受けてプロ野球界に大きなしこり「すぐに無観客と決めつけるのはやめていただきたい」

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3度目の緊急事態宣言を受けてプロ野球界に大きなしこり「すぐに無観客と決めつけるのはやめていただきたい」

 ゴールデンウィーク初日となる4月29日は祝日にも関わらず、プロ野球は4試合しか組まれていない。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う3度目の緊急事態宣言を受けて、ヤクルト対巨人(神宮球場)、オリックス対楽天(京セラドーム大阪)の2試合が延期されたためだ。

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 収容人数に制限がかかっても、本来であればかき入れ時。だが、政府は東京、大阪、兵庫、京都の4都県に緊急事態宣言を発令した。期間は4月25日~5月11日まで。その期間、スポーツイベントは例外なく、中止・延期もしくは無観客とすることを決定した。

 プロ野球はコロナ禍に襲われてからの2シーズン、球場の客席においてはクラスター(集団感染)はおろか、感染例は一度も出していない。

 昨年は6月19日に開幕し、7月10日に最大5000人という制限で有観客開催へ切り替えた。さらに9月19日からは球場の最大収容人数の50%に上限を引き上げた。

 今季は地域ごとに制限が異なり、3月21日に解除された緊急事態宣言からの経過期間となる首都圏4都府県などは上限1万人、それ以外は最大収容人数の50%でスタートしていた。

 昨年7月10日から、既に800試合近い有観客開催が行われ、球場では感染対策を徹底してきた。入場時は検温を欠かさず、座席は可能な限り間隔を取って間引き。手洗い所や座席の消毒も、専用の薬剤を用意して繰り返した。そうした実績を基に斉藤惇コミッショナーは「緊急事態宣言が出たからといって、すぐに無観客と決めつけるのはやめていただきたい」と訴えていた。

 だが、こうしたプロ野球界の努力や実績は、全て政府や自治体の乱暴な決定プロセスの前にむげにされた格好だ。

「統制された下で実施されるプロ野球と、非監視下で勝手に飲食するようなグループと、一律に宣言に対して同じ条件をあてはめられるのは、我々としては納得がいかない」。斉藤コミッショナーは無観客開催の決定を受けて、そう無念さを絞り出した。

 プロ野球は昨年3月にJリーグと合同で新型コロナウイルス対策連絡会議を設置。専門家を多数招き、感染事例などを分析し、有観客開催につなげてきた。そして「これが東京オリンピックの開催につながれば」とも繰り返し、政府らに対して科学的根拠となるエビデンスを多数提供してきた。

 ところが、今回はその東京五輪開催のために、プロ野球12球団が経済的損失を押しつけられたようなものだ。斉藤コミッショナーの言葉を借りるまでもなく、現在の感染状況下においても、収容人数が厳しく制限されたスタジアムを無観客にしなければならない根拠など一つもない。あくまで緊急事態宣言に対して「一律」の扱いとすることで、国民に広く危機意識を持たせるための人身御供としてプロ野球は利用された。そう判断するのが妥当だ。

 加えて政財界多くの関係者は「プロ野球ができないようでは、オリンピックなどとてもじゃないができない」との共通認識がある。複数のチームは無観客開催ではなく、延期にして宣言解除後に開催することで、少しでも経済的損失を少なくするべきという声があった。だが、プロ野球全体を止めることは、東京五輪中止に直結しかねない。そこも政府や自治体が許してくれなかった。

 今回の件で、政府や一部自治体に対して、プロ野球界には大きなしこりが残った。ここまでは東京五輪開催へ向けて一枚岩に見えた両者の関係は、政府や一部自治体の暴挙によって転換点を迎えたかもしれない。今後の協調体制に陰りがみえてきてもおかしくはない。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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