ベーグルってアメリカ生まれらしいけど…知ってた?実は違うみたい
ベーグルはアメリカ生まれって知ってましたか?アメリカニューヨークのベーグルが最初に日本に紹介されたため、知っているという人も多いかもしれません。でも、本当はベーグルはアメリカ生まれではありません。なぜアメリカ生まれだと思われているのか、その歴史を紹介します。
ベーグルがアメリカ生まれといわれる理由
ニューヨークには、ベーグル専門店が沢山あり、ニューヨーカーは、自分のお気に入りのベーグル店があるのだとか…それほど、ニューヨークに定着しているベーグルですが、日本で一般的になったのは、そんなに昔の話ではありません。
日本では1990年ころから2000年ころにかけて、健康食の一つとしてベーグルが販売されるようになりました。
その後、関西地方を中心に展開されていたベーグルKというショップが、ニューヨークベーグルを輸入し日本国内に販売を開始したことから、ベーグルは一気に知られるようになったのです。
ニューヨークから輸入されたベーグルというのが、ベーグルはアメリカ生まれという刷り込みに繋がったのではないでしょうか?
ベーグルの本当の生まれはどこ?
ベーグルは、本当はどこで生まれたのでしょう。一般的には、東欧系にユダヤ人が食べていたパンだと伝わっています。
主にポーランドやドイツ、ドイツ語を母国語とする国に暮らしていたユダヤ人たちが、世界に散らばったとき、アメリカのニューヨークには大きなユダヤ人コミュニティができたそうです。
ニューヨーク式ベーグルの販売店は、1683年に開店したウィーンからきたユダヤ人のショップが最初だったといわれています。一般的なパン生地と違い、バターなどの油脂類は使わず、卵や牛乳も使われていないことから、日持ちも良く低カロリーである点が、健康ブームに乗った形で広まりました。
特に北アメリカへの浸透は早く、ニューヨーク式ベーグルとモントリオール式ベーグルという、作り方が少し違うベーグルがあります。
ベーグルの名前は、東欧系ユダヤ人が使っていたイディッシュ語のbugelから来ているのではないかという説が有力です。bugelには、丸いパンという意味があります。ドイツ語にも似たようなbügelという文字があり、意味も同じです。
ベーグルが東欧系ユダヤ人のパンだったことは判明していますが、その起源はというと定かではありません。
ユダヤ人たちが、自分たちの安住の地を求めて、世界中に散らばる前、ポーランドのクラクフにはユダヤ人が沢山住んでいました。しかも、イディッシュ語の中心地ともいえる場所だったそうです。
そのクラクフには、クラクフ式オブヴァジャーネックという丸いパンがあり、作り方もベーグルに酷似していることから、ベーグル自体の発祥は、ポーランドのクラクフではないかといわれています。
ベーグルがもちもちしているのはなぜ?
ベーグルって、もちもちした食感が癖になりませんか?日本人は、もちもち食感が大好きですから、一気に認知されたのも頷けます。
しかも、挟んだ食材の味を邪魔するような主張も無く、カロリーは低く、タンパク質が豊富という、健康を意識する人たちにはとても嬉しいパンではないでしょうか?
ベーグルのもちもち食感には、他のパンにはない工程があるからです。それは、茹でるという一手間です。
小麦粉に塩と水、イーストを混ぜて発酵させ、出来た生地をひも状して端を繋ぎ、ドーナツのような形にします。それをいったん茹でるのが、ベーグルの特徴です。茹でることで、あのもちもち食感が生まれます。
ニューヨーク式ベーグルは、茹でた後に、他のパン同様オーブンで焼きます。すると、外側の生地がパリッとして、中がもちもちのベーグルができるのです。
ちなみにモントリオール式ベーグルは、生地に麦芽と鶏卵を使い、塩は使いません。茹でるときに、お湯に蜂蜜を投入し、ほんのり甘く仕上げます。焼くのもオーブンではなく、薪窯で焼くといった違いがあり、食感もニューヨーク式ベーグルより重たい感じになります。
塩を使うか使わないかで、イースト菌の種類も違うので、発酵の状態にも差がある可能性があります。
日本のコンビニなどで販売されいてるベーグルは、中も外ももちもち食感だけのものが普通です。日本流のソフトなベーグルを初め、今では、生地に乳製品を加えたベーグルなど、様々な商品開発がされているようです。
おわりに
ベーグルってアメリカ生まれって知ってた?というタイトルですが、実はそれは間違った思い込みですよとお伝えするため、ベーグルの本当の生まれについて紹介しました。ユダヤ人が世界にもたらした変化は数々あれど、ベーグルもその一つだったようです。
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