金平糖と同時期に日本に伝来した「有平糖」ってご存知ですか?
綺麗な見た目で口にするのが惜しいお菓子はたくさんありますよね。
その仲間である、有平糖は金平糖と同時期に伝来しましたが、あまり馴染みはなく、知らない方も少なくありません。
美しいお菓子の原点とも言える、有平糖について興味はありませんか?
有平糖とは?
有平糖は、「あるへいとう」と読み、砂糖に少量の水飴を混ぜて煮詰めて作られた飴です。
飴が柔らかい間に空気を入れ膨らませて練り伸ばす有平糖の飴細工は、精緻な技術が必要です。
高温で煮詰めて作られているため、熱にも強く季節に関係なく良品質を保ち、いつでも美味しく食べられます。
水分を吸収しやすい水飴の比が少なく、湿気に強くベタベタしないのが特徴です。
最低限の水飴と砂糖を多く使って作られているため、食感はサクサクしています。
そうして手間をかけて作られた有平細工の花に蝶が間違えて止まった、と逸話があるほど出来上がりは美しいとされています。
現在は有平糖は茶道のお菓子として使用され、和菓子のひとつとして親しまれています。
ポルトガルから伝来
有平糖は、南蛮菓子として1680年頃にポルトガルから伝来しました。
語源にはポルトガル語のAlfeloa(アルフェロア)に由来するとされています。
アルフェロアには、糖菓の意味があり、そこからアルヘルやアルヘイルと呼ばれていましたが、アルヘイ糖やアリヘイ糖に変わり、有平糖の字が採用されたと言われています。
日本での有平糖
当時の砂糖はとても高価で、技巧を凝らせて作られた美しい有平糖は、高貴な身分の人が茶席で食べたり、祝い事の際にしか食べられない非常に価値のあるもので、庶民は口にできなかったそうです。
しかし砂糖の生産が増加した江戸時代に、庶民も入手しやすくなったとされています。
また、菓子職人は他の商人よりも厚遇を受けていたそうです。
江戸城へ登城する際には一般的な商人が使用する通用門ではなく、表玄関の通行を許可されていたりと、菓子職人の技術は優遇するに値していたものであったとされています。
そこから幕府からの歓待を受け、菓子職人の技術が上がり、飴細工の技法が完成されてきたと言われています。
江戸時代末期になると、有平糖細工の技術は著しく進化し、花や植物、蝶を象ったものが作られるようになります。茶道のお菓子として扱われるようになったのもこの時期です。
江戸時代には、棒状や板状に伸ばす、型に流し込んで固める、空気を入れて膨らませるといった洋菓子にもある技法が、有平細工に取り入れられていたそうです。
他の飴と有平糖の違い
一般的な飴と比較すると使用している材料は同じですが、配合に違いがありました。
有平糖は砂糖を多く使用し、水飴をあまり使わないで作られています。
それに対して一般的な飴は、水飴を多く使用し作られているのです。
水飴には砂糖の結晶化を抑える効果があり、口当たりがなめらかになります。
配合を変えるだけで舌ざわりが大きく変化するので、非常に奥が深く、当時の菓子職人が厚遇であった理由がなんとなく分かる気がしますね。
金平糖との違いは?
現在でも喫茶店等で提供されており、子供から大人まで一度は口にした金平糖も、南蛮菓子のひとつです。
ですが、有平糖とは違った材料で作られています。
金平糖は、グラニュー糖を水で溶かし、焦げ付かないように丁寧に混ぜ「糖蜜」と呼ばれる液体にします。
斜めになった大きな銅釜にザラメを入れ、糖蜜をかけて混ぜます。
銅釜は常時火にかけており、突起が出るまで繰り返します。
制作期間は最低でも2週間。糖蜜をかけては乾燥、を気が遠くなるほど行って初めて出来上がります。
まさに職人技です。
実はこの金平糖の突起がなぜ生まれるのかは明確には分かっていません。
しかし一説によると、熱くなった鉄板の上で、ザラメにかかった糖蜜が部分的に乾き硬くなるため、製造の過程でどんどん伸びていく、と言われています。
膨大な時間をかけ、繊細な技術と確かな腕で作られる金平糖が今でも人気な理由ですね。
有名な有平糖
ホワイトデーのお返しや、誕生日等にお菓子はピッタリです。
オンライン販売を行っているお店で簡単に取り寄せが可能なため、購入を検討してみてはいかがでしょうか。
榮太樓飴の梅ぼ志飴
おそらく日本でも一番有名な有平糖がこちらではないかと思います。
梅干しの形が似ていることから名づけられましたが、梅は入っていないので梅干しの味はしません。
こちらはAmazonなどでも買う事が出来ます。
有平糖利喜
昔ながらの有平糖を現在も作り続けているこちらの有平糖利喜。
飴を噛んで楽しみたい方はこちらがおススメです。
珈琲、梅、黒ごまとラインナップが豊富なため、お好きな味に出会える可能性がグッと上がります。
オンラインでの販売もされているようなので、気になる方はチェックしてみてください。
有平糖利喜ホームページ
紫野源水
公式のホームページがないため、情報が少ないですが、物凄い人気店です。
逸話に納得してしまうほど綺麗で、渡された相手も飴だと一瞬では理解できないかもしれません。
美しい有平糖を求め、購入する人々が蝶なのかもしれません。
美しい「桜の有平糖」は以前に記事で紹介していますのでそちらもどうぞ
美しすぎる…春限定・紫野源水の和菓子『桜の有平糖』の繊細さに息を飲む
毎年春になると話題になります!
あまりの美しさに感激し、予約注文した紫野源水の「桜の有平糖」→ https://t.co/xCLyDzmPtZ しおりには「美しいだけでなく美味なものです」の素敵な一文が。気の利いた贈り物にも最適そう。 pic.twitter.com/YM5JS9GFTk
— ブログdeバーチャル駅長(阪急電鉄) (@ekiblo) May 11, 2016
まとめ
ここまで綺麗だと本当に見て満足していまいそうです。
気になる方は一度食べてみて、目でも舌でも楽しんでみてください!
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