「ミミックオクトパス」は変装が得意!その対象は魚やウミヘビ、ヒトデまで!!

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「ミミックオクトパス」は変装が得意!その対象は魚やウミヘビ、ヒトデまで!!

ミミックオクトパスは、タコの中でも非常に優れた擬態能力を持っているとされます。
擬態というと周りの風景に溶け込むというのが一般的かもしれませんが、ミミックオクトパスはなんと他の海洋生物になりすまします。

そこでここでは、変装が得意なミミックオクトパスがどのような生き物なのか、どのような偽装をするのかをご紹介します。

ミミックオクトパスとは

出典:Wikipedia(©Silke Baron)

ミミックオクトパスは、タコの一種でマダコ科に分類されます。
比較的小型のタコで、腕を広げた大きさは最大でも60cmほどとされています。
主に小形の魚類と甲殻類を捕食し、海藻などは口にしない事が判明しています。

ミミックオクトパスの生息地

初めてミミックオクトパスが発見されたのは1998年のことです。
その際は、インドネシアにあるスラウェシ島の海岸で発見されました。
そのため、当初ミミックオクトパスはインドネシア周辺にのみ生息する生き物だと考えられていました。

しかし、2012年6月にはオーストラリア周辺でも発見されたことから、他の海洋地域にも生息することが判明しています。
現在では生息範囲が広大なことが判明しており、世界中でミミックオクトパスの発見が報告されています。

例えば、アフリカとアラビアに挟まれている紅海、オセアニアのニューカレドニア島、タイやカンボジアやマレーシアに囲まれたタイランド湾、フィリピンなどアジアでも発見されています。

インドネシアで多い発見例から、河口付近の水の濁った水深15m位下の砂地を好むとされています。

擬態上手の素の状態は派手!

このミミックオクトパスは擬態能力が非常に高いとされています。
世界中の海には、擬態を行う生き物は他にもたくさんいます。
それらの生き物の中でも、ミミックオクトパスは特に、擬態の種類が群を抜いており、生物界一ともされています。

そんなミミックオクトパスですが、擬態していない通常時はなかなか派手な姿をしています。
通常時の体色は明茶褐色と明るく、全身に濃い褐色の縞模様が入っています。
これは、通常時から海底の砂などに溶け込む迷彩色なのだとか。

ちなみに、擬態を行う際は、白色と茶色の縞模様に変化します。
これは、擬態する生き物の姿を真似するのにちょうどいい体色と模様になっています。

どんな擬態をするの?

ミミックオクトパスの擬態は、捕食活動を有利に進めるためではなく、天敵となる捕食者から自らの身を守るために行われると考えられています。
このような自らを守るための擬態を「ベイツ型擬態」と言います。
ミミックオクトパスはこのベイツ型擬態を珍しいことに複数種類有しています。

ここからは、ミミックオクトパスがどのような海の生き物に擬態を行うのかみていきましょう。

カサゴ

全身がゴツゴツしたカサゴ。
ミミックオクトパスは、このカサゴに擬態します。

カサゴのヒレには棘があり、ヒレの中には毒を含んでいます。
そのため、カサゴは捕食されにくい魚です。
このカサゴにミミックオクトパスは擬態することで、自身が捕食されることを防いでいるのです。

擬態する際は、自由自在に動かすことのできる腕をカサゴのヒレのように広げてるのだとか!

ウミヘビ

ウミヘビの多くは神経毒をその体内に有しています。
この毒は捕食にも防御にも役立っており、ミミックオクトパスはこのウミヘビに擬態することで身を守ります。

8本の足を持つミミックオクトパスが、1本の紐状のウミヘビのようになることは体の構造的にかなり難しいですが、ミミックオクトパスは器用に2本の腕を広げることでウミヘビのように泳げるのです。

カレイ

カレイは海底の砂や泥を被り、潜伏するようにして捕食活動を行います。
しかし、ミミックオクトパスが擬態する際は、この砂に潜っている姿を擬態するわけではありません。

触手のような腕を全て同じ向きに揃えることで、まるで体の平たいカレイのような姿になって泳ぐとされています。。

ヒトデ

ミミックオクトパスはヒトデにも偽装します。
海底などでじっとしているイメージもある星形のヒトデですが、棘を有する毒を持つ種も珍しくありません。

擬態する際は、8本ある腕のうち3本を隠して、5本に見せかけることでヒトデの手足を再現するのです。

ミミックオクトパスの擬態

ミミックオクトパという名前は、その高い擬態能力に由来します。

擬態する対象となるのは

ミミックオクトパスが擬態できる生き物の数がどれだけあるか、実は正確な数は分かっていません。
上記でご紹介した魚やウミヘビなどはその一部にすぎません。

しかし、擬態の対象となるのは毒を持つ生物であることが多いとされます。
たしかに、ご紹介した擬態する生き物はその多くが毒や棘を有していました。

毒などを有する生き物は、周りから狙われにくいです。
その生き物たちの姿を模すことで自分も狙われないようにして、ミミックオクトパスは海での生存競争に身を置いているのです。

ミミックオクトパスの名前の由来

ミミックオクトパスの「ミミック」とは英語で擬態を意味します。
そして「オクトパス」はもちろんタコの事です。
つまりは「擬態するタコ」という意味があるという事ですね。

学名は「Thaumoctopus mimicus」というのですが、こちらにもミミックという単語が含まれています。
擬態能力が注目されている生き物という事ですね!

まとめ

ミミックオクトパスは、海中の擬態の名手です。
擬態するのは、身を守るためだと考えられています。
そのため、擬態するのは周りの環境に溶け込むようなものでは無く、自身より攻撃的な毒を有する生き物などです。
擬態の対象とされる生き物はまだ把握されていませんが、カサゴやウミヘビ、ヒトデなどに擬態することは判明しています。

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