三井住友カード、カード券面の完全ナンバーレス化を発表 カード情報はスマホアプリで「安全・安心」に管理
三井住友カードは、カード券面からカード番号・有効期限・セキュリティコードの表記をなくした「ナンバーレスカード」の発行開始と、ポイントサービスの大幅リニューアルを発表。2月1日、メディア向けのオンライン発表会を開催し、カード利用の「日常化」と「安心・安全」をキーワードにした、キャッシュレス決済戦略について明かした。
カード券面の完全ナンバーレス化
ナンバーレスカードは、カード券面からカード情報の表記をなくし、表も裏もシンプルなデザインに。同社の基幹カードとしては初めて、年会費を永年無料で発行する。
ネットショッピングの際は専用のスマホアプリ「Vpassアプリ」からカード情報を確認できるため、カードを手元に用意する必要がない。スマホの生体認証やパスコード入力により必要な時だけカード番号を表示し、コピー&ペーストでスムーズにネットショッピングを楽しめる。
日常利用を促進するポイントサービスとして、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、マクドナルドで利用すると、通常のポイント還元率0.5%に加え、加算ポイント還元率が最大+2.0%に。また、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルドでVisaのタッチ決済か、Mastercardコンタクトレスにて支払いすると、さらに最大+2.5%(合計ポイント還元率最大5.0%)のポイントが貯められる。
三井住友カードの執行役員 マーケティング本部長 佐々木丈也氏によると、2019年から2020年にかけてのカード利用回数の伸びにおいて、コンビニ、スーパー、ドラッグストア等の「日常業種」が、「全業種」平均の2.8倍と、いかにキャッシュレスが日常利用に浸透しているかが分かる。
一方で、「キャッシュレス決済を利用するに当たって不便に感じていたり、懸念したりしていること」(消費者庁調べ「令和2年12月キャッシュレス決済に関する意識調査」より)のトップ2には「情報流出・不正利用」(55.3%)、「紛失・盗難」(41.6%)が並び、身近になるからこその不安がまだまだぬぐい切れていない状況だ。
その点、ナンバーレスカードなら店舗での利用時にカード情報を盗み見される心配がない。また、Vpassアプリには、「利用通知サービス」「あんしん利用制限サービス」といった使い過ぎや不正利用の不安を解消する機能を実装しており、「セキュリティ面を考慮しながら、利便性の高い顧客体験を提供する設計としています」と、ナンバーレスカードの利点を説明している。
「Vポイント」アプリの提供を開始
三井住友カードは同日より、SMBCグループの共通ポイントサービス「Vポイント」やクレジットカード等で残高チャージし、店舗・インターネットの買い物に利用できる「Vポイント」アプリの提供を開始した。
「Vポイント」アプリでは、顧客をひとつの経済圏に閉じ込め、ポイントを店によって使い分けたり、使えない店はあきらめたりする必要があった、これまでのポイント制度を見直し、ポイントの使いやすさを追求。
「Vポイント」はアプリ内にVisaのバーチャルプリペイドカードを発行し、Vポイントや、クレジットカード、銀行口座などからチャージした残高で、Apple Pay(iD加盟店)または Google Pay(Visaのタッチ決済加盟店)で支払いができる。また、Visaに対応しているネットショッピングでも利用することも可能だ。
残高の上限は最大30万円。ショッピングでの利用額や、チャージ額の0.25%をVポイントとして還元する。貯まったVポイントは1ポイント=1円としてチャージして利用でき、これまでギフトカード等に交換していた手間も省くことができる。なお、Mastercardを利用した場合もVポイントが貯まり、同じくiDやVisaのタッチ決済で使用することができる。
三井住友カードの代表取締役社長 大西幸彦氏は、「三井住友カードのキャッシュレス戦略は、カードを使っていただく生活者の皆様と、事業者の皆様の視点に立ち、不安を解消したり、ニーズに沿ったサービスを提供していきます。この1年間、コロナ禍でキャッシュレス決済への流れが一段と加速し、それゆえに、カード利用に対する安心・安全へのご期待が一層高まっていると感じています」とナンバーレスカード導入の背景を語り、Vポイントの事業に関しては「三井住友カードと三井住友銀行に加えて、SMBC日興証券など、SMBCグループの共通ポイントとして活用の範囲を広げてまいります」と、今後の展開を明らかにした。
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