一生分のかにを堪能しまくる、冬の福井グルメ旅
こんにちは。酒場ライターのパリッコです。
僕の趣味はずばり飲み食い。普段は主に、赤ちょうちん系の大衆酒場で酔っぱらってはそれを記事にしているのですが、実はずっとあこがれていたお仕事があります。それが、旅に出て温泉旅館に泊まり、美味しいものをたらふく食べる旅行記事! 今回、ありがたいことにそんな機会をいただけることになり、実際に行ってきてしまったというわけなんですね。
旅の舞台は福井県。冬の福井の名物といえば、もちろん越前がに! なのですが、福井には他にも美味なる名物料理がたくさんあるそうで。よ〜し、今回は胃がはち切れるまで、冬の福井を堪能してくるぞ〜。
東京駅
北陸新幹線とサンダーバードで福井へ
まずはJR東京駅から北陸新幹線「かがやき」に乗り、約2時間半でJR金沢駅へ。
金沢駅から特急列車「サンダーバード」に乗り換え、約47分でJR福井駅に到着。駅前には大迫力の恐竜たちが! さすが恐竜王国です。
福井駅
福井名物、ソースカツ丼と越前おろしそば
最初の目的地「ヨーロッパ軒総本店」は、駅から徒歩10分ほど。福井名物のひとつ「ソースカツ丼」の元祖といわれるお店で、なんと創業1913年(大正2年)なんだそう。
一般的な卵でとじたカツ丼とは違い、酸味が華やかながらも優しい味わいのソースにとんかつを浸し、ご飯の上に乗せてあるというシンプルなもの。油少なめのあっさりとした豚肉が驚くほど柔らかく、きめ細かい衣はサクサクしっとり。噛みしめると香ばしいラードの香りが口のなかにふわりと広がり、さすが名物、さすが老舗の美味しさでした。
さて、続いてのお目当ては「越前そば」です。福井の名物・越前そば、その最大の特徴は大根おろしがたっぷりと乗っていること。
そんな越前そばのなかでも、ちょっと独特なタイプの一品がいただけるお店があるということで、福井駅から、えちぜん鉄道三国芦原線に乗り三国駅を目指します。所要時間は約47分。
駅から徒歩5分ほどで到着したのが「そば処盛安」というお店。こちらも創業から100年近くになるという老舗です。
さっそく「おろしそば」(越前そば)を注文してみましょう。
運ばれてきたのは、一見カツオ節と刻みネギが乗っただけに見えるそば。ところがこれを食べてみると、ものすご〜くしっかりとした大根の風味が!
実は、福井の越前そばの中でもここ三国町一帯のものは独特で、大根おろし本体ではなく、その絞り汁をたっぷりとつゆに混ぜて食べるスタイルなんだそうです。
のどごしと歯切れが抜群のそばに、出汁の香りに加えて豊かな大根の風味が絡み、完全に未体験の味。まずは大根の甘味を強く感じるんですが、徐々にピリピリとした辛味が蓄積されていく。店主さんに聞けば「うちはそれほど辛くないほうですよ」とのことですが、いや〜これはなかなか刺激的ですよ。食べ終わったあとになんだか心身がスッキリして、健康になった気になれるのも最高です。
お店は「三国港」にも近く、腹ごなしにちょっと散歩を。
まつや千千
温泉&越前がに三昧!
再び、えちぜん鉄道三国芦原線に乗り約8分で、今夜の宿「まつや千千」の最寄り、あわら湯のまち駅に到着。宿へは徒歩で7分ほど。無料送迎バス(要予約)も準備されていますが、のんびりと散歩しつつ向かえばあっという間です。
ご覧の通りの立派な旅館! もちろん、広々とした館内のあちこちには消毒液が設置され、新型コロナウイルス感染症対策もしっかり。
チェックインを済ませてひと息ついたら、何はともあれ温泉へGO!
あわら温泉は、同じエリアにありながら宿によって泉質が異なるのが特徴のひとつ。まつや千千の温泉はナトリウムやカルシウムが豊富な塩化物泉。肌へのあたりがまろやかで、じんわりと成分が体に染みこんでいくような極上のお湯です。いや〜、天国!
温泉を堪能し終えたら、いよいよお待ちかねの食事タイム。なんでも今夜の食事は、今が旬の越前がにを心ゆくまで堪能できるコースだそうで、ワクワクが止まりません……。
なんと、刺身、焼きがに、天ぷら、鍋、そしてものすご〜く立派な茹でがにが丸々1杯
という、贅沢すぎるにもほどがある越前がにフルコース!
越前がには、農林水産省が進めている「地理的表示(GI)保護制度」にも登録され、かにの中で唯一、皇室に献上されているという正真正銘のブランド品。
あぁ、こんな贅沢が許されていいんでしょうか……。
かに刺しは口に入れた瞬間、甘〜くとろける至福の味わいでした。
さらにサクサクホクホクとした天ぷらも、香ばしい焼きがにも、ひと口ごとにうっとりとしてしまうような驚くべき美味しさ。
掘っても掘っても発掘される甘くてみずみずしい身肉を、たっぷりのミソと絡めながら食べれば、もはや言葉は不要。日本海の恵みに心から感謝。
そしてかに鍋は……最終的にもちろんおじやに。
と、一生分とすら思える量のかにを堪能しまくり、あとは寝るだけ。なんだか幸せすぎてこわい……。
編集部注:食事内容は季節やプランによって異なります。
あわら温泉
足湯で温まり、クーポンでお得なランチを
翌朝、宿をチェックアウトしたら、あわら湯のまち駅の目の前にある朝風呂ならぬ「朝足湯」を楽しみに行きましょう。
駅前にあるこちらの立派な施設、なんと無料の足湯なんです。施設名も「芦湯」。
巨大な足湯用の浴槽がなんと5つもあり、3種類の源泉をかけ流しで楽しめる贅沢な施設。もうね、ここに1日いるだけでも全然いいくらいの気持ちよさでした。
さて今日は、あわら温泉の周辺のお店で使える「ランチ・スイーツめぐりクーポン」を使って昼食とデザートを味わっちゃおうと思います。クーポンは、駅にある「あわら温泉情報処おしえる座ぁ」をはじめとしたいくつかのお店で購入可能(HPでご確認ください)。周囲の加盟店でのランチ・温泉入浴・体験の中から1つと、デザート、温泉たまご作り体験、その他周辺施設の割引など、お得な特典がついて税込1,200円。
ランチは駅前の老舗洋食店、「源の屋」を選んでみました。現在のご主人で3代目、ご主人が受け継ぎ洋食屋となってから50年という、街の老舗。福井名物だけではなく、地域に愛されているお店のグルメも味わってみたかったので、メニューの中からオムライスを選択。
具沢山で旨味濃厚なチキンライスを、名人芸炸裂の薄焼き玉子で包んだ間違いない味! いや〜、いいものを食べさせてもらいました。
源の屋から徒歩2分、デザートは「カメハメハ大農場の農家カフェ&スイーツ」で、プリン(プレーン)を。
福井県のブランド「福地鶏卵」とあわら市の田嶋牧場の牛乳を使った手作りで、素朴ながらも深い味わいがたまりませんね〜。
東尋坊
そして東尋坊へ……
さて、旅の最後は福井を代表する観光名所「東尋坊」を目指しましょう。あわら湯のまち駅からは、京福バス1本で行けて、所用時間は約27分。
こんな商店街を抜けると、東尋坊!
初めて来たんですが、すごい場所ですね、東尋坊。海に面した大迫力の崖は、ほぼ柵もなく自然のままの姿。かなりギリギリのところまで歩いていけてしまうので、高いところが苦手な僕はドキドキしっぱなしでした。
東尋坊の景色をたっぷりと堪能したら、売店で買った地ビールで最後のシメ。
ここからは再び京福バスで芦原温泉駅まで約43分。さらに北陸本線で金沢駅まで約1時間9分。北陸新幹線「かがやき」で幸せ気分でうとうとしていたら、あっという間の帰京となりました。
僕が福井へおじゃましたのは今回が初めてだったのですが、美味&絶景が満載で、本当に本当にいい旅になりました!
しかも芦原温泉駅は北陸新幹線の敦賀延伸に伴い新幹線の新駅となる予定だそうで、そうなればさらに東京からのアクセスもしやすくなりますね。楽しみだな〜。
東京駅
掲載情報は2021年1月28日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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