オハイオ州立大、AIで既存の治療薬の新たな治療効果を予測する!

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オハイオ州立大学の研究者らは、機械学習手法を用いて既存薬の転用で別の病気の治療に役立てる「ドラッグ・リポジショニング」を加速してくれそうだ。

従来、既存薬転用の有効性は、セレンディピティとランダム化比較試験の組み合わせによって特定に至る。研究者らはAIに予測させることで、ドラッグ・リポジショニングに要する時間とコストの削減を目指す。

どちらの薬剤がより良い効果をもたらすかを予測

研究者らは薬剤候補と定義されている効果から、薬剤転用の効果を推定するフレームワークを作成した。

ランダム化比較試験では、年齢、性別、人種から病気の重症度や既往症まで、無数の交絡因子の影響を考慮する必要がある。フレームワークの基盤となるディープラーニングアルゴリズムでは、これらをパラメーターとして扱うことが可能だ。

研究者らは約120万人の心疾患患者の保険金請求データを使用。ここから、実施された治療とその経過、交絡因子に関する情報が得られた。フレームワークでは、薬剤Aや薬剤Bが特定の疾患に効くかどうかではなく、どちらの薬剤がより良い効果をもたらすかを予測するという。

6種類の新たな候補を特定

研究結果は、フレームワークが仮説の生成と臨床試験をスピードアップする可能性があることを示している。

因果推論を適用してランダム化比較試験の結果を予測。2年間患者を追跡して、患者の病状、プラセボ薬の患者、どの薬を服用したか……といったデータと比較した。フレームワークは治療効果をもたらす可能性が高いと考えられる9種類の薬剤を導き出し、そのうち3種類は現在使用されているものだった。つまり、分析により新たに6種類の候補が特定されたことになる。

研究では、冠状動脈疾患患者の心不全と脳卒中のリスクを低下させる可能性のある薬を特定することに焦点があてられたが、今回開発された手法は多くの疾患に適用できるという。

参照元:Using artificial intelligence to find new uses for existing medications/ OHIO State News

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